司とつくしは兄妹?…<つかつく> 6.
道明寺邸に着いた司と類は、驚愕していた。
椿の衣裳部屋で、ファッションショーの如く、つくしは、ファッション選びのレッスンを椿から受けていた。
実は、つくしは、与えられた洋服を其のままのコーディネートで着る位、ファッションに関しては、疎かったのだ。
英才教育 や マナーレッスンは、NY時代に受けていたが…。
ファッションセンスというモノは、持って生まれた要素が大きいらしく、天性がモノを言うらしい。
だが、『TOJ』は、其処も踏まえて、審査される。
なので、語学やマナー等は、何とか成っても…。
ファッションセンスだけは、付け焼き刃で何とか成るモノでは無い。
だが、椿は、強行突破しようとして居たのだ。
そんな事とは知らないつくしは、此のレッスンは、何の為のレッスンかを、椿から打ち明けられて居なかったのだ。
つくしは、元々、椿には、逆らえない人種なのだ。
其の為、言われるがまま、つくしは、椿からレッスンを受けて居たという訳だった。
其処で、司は、椿に確認していた。
「姉ちゃん…?
つくしと、其処で、何、遣ってんだ?」
椿は、急に、司の方を向いて、真剣な顔付きに成って言って居た。
「つくしを『TOJ』に出場させるのよ‼」
「「「はぁ~??」」」
司と類だけじゃなく、つくしまでもが、驚愕していた。
椿は、司と類とつくしに、『TOJ』に出場させる意味合いを聞かせていた。
「つくしを『TOJ』に出場させる事を決めた訳は…ね。
お母様は、『TOJ』の第1回優勝者なのよ‼
そして、私も、『TOJ』の優勝者なの。
だから、つくしも、『TOJ』に出場させて、優勝させたいのよ‼
類、ダメかな?」
「………」
司は、大歓迎の様子だったが…。
類とつくし兄妹には、驚愕の何物でも無かったのだ。
“また、姉ちゃんは、訳の分からない事を考え出したモノだ‼”と、思って居た類だった。
そんな類は、更に、思って居たのだった。
“何れにしても、姉ちゃんに何を言っても、つくしを出場させる気満々じゃん。
だったら、『NO』は、無いって、事じゃん‼”と…。
だから、其の時の類は、返答し無かったのだ。
実は、椿は、何れ、司とつくしを結婚させようと企んで居た。
また、司も、将来の司自身の結婚相手は、“つくしだ‼”と思って居た。
其処は、道明寺姉弟の意見は一致していた。
だからこそ、椿の中では、道明寺家に嫁いで来る予定(?)のつくしには、道明寺家のステイタスとして、『TOJ』に出場させ、『TOJ』で優勝させたいという思惑を秘めて居たのだった。
此の事は、類には、分かり切っていた。
だが、今一、ピンっと来て居ないつくしには、敢えて言わないで居るつもりの道明寺姉弟と類だったのだ。
一方のつくしは、椿に言われるがままに、素直に、椿のレッスンを受けて居た。
『TOJ』に出場するまでのそんなつくしは、毎回、椿に課題を出されていた。
其の課題に合ったファッションを、つくしが選ぶ事が出来る様に、実は、プログラミングされて居たのだった。
なので、徐々に、つくしのファッションセンスが身に付いて来た事は、事実だった。
司も、つくしが、邸に来る日は、欠かさず、早目に、邸に帰って来ていた。
タマは、そんな司を観て居て、言わずには居られ無かったのだ。
「坊っちゃん…。
ご苦労さんな事さね。」
そんなタマを放って置く事にして居る司だった。
また、司は、司が選んだつくしに合ったファッションを、態と、つくしに着させ様とする司の横槍に、椿も怒り心頭な事は言うまでも無かったのだ。
そんな道明寺姉弟には、呆れる類だった。
類は類で、椿と司の似た者(道明寺)姉弟の暴走を止める為…。
いつも、道明寺邸を訪れて居た。
そんな類の事も、タマは、いつも、思って居た。
“ご苦労さんな事さね。”と…。
だが、類には、敢えて言わないタマだった。
で、つくしの努力(?)のお陰で…。
つくしのファッションセンスは、身に付いて来ていた。
そして、『TOJ』の当日が遣って来た。
つくしは、2学年代表だった。
椿の推薦状が有る方が、英徳学園側に、優位に選ばれるらしい。
何故なら、椿は、過去の優勝者だったのだから…。
そして、つくしが出場していた年は、永林学園からの代表に、次期国連大使の娘の『栗巻あや乃』が、出場する事が分かった。
俄然、遣る気に成る司に対して…。
実は、『栗巻あや乃』は、つくしが、NY時代に通って居た学校の同級生で友人だったのだ。
で、あや乃も、永林学園 2学年代表で、『TOJ』に出場する事と成ったのだ。
なので、つくしは、遣る気消失に成っていた。
何故なら…。
つくしは、あや乃と自分自身との、容姿が違い過ぎる事を知って居たからだった。
美人で清楚系な『あや乃』に対して…。
可愛い系な『つくし』…。
NYに居る時から…。
『あや乃』は、『 Beautiful woman(=美しい女性)』と、形容詞される程だったのだ。
に、対して…。
『つくし』は、『Cute(=可愛い)』と、言われていた。
だから…。
つくしは、あや乃に負ける気しか無かったのだった。
<此の二次小説『司とつくしは兄妹?…<つかつく> 6.』は、切り目が良い為に、
短めに成っております事をお詫び申し上げます。>