懊悩(おうのう)≒ OH NO‼…<F4&T4> 19.
滋は、あれからも、F4ラウンジへの行脚(?)は止めなかった。
類に如何思われても、類を見ない日は、何故か?
調子が狂う様に成って居た滋だった。
滋は、講義の合間を見て、F4ラウンジに向かって居た。
本来なら、類も、同じ時間に講義を受けて居る筈なのに…。
何故か?
講義に滅多に出ない。
そんな時は、必ずと言って良い程…。
類は、F4ラウンジに居た。
所謂、F4ラウンジのソファで横に成って居た。
だから、滋は、類の居場所位は、一目瞭然という訳だった。
そして、滋は、F4ラウンジの中に、そーっと、入って…。
類が寝て居るで在ろうソファの傍まで歩いて居た。
そして、類が寝て居るソファの横にしゃがみ込み、じーっと、類の顔を眺めていた。
いつも、滋は、類の顔を見ながら、独り言を喋って居た。
まるで、其の姿は、“つくし(先輩)…か?”と、T2なら、言いそうな仕草だった。
「類君の顔って…。
綺麗だよね。
男性なのに…。」とか…。
「類君のまつ毛…長いね‼
羨ましいなぁ~。
ほんと、男性なのに…。
狡いよ‼」とか…。
滋は、ブツブツ、言って居た。
まるで、つくしの独り言の様に、喋る滋だった。
時には、じーっと、類の顔を見ているせいか?
滋は、無意識なのだろうが…。
類の顔に、滋の顔が近付いて来るので、類の薄目は、陰に成って居た。
そうなので在った。
滋は、大人しくして居るつもりでも…。
類にとっては、騒がしい滋がF4ラウンジに居れば、間違い無く、目を覚ますという訳だった。
だから、寝た振りを決行していた類が其処には、居たのだった。
実は、其の滋の姿に、笑いを堪えている類だった。
“もう、限界か?”と、類が思って居ると何時も、滋は…。
「あっ、ヤバい‼
講義の時間だ‼」
と、言って、のこのこ…と、F4ラウンジから出て行くのだった。
そんな時の類は、いつも、身体を起こして、ソファに凭れて、顔を天井に向かせて、大笑いしていた。
何故か?
滋の行動は、類の『笑いのツボ』に成って居た。
類は、この時…気付いてしまった。
だから、類は、其の事を確かめる為に、滋を呼び出す事にした。
そして、類は、滋に初めて、LINEを入れていた。
『今日、時間空いてる?』
滋は、飛び上がる位、嬉しかった。
だから、即答していた。
『うん、大丈夫だよ‼
もし、予定が有っても…。
類君の誘いなら、予定を空けるけど…ね。』
其の滋の言い分にも、クスッと、笑いが出ていた類だった。
『ふ~ん。
そう何だ‼
じゃあ、此れからも、空けといてよ‼』
滋は、類の言わんとして居る意味を考えあぐねていた。
だが、類は、流石、策士と言わんばかりに…。
滋に仕掛けようとして居た。
そうとは思わない滋は、持ち前の素直さで、どんどん、類に嵌まって行くのだった。
その辺は、司を弄る(?)…。
否、司を操る事で、鍛え上げられている類にとって、滋は、簡単に操る事が出来るのだった。
滋は、不思議に思うも、素直に返答するのだった。
『うん、分かった。』
其処で、類は、本題に移った。
『今日、メープルのレストランに来てよ‼
待ってるから。』
滋は、“其れって、もしかして、デートの申込…。”と、浮かれてしまった。
だから、T3に言おうとして居たのに…。
そう思って居た所に、類から、LINEが入って来た。
『俺と会う事は、F3&T3には、言わないでよ⁉』
類は、滋の行動は、手に取る様に分かるのだった。
だから、滋には、しっかり、伝えて於いたのだった。
そう言われてしまえば、滋は、素直に、T3に言わないで於く事にした。
『うん、分かった。』
そして、滋は、講義終了後、メープルに向かうのだった。
そして、滋は、支配人に誘導されながら、個室に入って行った。
其処に、眠そうな顔をした類が、座っていた。
類は、滋が入って来た事を見付け、ニコっと、微笑んだ。
其れは、多分、F3なら、仰天して仰け反るで在ろう、類の仕草だった。
何故なら、そういう仕草の類は、何か、策略が在る事位は、F3には、分かり切った事だったからだ。
しかし、滋は、そんな類の笑顔に、何も疑う事無く、また、類に遣られて居たのだった。
そして、類は、自分自身の気持ちが何処に在るのか?
確かめるかの様に、滋に接するのだった。
でも、滋は、類を見る事が出来ずに居た。
何故なら、滋は、目の前に居る類に、照れて居る様子だったのだ。
その事を分かった上で、類は、滋を責めて居た。
「大河原…。
何で、俺なの?」
滋は、類からの不意の問いに、驚愕して居た。
「えっ??
何でって言われても…。」
更に、類は、滋を責めた。
「俺が良いっていう理由は無いの?」
滋は、困った。
「理由は有るけど…。」
「じゃあ、言ってよ?」
「あのね。
あの撮影の後…。
『party』で、類君を見掛けたの。
その時に、微笑みながら、話しして居る類君を見掛けて…何故か?
類君に捕らわれちゃったの?」
「ふ~ん。
でも、大河原って…。
『熱し易くて、冷め易い』んじゃ無かった?」
滋は、何故、類がその事を知って居るのか?
不思議で成らなかった。
「如何して、その事を…?」
「俺が、“何故、知って居るのか?”って、知りたい訳…?」
「………」
滋は、言葉こそ、無かったが…。
類に頷いて見せていた。
「俺は、あきらから、聞いた。
あきらは、三条から、みたいだったけど…。」
滋は、驚愕して居た。
“桜子が、何故、その事を言わなくては行けなかったのか?”と…。
滋は、不思議で仕方なかった。
だが、後で、桜子に訊き出した滋は、桜子の言葉には、仰天してしまった。
「だって…。
その事で、今まで、滋さんに、迷惑掛けられていたでしょ。
だから、敢えて、其の事をあきらさんにお伝えしたんです。
その上で、花沢さんが、滋さんを好きに成ってくれたら…。
“お互い、お付き合いし易いんじゃないか?”と…。」と、言われてしまった滋だった。
だから、それ以上、何も、言えない滋が居た事も、また、事実だった。