Again and again…<つかつく>・<総優> 14.
<司side>
姉ちゃんは、こいつの言葉を聞き取っていたかは不明だが…。
こいつに俺をプッシュしようとして居た。
「ねぇ、つくしちゃん…?
つくしちゃんが、司の事を如何思っているかは、私には、分からないわ。
でも、司を避けないで遣ってもらいたいの‼
此の子は、他人(ひと)から避けられた事が無いのよ。
今までは、避けて居た側だったから…。
避けられると、とことん、追い掛けたく成ると思うの。
如何かなぁ~?
“司を受け入れて‼”とは、言わないから…。
取り敢えず、“お試し期間…2ヶ月。”と、言うのは、如何かしら?
其れから、司を受け入れるか? or 受け入れないか? を決めると言うのは、如何か
しら?」
「………」
こいつは、悩んで居るのか?
言葉を発しなく成った。
唯、俺の顔を、じーっと、凝視して来る様にしか、俺には、見えなかった。
<つくしside>
私は、如何答えて良いのか?
分からずに居た。
あの人と、私の間には…。
私には、覚えて居なくても、そう言う関係らしいから…。
取り敢えず、お姉さんの言う『お試し期間』を、“試してみる事も良いのかも知れない。”と、思った事が、私の『運の尽き』と成ったらしい。
「承知しました。
では、お姉さんの仰って居られる、『お試し2ヶ月』という事で、宜しかったでしょう
か?」
「司…?
其れで、了承するわよね?」
あの人が、納得したのか?
頷いた様なので、お姉さんからは、了承の言葉を聞かされていた。
「つくしちゃん…。
司の事を宜しくね‼」
私は、お姉さんの其の言葉に、些か、不安を感じつつ、了承の言葉を伝えていた。
「はい。
此方こそ、宜しくお願いします。」
私は、あの人が、まさか、ニヤッと、笑っていた等と、知る由も無かった。
私は、後々、後悔してしまった。
“私は、早まってしまったのかも知れない。”と…。
何故なら、あの人の私に対する執着振りには、並々ならぬモノが有ったからだった。
*いつも、傍に居たがる。
*私が、傍に居ないと、探し始める。
*私に触れて居ないと、不安らしい。
*“エスコート‼”と、言いながら、私の腰に、あの人の右腕を回して来て、他人(ひと)
の前でも、いちゃ付こうとして来る。
私にとっては、迷惑この上ないのだ。
私の傍から、離れて欲しい時も有るっつーの‼
その上、私が、離れ様とすると、怒り出すから、鬱陶しい事、この上ないのだ。
私は、ここ最近、溜息を付かない日が無い様に思う。
“一つ溜息を付く度に、幸せが逃げて行くっつーの‼”と、私は、叫びたかった。
でも、あの人の返って来る言葉が、目に見えて分かるだけに、何も言えない私が居た事もまた、確かだった。
多分、あの人成らば、返して来る言葉は…?
「俺が、お前の傍に居て、一生、幸せにして遣るから、大丈夫だ‼」
だから、諦めるしかなかった私だった。
“後、何日…。”を合言葉に…。
そして、そうこうしている間に、お試し期間の2ヶ月が経った。
私は、“先が続きそうも無い‼”と、お断りする気で居た。
だが、私がそう返事しようとして居る事に気付いたのか?
あの人は、私に仕掛けて来た。
「俺は、お前が、此の2ヶ月、傍に居て、楽しかった。
俺は、此れで、お前と終わりたくねぇ…。
だから、このまま、俺の傍に居てくれ‼
頼むよ‼」
「………」
私には、あの人の顔の中で、弱い顔付きが在った。
其の顔付きを見てしまうと、つい、許してしまう。
其れは、悲しそうに、縋る様に、私を見て来る頼り無げなあの人の目付き…。
ううん、顔付きかな…?
その事を分かっててか如何かは、私には、分からなかったが…。
私に、そんな顔付きで、あの人は、縋る様に言って来るもんだから…。
お断りする言葉が見付からずに居た。
だから、何も、言い返せずに居た私だった。
其れを良しと見做したか如何かは、私には、分からなかったが…。
一言、私は、あの人に言われていた。
「良いんだな?
俺と、今後も、付き合うんだな?」
だから、私は、言いたい事は言って於いた。
「分かりました。
でも、私は、道明寺さんが私を思ってくれて居る気持ちの10分の1しか好きじゃ無いか
も知れませんが…。
其れでも、良いですか?」
「はぁ~??
10分の1だと…‼」
あの人の顔色が変わった事を、私は、見逃さなかった。
でも、何か、様子が違って来て居る様にも、私には、思えて居た。