お祖父ちゃんがくれたモノ…<総優> 3.
<オリキャラが出て来ます。
了承願います。>
<総二郎side>
俺は、今の今まで、優紀ちゃんの事を、仲間としてしか思って居なかった。
否、思おうとして居ただけだったのかも知れなかったが…。
その事に気付いたのも…。
さっきの牧野の発言からだった。
そうなのだ。
優紀ちゃんが、中学の頃…モテてた発言。
俺が知ってる優紀ちゃんの高校の頃よりも、数倍、綺麗に成って居る現在の優紀ちゃん…。
中学の頃…。
そんなモテてたんなら、“現在は、どんだけ、モテてるんだ?”と、俺の頭を過った事で、居ても経っても、居られない程…。
俺の心を占拠し始めた優紀ちゃんが、其処には居た。
しかも、優紀ちゃんが、焦ってる。
今、優紀ちゃんを、一人で行かせたら…。
何故か?
取り返しの付かない事に成る様な気がし始めていた俺だった。
俺は、思わず、牧野の言葉を制止して居た。
そして、司に頼んで、俺は、優紀ちゃんを連れ出して居た。
俺自身も、咄嗟の出来事で、その時の記憶が曖昧だった。
だが、優紀ちゃんの不安を取って遣りたくて…。
優紀ちゃんの手だけは、ずーっと、離せずに居た俺だった。
多分、F3&T3は、呆気に取られているだろう事は、理解して居る。
俺だって、俺自身の行動に、驚愕してんだから…よ。
後で、あの時の俺の行動は、如何言う意味なのか?
F3&T3に聞かれる事は、間違い無いだろう⁉
だから、俺自身で、俺自身の此の行動の意図する処が、何なのか?
解明しねぇと、多分、俺自身がドツボに嵌まりそうに成る事だけは、理解していた。
で、そんな事を考えながら、優紀ちゃんの手を、未だ、繋いだまま、病院内に入った時に…。
如何も、優紀ちゃんの従姉妹と遭遇したらしい。
頻りに、優紀ちゃんは、不安な顔付きを俺に魅せていた。
しかも、上目遣いで…。
其れは、反則だろ、優紀ちゃん…?
だが、俺は、優紀ちゃんを不安がらせたく無くて、繋いでいた手に力を込めて、“大丈夫だ‼”と、伝えて遣った。
少し、安心した様な顔付きをして居た優紀ちゃんだった。
言葉が無くても、俺の気持ちを理解してくれる優紀ちゃんに、俺は、嬉しく思って居た。
こんな女は、俺にとって、優紀ちゃん以外、初めてだった。
幼馴染の更でさえ、そんな気持ちは、経験した事が無かった。
“不思議な女だよな…優紀ちゃんって‼”と、俺は、密かに、思って居た。
<優紀side>
私が、一番、苦手にして居る従姉妹の『カオリお姉ちゃん』…。
従姉妹の中では、一番上。
それだけに、何でも知って於きたいという一番上オーラを出して来る。
だから、今の此の状況の私を見て、訊いて来る事は、確かだった。
だから、此の状況を如何鎮め様か?
悩んで居る時に…。
西門さんは、其れでも、私の手を離さず、私に、“大丈夫だ‼”と、言ってくれて居る様な素振りをしてくれた。
私は、何故か?
安心感に包まれて居る様な気がして居た。
でも、カオリお姉ちゃんの言葉に、私は返答出来ずに居たのだが…。
西門さんが返答した言葉に、私は、驚愕で、更に、言葉が出ず、固まってしまった。
「優紀…?
手を繋いで、さっきから、離れずに居る此方の方は…何方?」
「………」
「申し遅れました。
西門総二郎と申します。
優紀さんとは、お付き合いさせてもらって居ます。
優紀さんのお祖父さんの事を聞いて、厚かましく、一緒に来ました。」
「あら、そうだったの。
構わないわよ。
お祖父ちゃんが、喜ぶかも…ね。
優紀が、一番、可愛がられて居たんだから…。」
「………」
私は、カオリお姉ちゃんから、離れたい事も在ったのだが…。
西門さんの発言に、確認しなければ成らない事が有ったので…。
私は、思わず、西門さんを、人気の無い奥の廊下の方に誘導していた。
「西門さん…。
此方に来てもらっても良いですか?」
「ああ。」
で、私は、西門さんに訊き出していた。
「西門さんのさっきの発言は、従姉妹が、誤解しましたよね。
お付き合いとしても、『仲間』としてという事を、従姉妹が理解してくれたか如何かは
不透明、何ですが…?
如何しましょうか?」
<総二郎side>
俺は、優紀ちゃんの言葉に、面食らった。
牧野じゃねぇんだから…よ。
普通、気付かねぇか?
“『仲間』として、付き合ってる。”と、言ったつもりはねぇよ。
俺は、もしかして、“優紀ちゃんまでもが、『鈍感』な訳ねぇよな⁉”と、一瞬、疑いたく成った。
だから、俺は、優紀ちゃんに言って除けて遣った。
「良いんじゃねぇの‼
本気で、俺と優紀が、“付き合ってる‼”って、思わせて於いても…。」
「………」
優紀は、驚愕してんだか?
言葉を発しなかった。
俺は、そんな優紀を見ていて、“可愛い…。”と、思って居た。
俺は、そんな俺の心情に気付き、俺が俺自身に、驚愕してしまった。