Love is the mystery~私を呼ぶの~…<つかつく> 7.
つくしも、司の現状の噂は、聞いて居た。
しかし、今のつくしには、如何する事も出来ないで居た。
何故なら、クラウンCEOは、道明寺HDとの提携を拒んで居たからだった。
つくしが、入社する1年前の出来事だった故…。
何故こう成ってしまったのか?
詳しくは、つくしは、知らなかったし…。
知らされて居なかった。
つくしは、現状の司が、心配で成らなかった。
だが、今、つくしが動けば…。
クラウンCEOにバレてしまう。
クラウンCEOは、気付いて居るのかも知れなかったのだ。
司とつくしの高校生の頃の二人の事を…。
あの当時…。
クラウンCEOと楓を仲直りさせた時に、つくしが言った言葉だけで、司とつくしだけじゃ無く、道明寺HDとつくし…。
所謂、道明寺HD 社長で在る 楓とつくしとの間には、“何か有る。”と、クラウンCEOが悟っても、可笑しく無い状況だったのだから…。
あの時、つくしが、楓の目の前で、クラウンCEOに伝えた言葉とは…。
「此の人(道明寺楓)、『魔法の言葉』…。
使えない人なの。
待ってたら、何時まで経っても、上手くいかないよ‼
大丈夫‼
次の代で、道明寺財閥(道明寺HD)…。
潰れるかも…。
バカな息子が跡取りだし…‼」
つくしは、思い出すかの様に、悟って居たのだった。
“もし、私が、道明寺だけじゃ無く、道明寺家との関わりが無ければ…。
私が、楓社長の前で、あんな風に言えるという事は、クラウンCEOにも、其の意味合
いは、分かり切って居たと思う。
だからこそ、私に免じて、クラウンCEOは、あの時、道明寺HDとの提携を了承された
んだろうし…。
だったら、今、私が、動くべきでは無いのだろう。”と…。
だから、つくしには、如何する事も出来ないという事が、正直な所だったのだ。
そんな時…だった。
クラウン夫妻が、好意的にして居る企業の後継者の『婚約party』に、つくしも伴って出席して居たのだった。
其処に、楓も、夫で在る 道明寺HD 会長 保と一緒に、出席していた。
確かに、楓とつくしとの目は合った。
しかし、つくしは、クラウン夫妻に呼ばれて、其方に向かったので、楓には、軽くお辞儀をしただけで、挨拶もしなかった。
否、出来なかった。
楓は、つくしに逢って、話しをしたかったのだ。
楓は、つくしに、“司を救って欲しい‼”と、お願いしたかったのだ。
楓は、無理は承知の上のお願いだった。
あの頃に、楓が、つくしにした仕打ちの事を考えると、誰もが、当然で在ろう事は、分かり切って居た。
だが、つくしの性格を顧みた時…。
楓は、僅かな期待が有ったのだ。
だが、実は、其れも、報われない状況だったのだ。
誰もが、楓の考え方は、余りにも、理不尽過ぎると思う事は言うまでも無い。
だが、楓は、例え、理不尽と言われ様が…。
司を救えるのは、もう、つくししか居ない事を悟っていた。
其れが、叶いそうに無い事を、楓は後悔していた。
そして、其れから、半年程経った頃…。
つくしの縁談が発表された。
しかも、序に、つくしがクラウンCEOの後継者だという事も…。
此の事に驚愕したのは、紛れもなく、楓だった。
そして、此の事で、司は、つくしが、NYに在住して居た事を知った。
そして、今回のつくしの縁談の発表を知った司は、取り返しが付かない程に、荒れ出した。
此の司の状況に、司の父親で在る 道明寺HD 会長の保は、やっと、道明寺HDの危機感を募らせていた。
また、重役会でも、司の解任決議が行われる事態に発展していた。
もう、司の父親で在る 道明寺HD 会長 保でも、司の母親で在る 道明寺HD 社長 楓でも、司を助けられない所まで来ていた。
楓は、何が間違って居たのか?
良かれと思ってした事が…。
司を奈落の底に突き落とす結果に成り、もう、後悔処では済まない事を楓は悟ってしまった。
楓は、『PRIDE』を捨てる決心をした。
そして、つくしに逢って…。
否、クラウンCEOに逢ってもらって、“つくしさんの縁談を破談にして、司との将来を考えて欲しい‼”と、懇願するつもりで居た。
だが、つくしだけじゃなく、クラウンCEOさえも、楓との面会を断っていた。
此れに寄り、道明寺HDの危機を知ら占める結果と成った。
“落ちる所まで、地に落ちた‼”と、陰で噂される程に、道明寺HDは、成り下がっていた。
此の噂に、心を痛めて居たのは、他でもないつくしだった。
つくしは、クラウンCEOに懇願していた。
「如何か?
私を楓社長に逢わせて下さい。
私が、楓社長に逢う事をお許し下さい。」
クラウンCEOは、つくしの懇願を了承した。
だが、クラウンCEOの言葉は、つくしの思って居た言葉とは懸け離れていた。
「楓さんと逢うという事は、一企業人としてではなく、一個人として逢いなさい。」
「了承下さり、有難う御座います。」
つくしは、クラウンCEOにお礼は伝えたものの…。
クラウンCEOは、クラウン・コーポレーションとしては…。
“対企業間として、提携合意をして、道明寺HDを救うつもりは無い。”と、つくしに示唆したに過ぎなかった。
かなり、つくしとしては、辛い言葉だった。
だが、つくしは…。
先ずは、楓に逢って、司の現状を救えるのか?
話しを聞いて、判断したかったと言うのが本音だった。
そして、つくしは、楓にアポを取り、逢う事と成った。
そして、つくしは、楓から、司の現状を知らされていた。
「つくしさん…。
つくしさんが高校生の頃に、折角、司に逢いに来てくれたのに…。
あの時は、私(わたくし)が、つくしさんを追い返してしまう結果に成ってしまって、
申し訳無かったわ。」
つくしは、楓の神妙な姿に、此の後、話される司の現状が酷い事を、悟って居た。
「もう、過ぎた事です。」
楓は、つくしの性格を考えた時…。
“そう言ってくれるだろう。”と、悟って居た。
だから、素直に、つくしに感謝の意を述べた楓だった。
「そう言ってくれて、有難いわ。
貴女には、感謝して居るのよ。」
つくしは、楓の言葉に、違和感を覚えて居た。
「まだ、私は、何もして居ませんが…?
其れより、御子息は、今、如何されて居るんですか?」
「重役会で承認されれば、司は、道明寺HDを解任させられるわ。」
楓は、即答して居た。
其の楓の言葉に、つくしは、絶句していた。
“其れ程までに、道明寺は、窮地に陥ってしまったのか?”と…。
つくしは、如何すれば良いのか?
悩んでしまった。
その時だった。
楓から、つくしに提案が為された。
「つくしさん…。
司に逢ってもらえないかしら?」
「えっ??」
つくしは、楓の言葉に、唖然としていた。
「司は、唯、つくしさんが傍に居てくれさえすれば…。
変われると思うの。
お願い‼
つくしさん…?」
「………」
つくしは、少し、考えていた。
だから、直ぐには、返答出来なかったつくしだった。
だが、暫く考えて、楓の提案に了承する事にしたつくしだったのだ。
「承知しました。」と…。
<此の二次小説『Love is the mystery~私を呼ぶの~…<つかつく> 7.』は、神尾
葉子先生の『花より男子』の漫画の中で出て来るつくしのセリフを、勝手に、拝借させ
て頂いております。
勝手に、拝借させて頂いております事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、勝手致しております事を、お詫び申し上げます。>
<また、クラウンCEOとつくしの会話は、英語で為されて居ると、認識して頂ければ幸
いです。>