tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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おとり捜査…<つかつく>  6.




<つくしside>


私は、楓社長が、仰って居た企業にて、秘書に扮する前に…。


先ずは、道明寺HD 日本支社 支社長に成る予定の道明寺司 氏の専属第1秘書の西田さんと言う方にお会いする事に成った。


西田さんは、道明寺司 氏より、1日早目に帰国したとの事だった。


で、お会いした場所は、東京メープルのレストランの個室だった。


正直、ちょっと、不安では在ったが…。
“道明寺HDの後継者の件で…。”と、言われれば、場所の件も含め、嫌とは言えない状況だった。


しかし、其処に現れたのは、連絡の在った西田さんと言う方だけじゃ無く、タマさんもご一緒だった。


で、西田さんから、道明寺司 氏の件の詳細を聞かされていた。


「楓社長より、何処までお話しが有ったかは、正直、存じ上げて居りません。
 ですが…。
 私の方からも、お伝え申し上げたく存じます。
 実は、司様は、幼少期の頃より、道明寺邸での生活は、司様のお姉様で在られます椿様
 と、此方にお出での使用人頭のタマさんを含めた道明寺邸のスタッフのみでございまし
 た。
 所謂、ご両親で在ります道明寺HD 会長・社長は、其の当時より、既に、NYでござい
 ました。
 其の為、司様は、ご両親の愛情を知らずに、お育ちに成られました。
 ですので、司様は、姉弟愛はご存知ですが、親子愛は、ご存知では御座いませんでし
 た。
 お姉様の司様への愛情は、親以上ではございましたが…。
 やんちゃな司様を抑えに掛かる様な状況でございました。
 其の為、司様は、他人に対する接し方に疎さが御座います。
 其処の処を、ご存知頂いた上で、司様に接して頂けたらと思っております。」
「………」


私は、道明寺楓社長との会話を思い出していた。
“確か、道明寺司 氏のお姉様という方も、口で言っても分からない時は、道明寺司 氏
 に拳を振り上げていたとか…。”と…。


私が、そう思って居た事で、答えられずに居ると…。
タマさんが、付け加える様に、お話しされていた。


「つくし…。
 坊っちゃんは、愛に飢えてんださね。
 つくしが、愛とは、如何言う意味かを教えて遣ってくれないかい?」
「はぁ~??
 其れって、如何いう意味ですか?」


私は、以前から、タマさんに、『つくし』呼びをお願いしていた。


そんなタマさんは、ニヤッと、私に笑い掛けて来た。


「つくしは…。
 坊っちゃんのお姉様の椿様に、似てるんださね。
 容姿は、全然違うがね。
 考え方が、似てるさね。
 だから…。 
 坊っちゃんは、つくしを気に居ると思うんさね。
 其処で、つくし…。
 お願いが有るんだよ?」


私は、怪訝な顔をして居たと思う。


だって…。
タマさんが、仰る言葉は、何と無く、理解してしまった私だった。


だからだろうか?
タマさんに、突っ撥ねる様な言葉使いをしてしまった。


「何でしょうか?」


タマさんの言葉は、私にとっては、“やっぱり…。”と、思う様な言葉だった。


「此の老婆に免じて、坊っちゃんを見捨てないで遣ってくれないかい?」
「………」


私は、答えられなかった。
何故なら、まだ、道明寺司 氏には、私自身、会った事、無かったのだから…。



そして、其の後、道明寺楓社長の紹介を受けて、任務を遂行する為…。
道明寺楓社長から、ご紹介を受けた企業の会長にお会いした。


そして、挨拶後…。
早速、秘書教育の様なモノを一週間、みっちり、付けて頂いた。


其のお陰かは分からないが…。
自分自身で言うのも何だが…。
秘書に見えなくも無かった。


また、服装は、“秘書として、相応しい様に…。”と、道明寺楓社長が、揃えてくれた。


何処で、如何調べたのか?
私の住まいは、諸バレの様で…。


スーツ一式が、10着程度、アパートに届いた時には、“如何しようか?”と、悩んだ位だった事は、言うまでも無い。


“そんなに要らないし…。”と、私は、思い、お返しし様かと、タマさんに相談をしたら…。


「奥様の気持ちだから、受け取ってお遣り‼」


と、タマさんに言われて、道明寺楓社長の携帯にお礼をお伝えして、受け取った。



そして、一週間の秘書教育が終了した頃に、私は、会長から、言われていた。


「牧野君…。
 明日、司君との会食の際、私に同行してもらうよ。
 そのつもりで居なさい。」


私は、“いよいよ、道明寺司 氏に会う事に成るのか?”と、一抹の不安は有るモノの…。
任務を受けた以上、遂行する事だけに、全力を尽くすつもりで居た。


だが、初めて会った道明寺司 氏は、私が、思っていた以上の男だった。


瞳(め)は、他人(ひと)を食い尽くす様な睨み付けた目付き…。


私の品定めでもして居るかの様に見受けられた。


また、顔色に血色は無く、不健康そうにも見えた。


此れじゃあ、“経営者としては、如何、何だろう?”と、私は、思っていた。


先ずは、他人(ひと)を見下して見て来る所に、人として、違和感しかなかった。


タマさんの助言が無かったら…。
多分、私は、嫌気が差して、逃げ出して居たかも知れない。


“愛に飢えた男の末路の姿って…。
 こう言う風に成るんだ‼”と、私は、違う意味で、興味が沸いていた。


“面白いじゃない。
 遣って遣ろうじゃん‼”と、変に闘志が湧いてしまった私だった。


でも、此の決意が、後には、間違いで有った事を後悔するしかなかった私だった。



<此の二次小説『おとり捜査…<つかつく>  6.』は、短めですが…。
 切り目が良い為…。
 此方で、一旦、切らせて頂きました。
 了承願います。>

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