会いたい…<つかつく> 続編②
<司side>
俺は、ひなを諭していた。
「本来なら、ひなは、道明寺家の娘だ。
俺さえ、つくしの記憶が有ったなら…。
つくしと約束通り、結婚して居たなら…。
そうだとすれば、ひなは間違い無く、道明寺家にとっては、後継者だ‼
ひな…?
だから、俺は、ひなを立派な後継者に育ててみてぇんだ‼
だから、俺の傍で、働いてくれねぇか?
俺の嫁で在る つくしの代わりに俺を支えてくれねぇか?」
「………。
叔父さんが許さないと思う。」
其れこそ、ひなは、答えてはくれなかった。
だが、ぽつりと、ひなが言った言葉に、ひなの想いは、全てが其処に有ると俺は悟っていた。
ひなは、進に対して、恩を感じて居るのだろう。
だから、俺のプライベート携帯番号(iPhone)を記した名刺をひなに渡した。
俺は、此の(俺のプライベート携帯番号(iPhone)を記した)名刺を、ひなに逢ったら渡そうと、ずーっと、肌身離さず、持っていた。
やっと、ひなに渡せて、俺は、嬉しかった。
そして、ひなは、受け取ってくれた。
そして、俺は、ひなに言って除けていた。
「何か有っても、無くても…。
何時でも良いから、俺にTELして来い‼
寸分の狂いなく、俺は、ひなの父親で、ひなは、俺の娘、何だから…な。
分かったな、ひなっ‼」
「………」
ひなは、答える事は、無かったが…。
俺の名刺を、じーっと、見詰めていた。
そして、ひなも、つくしを参った後…。
俺は、ひなを、現在のひなの自宅と成る進の家に送り届けた。
ひなを進に返さねぇといけねぇ事が、こんなに辛いとは、思いもしなかった。
“早く、娘のひなを俺の手元に置いて於きてぇ‼”と、思う、俺が、其処には、居たのだった。
そして、ひなから、何の連絡もねぇまま、幾日かが過ぎた頃…。
F4会の招集が掛かった。
俺は、取り敢えず、行く事にした。
で、俺が、着く成り、あきらが俺に確認して来た。
「おい、司…?
此の前のうち(美作商事)の最終面接で、牧野にそっくりな女子学生が受けに来たんだ
よ。
で、名前を確認したら、『牧野ひな』って、成ってて…な。
俺、面接官に徹しねぇといけねぇのに慌ててしまって、周りが俺の様子に気付く位ぇだ
ったんだよな。
其れ程までに、そっくりだったんだよ‼
其の『牧野ひな』っていう女子学生が、牧野に…。
司…?
其の『牧野ひな』っていう女子学生の事を調べた方が良いんじゃねぇのか?
俺も、協力するし…よ。」
俺は、至って、冷静に取り繕って居る事が、F3には、不思議だったんだろうな?
類までもが、参戦して来た。
「司…?
牧野の事が分かるかも知れないんだよ。
司が調べないなら、俺が、調べても良いの?」
だから、俺は、F3に言って除けて遣った。
「その必要はねぇよ。
もう、ひなとは、会ってるし…。
親子の会話もしてるんだ‼」
「「「はぁ~??」」」
あきらは、驚愕の余り、声は上擦っているみてぇだった。
「何時だよ?
何処でだよ?」
「ひなの存在が、分かったのは…?
俺が、帰国して直ぐ…の事だ‼
逢ったのは、9月21日に、つくしが埋葬されてる寺で…だ‼」
「「「………」」」
F3は、驚愕で、空いた口が塞がらねぇ状態に成っていた。
で、暫くしてから、あきらが、また、俺に訊いて来た。
「おい、ちょっと、待て‼
司…?
今、『埋葬』って、言ったか?」
「ああ。
つくしは、10年程前に、病気で、他界してんだ‼」
「じゃあ、子供は、誰が引き取ったの?」
「進…だ‼
つくしの弟。
現在は、進の養子に成ってる。
ひなが、10歳の頃だったから、保護者が必要だったんだろう…。」
「「「………」」」
もう、F3は、何も言えずに居た。
だが、俺は、あきらに言って於かねぇといけねぇと思い、口を開いた。
「あきら、悪ぃが…。
ひなは、うち(道明寺HD)に入社させるつもりだから、ひなを諦めてくれ‼」
「まあ、そう言う事なら、仕方ねぇよな。
優秀みてぇだから、勿体ねぇんだけど…な。」
「悪ぃな、あきら‼」
F3は、顔を見合わせていた。
で、俺は、“F3で、声を合わせるな‼って、言うだ‼”と、叫びたい心境だった。
だが、F3は、飄々と、言って除けて来た。
「「「司が、謝って来た(ぜ)‼
激レア…。」」」
「うっせぇよ‼」
俺は、F3を一括して於いた事は、言うまでも無かった。