おとり捜査…<つかつく> 2.
<楓side>
『牧野つくし』…。
成程…ね。
タマの言う通りの様…ね。
もしかしたら、もしかするかも…ね。
【楓とタマと交わした時の会話…。】
私(わたくし)は、司を如何したら良いのか?
いいえ、違うわね。
如何、扱ったら良いのか?
悩んで居た。
そんな風に悩んでいた或る日の事…。
出張の為、日本に帰国して帰っている私(わたくし)に、朗報が舞い込んで来た。
タマが、私(わたくし)の(道明寺)邸での執務室に、珈琲を持って来てくれた。
私(わたくし)は、如何も、憂鬱そうな顔付きをして居た様子だった。
其処に、私(わたくし)は、タマから、声を掛けられた。
「奥様…?
何か、悩み事ですかい?」
「ええ、まあ…。」
タマは、私(わたくし)の様子を見て、確信したかの様に、訊いて来た。
「もしかして、坊っちゃんの事ですかい?」
「ええ、まあ…。」
私(わたくし)はそう言い乍らも、目を閉じて、頭を抱え込んで、悩んで居た。
そんな私(わたくし)に、タマは、話しを続けて来た。
「奥様…。
タマに良い考えが有るんさね。
聞いてもらるかい?」
私(わたくし)は、顔を上げて、タマを見詰めてしまった。
そして、其処に、タマは、私(わたくし)に、或る名刺を渡して来た。
其処に記載している文字を見て、私(わたくし)は、タマを凝視した。
其の名刺に記載されている文字は…。
『○○警察署 捜査1課
巡査部長 牧野つくし』
と、成っていた。
そして、一言、タマが付け加えて来た。
「歳を聞けば…。
まだ、24歳らしいさね。
高卒で、警察官に成ったらしくて…さね。
しっかりしてるお嬢さんだよ。
怯む事無く、どんな状況でも、正義感が強くて…さね。
吃驚する様なお嬢さんだったさね‼」
タマから、詳しく聞けば…。
タマが、ここ最近の暑さの為…。
道端で、倒れそうに成って居た所に、彼女が、支えてくれたとの事…。
其の時に、タマは、此の名刺を彼女から受け取ったらしい。
そして、其の後は、タマから、彼女に連絡をする様に成り、ここ最近は、ちょくちょく、会って居るとの事…。
彼女と話す様に成り、分かった事が有ったそうだ。
彼女は、気さくで、誰とでも、きちんと対応出来る女性だったそうだ。
そんな風に、きちんとしている彼女の姿を見ていて、タマは、思ったとの事だった。
「こんなお嬢さんが、坊っちゃんには、合うんじゃないか?」と…。
また、タマから、私(わたくし)は、言われていた。
「彼女と会って視たら良いさね。」と…。
で、私(わたくし)は、警視総監に相談をしたという訳だった。
『牧野つくし』に会って視て、タマが言って居た言葉を理解した私(わたくし)だった。
<楓side>
私(わたくし)と対面した彼女は、かなり、私(わたくし)に対して、不信感を感じて居る様子だった。
彼女から、心の声が漏れ聞こえて来た。
『“嫌々、不信感しか無いでしょ、普通?
何故、『私』如きが、警視総監…様の直属の部下に慣れるのよ‼
まだ、下っ端なのに…?”』
警視総監と署長は、彼女のそんな独り言を聞いて、驚愕して居るが…。
私(わたくし)は、“司には、彼女の様な娘(こ)が、丁度、良いのではないか?”と、思って居た。
そして、私(わたくし)は、彼女に声を掛けた。
「貴女…。
タマをご存知よね?」
「へっ??」
彼女は、私(わたくし)の言葉に驚愕したのか?
声が裏返っていた。
だが、其れ以上に、私(わたくし)が、驚愕した彼女の言葉は…?
飛んでも無い返答だった。
「まさか?
『猫のタマ』って、訳じゃないですよね?」
彼女は、冗談で、そんな言葉を発してまで、私(わたくし)に、訊いて来て居る様にも思えず…。
彼女の態度は、此の私(わたくし)にも、怯える事も無く、真面目に訊いて居る様子だったのだ。
余りにも、素っ頓狂な言葉に、私(わたくし)は、返す言葉を失いそうに成ってしまった。
だから、私(わたくし)も、真面目に返答した。
「ええ、『人間の』って、意味よ‼」
で、急に、パッと、笑顔に成り、私(わたくし)に、返答して来た。
「では、ご年配のタマさんの事ですか?」
「ええ、そうよ‼」
「はい、存じ上げて居ります。」
其の彼女の笑顔は、其の場を明るくするのだという事が、私(わたくし)にも、分かった。
<此の二次小説『おとり捜査…<つかつく> 2.』は、夏の頃の7月25日頃に描き始
めている為、季節が、『夏』の頃と成っております。
季節感が、全く無く、申し訳御座いません。>