お祖父ちゃんがくれたモノ…<総優> 4.
<優紀side>
私は、西門さんの言葉に、面食らって居た。
“如何解釈したら、良いのだろうか?”と…。
だが、今は、そんな事を気にして居られない事に気付いた。
だから、私は、西門さんに伝えて居た。
「私から、聞いて於いて、申し訳ないのですが…。
取り敢えず、其のお話しは、また、後ででも、良いですか?
お祖父ちゃんの所に行って来ますね。」
そう言った私に…。
西門さんは、私が、また、はっとする様な言葉を、投げ掛けて来た。
「俺も、一緒に行っちゃあ、ダメか?」
「えっ??」
「優紀が、孫の中で一番、可愛がってもらったんだろ?
だから、俺も、優紀の祖父さんに挨拶して於きてぇし…。
ダメか?」
私は、ダメと言えず、頷くだけに留めた。
で、私は、西門さんと一緒に、お祖父ちゃんの病室に向かった。
そして、私が、先に病室に入り、西門さんが、その後に入って来た。
そして、お父さんとお母さんが、私を、お祖父ちゃんのベッドの傍に誘導した。
その時も、西門さんは、私の手を繋いだままだった。
で、伯父さんが、お祖父ちゃんに声を掛けてくれた。
「父さん…?
優紀が、来たよ。」
私は、変わり果てたお祖父ちゃんを直視出来なかった。
元々、やせ型の身体が、更に、やせ細っていた。
「お祖父ちゃん…。
優紀だよ‼
遅く成って、ごめんね。」
お祖父ちゃんは、私の手を探して居る様子だった。
お祖父ちゃんが、私を気付いてくれた事が嬉しくて…。
西門さんと繋いで居なかった反対側の手を、お祖父ちゃんの手の上に、そっと、置いた。
お祖父ちゃんは、ニコっと、微笑んでくれた。
お祖父ちゃんの言葉が無くても、其れだけで、十分、私には、お祖父ちゃんの気持ちは通じていた。
其れから、数時間後に、お祖父ちゃんは、息を引き取った。
私は、お祖父ちゃんの最後の時に、お祖父ちゃんの傍に居られた事…を感謝していた。
そして、そんな私の傍に居て、私を支えてくれた西門さんの事を…。
いつの間にか、私の傍に、西門さんが居てくれる事が、当り前の様に、私は、錯覚し始めていた。
でも、西門さんは、至って、普通だった。
ううん、私に何も言わないけど、唯、私の傍に居て、私を支えてくれていた。
そして、一旦、家に帰り、お通夜に出席する為の準備をする事に成った。
その時も、両親と帰ると言った私に、西門さんは…?
「俺も、一緒に、優紀の傍に居ちゃあ、ダメか?
許されるなら、優紀の傍に居て、優紀を支えて遣りてぇ‼」
「………」
私は、何も言い返せず、如何したら良いのか?
悩んで居た。
其処に、お父さんから、口火を切って来た。
「優紀…?
こんな時だから…。
お言葉に甘えたら良い。
お父さんとお母さんは、うち(松岡家)の車で帰るから…。
優紀は、彼と帰って来なさい。」
「………」
私が、答えられずに居ると…。
横から、西門さんの声が、聞こえて来た。
「有難う御座います。
お言葉に甘えて、優紀さんをお預かりします。」
「優紀を支えて遣って下さい。」
「承知しました。
お任せ下さい。」
「………」
私は、成り行きとは言え、此の状況に、如何して良いのか?
悩むしかなかった?
けれど…。
西門さんが、此の状況を打破すべく、私に話ししてくれた。
「優紀…。
じゃあ、一緒に、帰ろうか?」
私は、西門さんの言葉を聞いて、不謹慎にも、嬉しくて仕方なかった。
また、私は、心の中で、お祖父ちゃんに謝っていた。
“お祖父ちゃん…。
こんな時に、ごめんね。
でも、お祖父ちゃんがくれたモノを…。
私は、大切にしても良いかな?”と…。
だって…。
もし、この日に、F4&T4会で、皆さんが集まって居なかったら…。
私は、西門さんから、此の言葉を聞けて居なかったと、思う。
という事は…。
最後に、私に、お祖父ちゃんがくれたモノだという事だよね⁉
お祖父ちゃん…。
有難う‼
お祖父ちゃんの気持ちに応えて、私…。
西門さんに、私の気持ちをぶつけてみるね。
お祖父ちゃん…。
大好きだよ‼
有難う‼
<此処(『お祖父ちゃんがくれたモノ…<総優> 4.』)に出て来る『お祖父
ちゃんがくれたモノ』…とは?
『モノ』=『勇気』です。
分かり辛いかと思い、説明文を入れさせて頂きました。>