tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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おとり捜査…<つかつく>  5.




<楓side>


彼女が了承してくれた事で、私(わたくし)は、詳細を彼女に伝える事にした。


私(わたくし)は、私(わたくし)達 夫婦が、更生させる事が出来なかった我が息子を他人に委ねなくてはいけない情けなさを味わっていた。



代々、受け継がれて来た道明寺財閥…。


戦後、道明寺財閥は、『道明寺HD』と社名を変え、日本資本だけでは無く、NYに進出して来た。


そして、本社をNYに置き、日系企業として、道明寺HDは、成り立って来た。



しかし、愚息を更生させなければ、明日の『道明寺HD』は無いのも同じ事と、私(わたくし)は、認識して居る。


既に、道明寺HDの重役だけでは無く、他企業に於いても、誰も、司に刃向かう者は、居ない状況だった。


此のままだと、代々、受け継がれて来た道明寺HDは、間違い無く、潰される時が来る。


私(わたくし)達の代で、道明寺HDを潰す訳にはいかなかった。


私(わたくし)達 夫婦は、代々のご先祖様に顔向けが出来なく成る。


だからこそ、司の更生が急がれる処だった。


そう思って居た所の光明…。
タマから、彼女の存在を聞いて、彼女の事を知った時には、『天使が微笑んだ』と思った。


司に目を覚まさせる手段が無く、頭を抱えて居た所のタマの話しだった。



間違い無く、良い方向に向かうと、私(わたくし)は、何か確信めいたモノを感じてしまった。


司を私(わたくし)達 夫婦が更生する事が出来ず…。
司の姉で在る 椿でさえも、更生させられず…。
タマも、匙を投げた。


何が、司をそうさせてしまったのか?
私(わたくし)は、頭を抱える所だった。



そして、私(わたくし)は、彼女に詳細を伝えた。


「貴女に、『おとり捜査官』として、或る企業で秘書として、動いてもらいたい
 の。」


『牧野つくし』は、私(わたくし)に言い返して来た。


「お言葉を返す様ですが…。
 私は、此れまで、高校を卒業後…。
 警察官一筋で遣って来ました。
 秘書の仕事が出来るとは思えませんが…。」


今まで、そんな風に、私(わたくし)に抗議する事が出来る女性は、私(わたくし)が知る限り…。
私(わたくし)の周りには、居なかった様に思って居る。


だからこそ、彼女の其の正義感に、脱帽しかなかった。


彼女は、『嘘が付けない』タイプの女性で在る事は、一目瞭然だった。


私(わたくし)が、如何言う立場の人間で在るかを知って居るにも関わらず、私(わたくし)に反論出来るとは、頼もしい限りで在る。


だから、私(わたくし)も、誠意を以って、彼女に伝えて居た。


「其れは、大丈夫よ。
 実は、其の或る企業とは…。
 私(わたくし)の愚息で言えば…。
 祖父に当たるんだけど…。
 先代の会長のご友人の企業なの。
 其の企業の会長が、弊社の先代の会長のご友人という訳なの。
 私(わたくし)の主人で在る 道明寺HD 現会長と私(わたくし)は、早くに先代を
 亡くして居るので、其の企業の会長から、色々と目を掛けて頂いて居るんだけど…。
 愚息にとっては、幼少期から、何もかも知られて居るからなのか?
 其の企業の会長が、煙たい存在らしいの。
 だからこそ、其の企業の会長が、今回の此の件を了承して下さって、協力して下さる事
 に成ったのよ。
 だから、其の企業の会長が、貴女を秘書に見える様にして下さるという事だから、お任
 せしたら良いわ。
 貴女が、此の件を了承してくれるなら、司は、現在、NY本社だけど…。
 近日中にも、日本支社 支社長として、帰国させ様と思って居るの。
 如何…。
 遣ってくれるわよね?」
「………」



<つくしside>


楓社長は、私に、了承を求めて居る様で、既に、決定事項だろう事は、私には、理解出来た。


だから、言葉に出す事が出来なかった。


だが、楓社長は、了承を求めている目付きで、私を見て来る事が分かり、頷くだけに留めた。


私が、頷いた事も在ったのだろうけど…。
楓社長から、更に、詳細が伝えられた。


「本来は、其の企業とのプロジェクトは、私(わたくし)が、参加させて頂く予定にして
 居たの。
 けれど、愚息に、此のプロジェクトを任せる事にするわ。
 貴女は、其の企業の会長の秘書として、私(わたくし)の愚息と接触して欲しいの。
 如何…。
 大丈夫よね?」


“大丈夫…?”と、言われても、遣って視なければ分からないと思うのは、世の常だと思うけど…。
まあ、遣って視ますか?


けれど…。
私は、楓社長に、一言、言って於かなければ成らない事を思い出していた。


「一つ、ご相談が御座います。
 私は、合気道・剣道の有段者です。
 ですが、武力で、ご子息に何かする事は在りません。
 しかし乍ら、言って分からなければ、手が出るやも知れません。
 ご了承頂けますか?」
「其れなら、大丈夫よ。
 愚息には、4歳上の姉が居るんだけど…。
 タマが言うにはね、其の娘も、貴女と同じ考えで、口で言っても分からなければ、拳を
 振り上げて居たらしいから…。
 そう言う女性の方が、愚息には、合ってると思うわ。」
「………」


私は、もう、何も言えなかった。
否、“もう、言うまい。”と、思えた。


そんな所に、警視総監から、話された言葉に、私は、驚愕しか無かった。


「牧野君…。
 『公取』は、知って居るだろう?」
「はい。
 勿論です。」


警視総監は、言い難そうに、楓社長を見乍ら、話しして居た。


「実は、道明寺HDは、『公取委』から、『独占禁止法』の疑いで、注意を受けて居るん
 だよ。
 此の件に関しては、道明寺司 氏が、関わって居るんだよ。
 此れまでにも、色々、注意を受けて居たが…。
 今回も、道明寺司 氏は、『何処吹く風』の様だ。
 全て、道明寺HD 会長・社長が、抑え込んで来た。
 其の歪みが今、来て居るんだろう。
 此のままでは、道明寺司 氏は、訴えられる事に成るだろう。
 そうすれば、道明寺HDの母体にも影響する事に成る。」
「………」


私は、何も答えられなかったが…。
何故か?
“成程…。”と、私の心にストンッと、納得する様に、落ちて来た。




<『公取委』の件に関しまして、私は、何も分かってはいないのですが…。
 ここ最近のメディアの中で、『独占禁止法』の話題が多く、題材として借用させて頂
 きました。
 関係者各位 様、勝手致して折ります事を、お詫び申し上げます。
                    お詫び文掲載日 2019.7.25 21:08>

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