tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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おとり捜査…<つかつく>  4.




<楓side>


私(わたくし)の息子で在る 司の事を知らないという彼女に、私(わたくし)は、驚愕したのだが…。
“或る意味、其の方が良いのかも知れない。”と、思い直していた。


何故なら、先入観を持って、彼女には、司に向かって欲しく無かった。


知って居たら、間違い無く、彼女は、此の仕事を受ける事は無い様な気がして居た。


“彼女とは、そう言う娘だろう‼”と、感じたからだった。


そして、私(わたくし)は、彼女に伝えて居た。


「私(わたくし)の息子は、過去にも、色々、遣らかして居るのよ。
 其の度に、此方で、揉み消して来たという訳…。
 でも、息子は、もう、25歳…。
 何時までも、そんな事をして居たら…。
 企業としての信用性が無く成るし…。
 敢えて言うなら、息子の副社長としての価値も無く成るのよ。
 私(わたくし)が、息子を無理矢理、副社長にさせた意味も無く成るの。
 だから、貴女に、息子を更生して欲しいの。
 如何…?
 遣ってくれないかしら?」
「如何して、私…何でしょうか?」


私(わたくし)は、正直に答えてくれた彼女に免じて、私(わたくし)も、正直に答える事にした。


「タマから、貴女の事を聞いて、此のお話しを警視総監に打診する前に…。
 貴女の事を調べさせてもらったの。
 貴女は、小学生の頃から、正義感に長けて居たそうね。
 しかも、“老若男女問わず、上下関係なく、ダメな事はダメと言える逸材だ‼”と、聞
 いたわ‼
 私(わたくし)の愚息にも、貴女の正義感を以て、私(わたくし)の愚息を更生して欲
 しいのよ‼
 お願い出来るかしら?」


私(わたくし)は、彼女の顔付きを見て、一抹の不安が過った。


私(わたくし)が、そう思って居る処に、彼女は、声を発して来た。


「そう言う事案は、ご両親か? 
 もしくは、ご家族の方が為さるべきでは無いのでしょうか?
 1歳でも、年下の私が、社長の御子息に何を申し上げても、私の話しを聞いて下さる
 とは、とても、思えないのですが…。」


私(わたくし)は、更に、正直に答えていた。


「親の私(わたくし)が、息子を更生出来る様なら、貴女にお願いしないでしょ?
 遣ってもらえないかしら?」


更に、彼女の顔付きは、怪訝さを滲ませていた。


だが、もう、彼女に頼むしかない此の状況に、私(わたくし)は、打ち拉がれるしか無かった。



<つくしside>


私は、『母親でも更生出来ない25歳の男』という『人間』に興味が無い訳でも無かった。


何故なら、“どんな『我儘男』なのだろうか⁉”と、思って居た事は、言うまでも無い。



だが、私は、様子窺いの為に、敢えて言ってしまったのかも知れない。


「此の様な仕事は、警察官がする仕事では無い様に感じますが…?」


だが、流石に、相手は上手だった。


「警察は、国民を守る事が義務でしょ?
 だったら、私(わたくし)の息子も、日本国民よ‼
 現在は、NY在住では在るけれど…。
 是非、貴女の仕事として、遣って頂きたいわ‼
 『おとり捜査官』として…ね。」


もう、何を言っても、無駄な様な気さえして来た。


だから、敢えて、訊いてしまった。


「此れは、決定事項という訳でしょうか?」
「ええ。
 そう取って頂いても、結構よ‼」


私は、もう、此の方(道明寺楓社長)と、戦う気も失せてしまった。


だからだろう。
了承してしまった。


「承知しました。
 此のお仕事…。
 お受けします。」
「そう言ってくれると、信じていたわ。
 宜しくお願いね。」


私は、そう言って、ニコニコと、笑って居る道明寺楓社長を怪訝な顔付きで、見詰めてしまって居たのかも知れない。


此の時の警視総監の顔付きも、怪訝な顔付きに成って居た。


其の時の道明寺楓社長の顔付きと、警視総監の顔付きを見て、其の後も、私には、不安が残って居た事は、言うまでも無い。


其れは、如何してかと言うと…。
私の目の前に現れた其の男が、私の思っていた以上の男だったからだ。


此の時の私には、思いも寄らない事だった。


後(のち)の私は、此の仕事を受けた事を後悔した事は言うまでも無い。


単なる『我儘男』だけでは無かったのだ。


『猛獣』と言えば良いのか?
『俺様』と言えば良いのか?


良い意味で言えば…。
『Going My Way=我が道を往く』タイプの男だったのだ‼


悪い意味で言えば…。
『自分勝手』というべきだろう‼
否、『自己中心的』タイプの男だったのだ。


他人(ひと)の事は、如何でも良い‼


自分自身の価値さえ良い方に評価されれば…其れだけで良い。
所謂、自分さえ、誰からも認められさえすれば、どんな酷い事でも、仕打ちでも…遣って退けてしまう男だったのだ。


『自分至上主義』と言えば、聞こえは良いが…。


此の『道明寺司』という男は…?


所謂、『自分を中心に地球が回って居ないと、何も受け入れられない』タイプの男なのだろう事は、取り敢えず、私にも理解出来た。


でも、『道明寺司』という男は、頭が良くて、簡単に儲ける事が出来る素質も兼ね備えて居るのだろう事も、私には理解出来た。


唯、私が、一番、ナンセンスと思った事は…?
他人を簡単に蹴落とす…事が出来ると言う事。


そして、相手に、精神的打撃(ダメージ)を与える事は、『道明寺司』という男にとって、“何も厭わない。”と、言った態度だった。


『道明寺司』という男は、計算的に、人へ恩を売る事が上手いのだろう。


だから、『道明寺司』という男は、“簡単に、人に媚びを売らせ、人を蹴落とす事等、容易いと思って居るのだろう。”と、私は、理解していた。


此の『道明寺司』という男は、“そういう男性なのだろう。”と、私は、感じ取ってしまった。


道明寺楓社長は、私に、“そんな男性を、如何遣って、更生させろ‼”と、言うのだろうか?


根本的に、“無理だ‼”と、思う事は、私だけでは無いと思うのだが…?


“親が、更生出来ない様な息子を、他人(ひと)に委ねる等と、考える親も親と言えよう‼”と、私は、思ってしまった。



そして、私の人生に於いて、私のストレスが堪る日が来ようとは、此の時の私は、考えもして居なかった。

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