お祖父ちゃんがくれたモノ…<総優> 2.
<優紀side>
そんな時…。
私にとっては、救世主の様に、携帯が鳴り出した。
桜子さんが、声を掛けてくれた。
「優紀さん…?
携帯(iPhone)が、鳴ってますよ‼」
ボリュームをいつもより、小さめにして居たので…。
つくしと喋って居た私は、気付くのが遅れていた。
「あっ‼
教えてくれて、有難う、桜子さんっ‼」
私は、桜子さんにお礼を言って、席を離れる事にした。
「ちょっと、席を外すね。」
で、TELに出た。
TELの主は、姉からだった。
“優紀…?
良かった。
出てくれて…。”
「如何したの?
何か、遭ったの?」
“お祖父ちゃんが、危篤状態に成ったと、伯父さんから連絡が有ったらしいの。
お父さんとお母さんは、先に出なきゃだから…。
お父さんの運転で、お母さんも一緒に、先に向かった。
私も一応、今から、彼氏に連れて行ってもらって、向かうつもり…。
優紀は、如何する?”
「分かった。
私も、今から、向かうね。」
“何で、向かうつもり…?”
「タクシーか?
夜行バスが出てたら、其れで行くよ。」
“そう、分かった。
気を付けてお出でよ‼”
「うん、分かった。
じゃあ、後で…。」
“大変な事に成った。”と、内心、私は、そう思って居た。
だが、そんな事は、言って居られない。
“取り敢えず、皆に伝えて、早く向かわなきゃあ‼”と、私は、そう思って居た。
其処に、つくしが、声を掛けてくれた。
「優紀…?
誰からだったの?」
「うん、お姉ちゃんから…。
つくし…。
今日は、もう、行くね?」
「何か、遭ったの?」
「うん、お祖父ちゃんが、入院して居たんだけど…。
危篤状態に陥ったと連絡が来て…。」
「もしかして、木更津に住んでいらっしゃるお祖父ちゃん…?」
「そう…。」
「中学の頃…。
夏休みに成ると、良く遊びに行かせてもらったけど…さぁ。
優しくて、眼鏡が良く似合ってて、ダンディで…。
だからって、気取って無くて、気さくな方だったよね。」
「良く、覚えてたね。
つくしが、お祖父ちゃんと会ってた頃は、中学生の頃だけだったのに…。
其れより、時間が無いから、もう、行くね。」
「って、優紀…?
何で、木更津まで、行くの?」
「タクシーか?
動いて居たら、夜行バス…?」
つくしは、私を引き留め出した。
「優紀…?
ちょっと、待って…?
司…?
リムジンで、優紀を連れて行って来ても良い?
優紀が、心配だから…。」
「ああ。
だったら、ヘリで行けよ‼
飛行場に行くまでの時間が掛かったとしても…。
トータルしたら、ヘリの方が早ぇだろ⁉」
そんな時だった。
西門さんが、口火を切って来た。
私は、西門さんに言われた言葉に、動揺してしまった。
「牧野…?
俺が、優紀ちゃんに付き添うよ‼
司…?
ヘリに連絡して於いてくれ‼
優紀ちゃん…?
病院名は?」
私は、思わず、言ってしまって居た。
「○○病院です。」
「了解‼
司、頼んだわ‼
優紀ちゃん、行くぞ‼」
西門さんは、そう言って、私の手を握って来て、引っ張る様に、引き摺る様に…。
私を連れ去って行った。
一瞬の事で、誰もが、呆気に取られて居たんじゃないかと、思う様な、早業だった。
西門さんは、リムジンに乗って居る間も、ヘリに乗り換えて搭乗した時も、一切、私の手を離す事無く、手を繋いだままで居てくれた。
何故か?
私は、安心感に包まれていた。
今だけだから…。
私は、今だけ、この人に包まれて居たいと思って居た。
お祖父ちゃんがくれた、お祖父ちゃんからの最後のプレゼントの様に感じて…。
私の西門さんへの想いを断ち切れずに、“このまま、時が、止まったら良いのに…。”と、こんな時に不謹慎にも、思ってしまった私は、“罪人だ‼”と思って居た。
心の中で、私は、思って居た。
“お祖父ちゃん…。
ごめんね…。”と…。
そして、ヘリは、病院の屋上に在るヘリポートに着いた。
そして、私は、またしても、西門さんに手を繋がれたまま、ヘリを降り、病院内に入って行った。
そんな時に限って、一番、見られたくない従姉妹に、私は、見られて居るという運の悪さを呪って居た。
私は、西門さんが気に成って、見上げる様に見詰めて居たが…。
何も気にする事無く、まだ、私の手を離さず、繋いで居てくれていた西門さんだった。
何故か?
更に、安心感が私の中で、膨らんで行った。
だが、私は、この場を如何鎮め様か?
悩んで居た。
不謹慎にも、“此処が何処なのか?”と、言う事を忘れそうに成っていた私だった事は、言うまでも成った。
<不謹慎にも、ジャニー喜多川社長と、同じ様なシーンを思わせる場面展開にしておりま
す事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、勝手致しております事をお詫び申し上げます。
ジャニー喜多川社長に敬意申し上げます。>