あの時と変わらない君へ…<つかつく> 15.
桜子と優紀は、あれからも、つくしと、女子会と称して会って居た。
そんな時…。
桜子と優紀は、あきらと総二郎から、呼び出されていた。
集まったあきらと総二郎、そして、桜子と優紀は、司とエリィー(=つくし)の事について、話し合いをして居た。
口火を切ったのは、あきらだった。
「そろそろ、司と牧野を逢わさねぇか?」
桜子は、怪訝な顔付きをして居た。
「まだ、無理じゃ在りませんか?
と言う寄り、早いんじゃ在りませんか?」
優紀も、桜子に、賛同する様に、頷いて居た。
桜子は、理由をあきらと総二郎に伝えていた。
「今の先輩は、先輩の様で、先輩じゃ無いんです。
『牧野つくし』と、言う女性(ひと)は、鈍感だったかも知れません。
でも、今の先輩…。
『エリィー』と、言う女性(ひと)は、鋭いんです。
だから、無理強いをしても、エリィー(先輩)には、直ぐバレると思います。」
そこで、あきらは、提案していた。
「だったら、“F4と飲み会する。”と、牧野に言えばいいんじゃねぇのか?」
桜子は、首を横に振っていた。
「道明寺さんが来ると言うだけで…。
もしかしたら、避けられるかも知れません。
男性に対する免疫が無いんだと思います。
英徳を自主退学してから…。
ずーっと、『桜林』の様ですから…。
慌てず、騒がずの方が良いかも知れません。」
総二郎も、応戦して来た。
「だが…な。
何時(いつ)、司が、吠え出すか?
俺等でも、分からねぇから…なぁ。
下手したら、また、司が、暴れ出すかも知れねぇし…なぁ。
司が、強硬手段に出て来る前に…。
手を打たなきゃ…だろ?」
桜子と優紀は、顔を見合わせていた。
で、桜子は、話しし出した。
「ですが…。
折角、先輩が、私と優紀さんとの女子会にも参加し始めた所ですし…。
先日のあきらさんの執務室の時の様に、道明寺さんが、先輩に迫り出したら…。
きっと、先輩は、逃げ出すと思いますよ。
“其れでも、良かったら…。”と、言う処でしょうか?」
確かに、桜子と優紀は、“道明寺さんに、つくし(先輩)を会わせられる日は、近いかも…。”と、思った事は事実だった。
だが、『時期尚早』という言葉も有る。
桜子と優紀にとっては、“今のつくし(先輩)には、まだ、『時期尚早』だ‼”と、言えた。
だが、あきらと総二郎にとっては、そろそろと思えていた。
あきらと総二郎…。
桜子と優紀…。
司とつくしを思う気持ちは、同じ…。
4人、それぞれ、お互いは、司とつくしが、いい方向に向かう事だけを願って居たのだった。
其れからのあきらと総二郎、そして、桜子と優紀は、司にエリィー(=つくし)を会わせる機会を窺って居た。
タイミングを逃すと、二度と取り返しの付かない事に成りそうだったからだ。
それ程までに、慎重に成らずには居られないあきらと総二郎、そして、桜子と優紀が、其処には、居たのだった。
一方の司は、どんなにエリィー(=つくし)に避けられ様とも…。
エリィー(=つくし)の養母が経営しているエリィー(=つくし)の所属 芸能事務所とのスポンサー契約を破棄する気は毛頭なかった。
このまま、エリィー(=つくし)の養母が経営しているエリィー(=つくし)の所属 芸能事務所との【スポンサー契約をして居る企業】という立場を崩す気も毛頭なかった。
だから、司は、エリィー(=つくし)の養母には、その事は伝えていた。
実は、エリィー(=つくし)の養母は、つくしから…も言われていた。
「道明寺HDとのスポンサー契約を破棄して欲しい。」と…。
だから、エリィー(=つくし)の養母は、司からの打診は、有難く思って居た。
勿論、エリィー(=つくし)の養母は、司からも言われていた。
「俺は、ぜってぇ、つくしを取り戻す。
だから、エリィー(=つくし)から、どんな事を言われても、了承した振りをして於い
て欲しい。
俺は、其方とは、スポンサー契約を破棄する気は毛頭ない。
そのつもりで居てくれ‼」と…。
だから、エリィー(=つくし)の養母は、司からの打診の件に関しては、エリィー(=つくし)には、伝えて居なかった。
だから、此の件に関しては、エリィー(=つくし)自身は、勝手に、道明寺HDとのスポンサー契約は、破棄されているものと認識していたのだった。
その事に関しては、あきらと総二郎、そして、桜子と優紀は、知らずに居たのだった。
なので、後には、エリィー(=つくし)に司を会わせた時のエリィー(=つくし)の顔の表情に、桜子と優紀は、困惑するしか無かったのだった。