昔からある場所…<つかつく> 15.
この事を、発表する前に、F3&T3に、事前に報告する必要性が有った。
その為、司は、『F4&T4LINE』に、招集の連絡を入れた。
『話して於きたい事が有るんだ‼
メープルのラウンジのVIPルームに集合してくれ‼』
そして、F4&T4は、メープルのラウンジのVIPルームに集結した。
何時もの如く、あきらが、口火を切って来た。
「今日は、何の集まり何だ?」
司は、隣に座るつくしに合図を送った。
其れを受けて、つくしも頷いた。
F3&T3は、司とつくしの動きに、結婚報告かと思って居た。
だが、真逆な言葉に、驚愕しか無かった。
で、司から、『例』の話しが、F3&T3に伝えられた。
「俺とつくしは、お互いのそれぞれの会社とは別に、別会社を共同で設立する事にした。
此のプロジェクトに関して、『乙和カンパニーのプロジェクト』と、発表すれば、乙和
会長が、出て来ねぇとも限らねぇ‼
今までは、『道明寺HDのプロジェクト』という認識だった乙和会長の事だ。
つくしのプロジェクトと分かれば、乙和会長は間違い無く、乙和会長の下、プロジェク
トを遂行したがる筈だ‼
そうじゃなくとも、つくしが、乙和会長の無理難題な案件を悉く(ことごとく)熟して
行く事に、乙和会長は、つくしの秘書にまで、口出しし始めてんだ。
つくしが、思い通りに動かねぇ事に、苛立ちさえ露わにし始めてんだよ。
其れに、つくしの政略結婚の話しが無く成った。
元々、婚約もして無かった話しだったから、ババアが言うには、あっちを切る事も容易
かったらしい。
だから、乙和会長を驚愕させる為にも、お前等に協力してもらう事に成ると思う。
宜しく頼む‼」
「「「「了解‼」」」」
「「了解しました。」」
この事に寄り、司とつくしは、良い意味での援軍を得れた事にホッとして居た。
そして、司とつくしの共同企業の設立が発表された。
所謂、記者会見を執り行った司とつくしだった。
勿論、例のプロジェクトの件も、併せて発表された。
誰もが、驚愕した事は、言うまでも無かった。
司会者で在る 西田の説明の後、司が、挨拶を行った。
「先程、紹介を受けました道明寺司です。
私は、元々、道明寺HD 副社長でも在ります。
また、私の隣に座っております乙和つくしも、乙和カンパニーの副社長でも在ります。
また、私と乙和つくしとは、高校の頃より、英徳学園で知り合い、恋人として付き合っ
て参りました。
ですので、今回のプロジェクトも、共同で、取り組んで参りました。
その関係で、今回、共同で、企業を立ち上げる事にしました。
共同企業名を、『T&Tコーポレーション』と致しました。
社長は、私 道明寺司が務めます。
また、参画者として…。
花沢物産 専務 花沢類 ・ 美作商事 専務 美作あきら ・ 大河原グループ 常
務 大河原滋 ・ 西門流 次期家元 西門総二郎 ・ 旧華族 三条家 三条桜
子 ・ 乙和カンパニー 役員 乙和進も、加わって居ます事も、重ねて、発表しま
す。
皆様のご理解を頂戴致したく思います。
今後共、宜しくお願いします。」
此の発表に、驚愕したのは、言うまでも無く、つくしの祖父 乙和会長だった事は言うまでも無い。
乙和会長は、全く、聞かされていなかった案件だった。
なので、後日、乙和会長は、つくしを呼び出して居た。
そして、つくしが、司と一緒に来た事を、更に、驚愕していた。
だが、乙和会長は、つくしに、此の失態(乙和会長にとっては、『失態』と解釈されていた。)を話しする様に促していた。
「つくし…?
今回の案件は、如何いう意味じゃ?」
其処に、司がつくしを制止して、説明し始めていた。
「乙和会長…?
私の方から、説明させて下さい。
私は、つくしさんを愛しています。
だから、つくしさんの苦しんで居る姿が見て居られなかった。
だから、つくしさんに、私と一緒にプロジェクトを立ち上げる様に進めたんです。
其れが、道明寺HDのプロジェクトとして、始めた案件です。
此のプロジェクトは、私とつくしさんが立ち上げた会社主導で行います。
ですが…。
つくしさんが、乙和カンパニーの副社長としての任務を怠る事は有りません。
其れは、私の母親で在る 道明寺HD 社長が、承認した企業だからです。
今後も、私とつくしさんは、恋人として、お付き合いをさせて頂きたいと思って居ま
す。
乙和会長…?
勝手に、『コト』を動かして居た事をお許し下さい。」
乙和会長は、道明寺HD 社長で在る 司の母親 楓までもが、承認したのでは、何も言い出せない事が分かって居て、司が、言って来て居る事は分かり切っていた。
何故なら、楓の力を思い知ったからだった。
楓が、まさかの総理大臣にまで、モノが言えるとは、思わなかった乙和会長だった。
それに、今後、EU圏との話し合いに成った時…。
乙和会長は、楓が、何かの手助けをしてくれる様な気がして居たのだった。
だから、司とつくしの件も、許すしか無いと思って居た。
司にとってはして遣ったりだった。
此れに寄り、司とつくしの付き合いは、乙和会長からも、認められた。
また、司とつくしが、共同企業を立ち上げた事で、楓から、乙和会長に打診が有った。
「乙和会長…。
弊社(道明寺HD)との提携をお考え願えませんでしょうか?」
乙和会長にとっても、願ったり叶ったりな提案だった為…。
即座に、了承していた乙和会長だった。
また、進も、日本で、研究所を立ち上げる事に成り、研究拠点を、日本に移していた。
此れに寄り、司とつくしの婚約話も、とんとん拍子に進んで行った。
此れで、司とつくしは、お互いの『昔からある場所』に、落ち着く事が出来たのだった。
fin