司とつくしは兄妹?…<つかつく> 9.
司は、つくしを捕まえる為…。
つくしを迎えに向かったのだった。
そして、司は、捕まえたつくしをメープルの司がキープして居る部屋に連れて来て居た。
しかも、つくしの兄で在る 類にも何も言わずに…だった。
類は、司が、慌てて、席を立ち、何も言わず、何処かに行ってしまった後ろ姿を観て居て…。
“大方、つくしを迎えに行った事は間違い無いだろう。”と、一人、思って居た。
また、司は、会場からつくしを連れ出した理由を…つくしに告げて居たのだった。
「今から、俺とお前の二人で、『準優勝party』しようぜ‼」
其の時のつくしは、唖然だった。
何故なら、『優勝party』なら、兎も角も…。
今まで嘗て、つくしは、『準優勝party』とは、聞いた事が無いのだから…。
で、司が、つくしを部屋に入れた時…。
つくしは、壁面がガラス張りの部屋を見て、景色に酔い痴れて居た。
日も沈み始めた外の景色が、宝石の様に光るライト達 や 満点の星達 や 月の光に寄って、美しく輝いて居る様(さま)に、つくしは、うっとりとして居たのだ。
其の日は、偶々、雨上がりの空気が澄んだ空のお陰で、星達まで輝いて居る様に観えて居たのだ。
こんな日は、滅多にお目に掛かれない東京の空…。
つくしは、星達が、夜空一面に瞬いて居る様子を堪能し乍ら、眺めて居たのだ。
其処に、背後から、つくしを抱き締めた司…。
驚愕したのは…つくしだった。
ガラスに映る背の高い司に、抱き締められた小柄なつくし…。
そんなシルエットが、ガラスに映っていた。
司は、そんな小柄なつくしの背に合わせる様に…。
腰を曲げて、つくしの肩に顔を埋める司…だったのだ。
ガラスに映る自分(司)自身の顔を、つくしに観られる事が、恥ずかしく思う司だったのだ。
何故なら、司の顔が、既に、緩んで居たからだった。
そして、驚愕して居るつくしに声を掛けた司だった。
「なぁ~、つくし…。
俺は、お前が好きだ‼
最初は、つくしを憎んでた。
乳飲み子の俺を日本に残して、身重の身体のまま、NYに渡った母親は、今まで俺に、
一切、顧みる事は無かった。
初等部に上がった頃の俺は、母親から捨てられたと思って居た。
だから、つくしが日本に帰って来ても、つくしの事を憎んで居たし…。
つくしの顔も、容姿も、観ようとしなかったし、(つくしの心の)中身も、理解し様と
しなかった。
其れが、つくしと生活して行けば行く程…。
つくしの人と成りが観えて来て、俺は、つくしの兄貴なのに、つくしを好きに成って
行く俺自身に、気が付いた時には、戸惑った。
だから、つくしを観れば、イライラするし…よ。
俺は、“不純だ‼”と、思って、苦しんでも居た。
けど…。
“此れが恋、何だ‼”と、気が付いた時には、本来のつくしは、類の妹だと分かって…。
俺の気持ちは、どんどん加速して行った。
お前が、鈍感なのは、分かってる。
けど…。
俺とつくしは、もう…。
否、初めから、兄妹じゃねぇんだ‼
何時でも、恋人に成る事が出来んだ‼
俺を見てくれ‼
なぁ~、つくし…?」
「………」
つくしは、嬉しさの反面…?
今の此の状況に戸惑いを魅せ始めていた。
だから、司は、つくしの身体の震えを感じ取っていた。
だが、今の司は、そんなつくしを自分(司)自身から、引き離す事も出来ずに居た。
司は、自身からつくしを離したく無かったのだ。
だから、言葉の発せない状態のつくしの唇を塞ごうと…。
司は、司の右手をつくしの顎を抑える様に、つくしの唇を己の顔に近付けさせていた。
そんな司の行動に、驚愕していたつくしだったが…。
流石に、男性の力には、つくしの力等、及ばず…。
根負けしたつくしは、司の成すがままに成っていた。
余りの強引な遣り方だったが…。
鈍感なつくしの心を動かすには、“強引な位が、丁度良い‼”と、思う司だったのだ。
そして、つくしは、司のkissに、腰砕け状態に成り…。
司が、身体を支えて遣った事は言うまでも無かった。
だが、司は、そんなつくしをほくそ笑んで居た事も言うまでも無かったのだ。
此の日を境に、つくしは、どんどん、司に引き込まれて行くつくし自身に戸惑いを魅せる様に成るのだった。
其の様子に、一早く気が付いたのは、やはり…。
つくしの兄で在る 類だった。
此れで、良いのか?
類自身…。
悩んだ事は言うまでも無かった。
だから、そんな司とつくしを陰から、そっと、見守る事にしたつくしの兄で在る 類だったのだ。
そして、其の後の椿は、一日も早く、つくしが、本当の妹に戻る日を夢見ていた。
だから、司に発破を掛ける椿だったのだ。
それぞれの姉と兄…。
何方も、それぞれの弟と妹が、幸せに成ってくれる事を望んで居る事は言うまでも無かったのだ。
だが…。
願い方が、少し違って居るだけだった。
それぞれの姉と兄の想いが、一日でも早く成就する日は何時なのだろうか?
椿と類は、そんな司とつくしの幸せを願わずには居られ無かったのだ。
唯、類は、思って居たのだった。
“司が、此れ以上…。
暴走しなければ良いんだけど…。”と…。
類が、そう思うのは、妹のつくしの事を思っての事だったのだ。
今では、すっかり、『類の妹』としてのつくしの立場は、定着していた。
だからこそ、類は、つくしを心配にも成るのだった。
<此の二次小説『司とつくしは兄妹?…<つかつく> 9.』は、短めに成っておりま
す。
お詫び致します。>