Love Story~信じる事が全て~…<つかつく> 2.
つくしは、楓の言葉と共に、楓の待つレストランの個室の中に入った。
「失礼致します。」
楓は、つくしの強張った顔を見詰めていた。
「つくしさん…。
ご無沙汰してたわね。
此方に、お座りに成って…。」
「はい、ご無沙汰しております。
失礼致します。」
そう言いながら、つくしは、席に就いた。
其処で、つくしが見た楓の顔付きには、悪意を感じないつくしだった。
つくしが、高校生の頃の様な、楓の威圧感をつくしは、感じずに居たのだった。
だが、楓から、“何を言われるのか?”
つくしは、其れだけが不安で仕方なかった。
楓は、行き成り、本題に移った。
「つくしさん…。
貴女に、お願いが有るの?」
「如何言ったご用件でしょうか?」
楓は、威圧感を出さない様に、つくしを諭す様に話しし出した。
「実は、司は、貴女の事を負担に感じ出したの。
つくしさん…?
貴女に逢えない事で、司の心の負担が大きく成って来て居るの。
このままなら、司は、学業、愚か、その内、ビジネスにも、身が入らなく成るわ‼
其れこそ、司が、NYに渡米して来た直ぐの頃の様に、『七光りのお坊ちゃま』と、言
われ兼ねないの。
だから…。
司とは、一旦、別れて欲しいの。
如何かしら?
貴女も、今は、国際弁護士の資格を取る為に、頑張って居るのでしょ?」
「………」
つくしは、言葉を発する事は、出来なかったが…。
つくしは、楓に頷いて見せていた。
「其れじゃあ、一旦は、お互い、お別れして…。
今、それぞれ、必要な事を精一杯する時期じゃないかしら?」
「………」
つくしは、“後1年‼”と、思って居た心のギアが外れてしまった様に、何も、言葉が出せかった。
だが、“其れが、司の幸せに成るなら…。”と、楓の申し出に了承していた。
「承知しました。」
楓は、つくしにニコっと、微笑み掛けていた。
そんな楓を見た事の無かったつくしは、狼狽え掛けていた。
其処で、楓が、更なる、注文をつくしにして居た。
「この事は、椿にも、司にも、其れと、タマと西田にも、言わないで頂戴。
此れは、私(わたくし)と貴女との約束。
良いわね。」
「………」
つくしは、言葉には、出来なかったが…。
楓に、頷いて見せていた。
そんな楓は、三度、つくしに注文を言って除けていた。
「其れと、司には、もう、連絡はしない様に…。
勿論、司から、連絡が来ても、取らない様に…。
音信不通のまま、お別れしてもらえる。
其れと、英徳大学には、卒業まで、そのまま、通いなさい。
その間、司の幼馴染達にも、連絡が取れない様にして欲しいの。
存在だけが、英徳大学に在る事で、司は、安心すると思うのよ‼
つくしさんから、別れを切り出された後の司は、逆ギレしそうだし…。」
そう言いながらも、楓は、つくしには、威圧感は出さなかった。
此れは、司とつくしの二人の将来の為の選択と思って居た楓だった。
その後、つくしは、楓から、言われた通りに、尚一層、勉学とバイトに明け暮れた。
そして、つくしは、F3&桜子にも、連絡を取らない様にした。
そうこうしている間に、F3は、卒業して、家業が忙しく成り、つくしの事を気にして居る暇も無かった。
其れも、桜子が、“英徳大学に在籍しているので、何か有れば、言って来るだろう。”と、F3は、安易に思って居たからだった。
つくしは、司法試験に現役で合格する為に勉学に勤しんで居たので、桜子と会う事も儘成らなかった。
だが、桜子には、つくしの様子は手に取る様に分かって居たので、放って置いた。
そして、つくしが、大学4年に成った頃、実際なら、司が、4年間のNY生活から、日本に帰国する筈だった。
だが、つくしの勉学を理由に、司は、楓より帰国を伸ばされていた。
勿論、反発もした司だった。
司は、つくしには、全く、逢えない。
連絡も取れない。
限界は、もう、既に、越えては居たのだが…。
つくしの為と言われれば、NYで、頑張る事にして居た司だった。
そして、見事、つくしは、大学4年で、現役での司法試験に合格して、大学卒業後、1年間の司法修習生と成り、弁護士資格を手に入れていた。
そして、1年間の弁護士見習いを経て、漸く、弁護士として、独り立ちを始めた頃…。
つくしにとっては、意外な人と、再会していた。
実は、つくしは、先輩弁護士のお供で、取引先企業のレセプションパーティーに出席していた。
つくしに声を掛けて来た、その人…は?
つくしとの再会を喜んで居た。
勿論、つくしは、一瞬、驚愕はしたが…。
再会出来た事を、つくしも喜んで居た。
その時、つくしは、その人から、驚愕する言葉を、聞かされていた。
つくしにとっては、またとないチャンス‼
こんな機会は、今度、いつ、訪れるやも分からない。
“だったら…。
今が、チャンスかも…。”と…。
悩んでしまうつくしだった。