あの時と変わらない君へ…<つかつく> 17.
其れからも、司は、エリィー(=つくし)への強引さは、相変わらずだった。
一方、エリィー(=つくし)のその後の音楽活動は、活発化して来ていた。
エリィー(=つくし)は、あれからも、作詞は、エリィー(=つくし)が担当していた。
なので、エリィー(=つくし)は、歌詞を書き続けていた。
司は、スポンサーとしての立場を利用し乍らも、“エリィー(=つくし)の曲が出来た‼”と、あきらから聞く度に、エリィー(=つくし)に会おうとして居た。
その度に、エリィー(=つくし)は、司に対して、困惑するしか無かったのだった。
だが、司にとって、こうでもしなければ、『つくし』に会えない司は…。
必死に成って、エリィー(=つくし)に会おうとして居た。
そして、エリィー(=つくし)のレコーディングの際…。
スポンサーとして、司は、レコーディングにも、立ち会って居た。
其れにも、エリィー(=つくし)は、司に対して、困惑するしか無かったのだった。
だが、司は、そんなエリィー(=つくし)にも、お構いなしで、エリィー(=つくし)に向かうのだった。
そして、司は、困惑しているエリィー(=つくし)に声を掛けるのだった。
「エリィー…。
相変わらずだな。
唄、上手いなぁ~。
良い仕上がりらしいな‼」
そう司から声を掛けられたエリィー(=つくし)は…。
『社交辞令』と、見做し…。
在り来たりな言葉を返していた。
「有難うございます。」
其れでも、司は、『つくし』から、言葉を返してもらった事が嬉しかったのだ。
司は、エリィー(=つくし)に、ニコっと、笑って魅せていた。
其の司の仕草には、更に、エリィー(=つくし)は、困惑するしか無かったのだった。
だが、其れでも、司は、エリィー(=つくし)の傍に居ようとして居た。
F3&桜子にとって、司に対して思う事が有った。
“司(道明寺さん)には、其の遣り方しか出来ないのだろうか?”と…。
其の司の遣り方は、高校生の頃の司とつくしの事を知って居るで在ろう誰もが分かる、司のつくしへの行動だった事は、言うまでも無かった。
何故なら、司の強引さに掛けては、『右に出る者は居ない。』と、思われていたからだった。
其の司の強引さは、今に始まった事では無く、高校生の頃からの司のつくしへの行動だった事は、言うまでも無かった。
勿論、『つくし限定』だという事は、言うまでも無いのだが…。
だからだろうか?
司は、『つくし』に強引なまでの態度を崩さなかった。
やはり、司は、如何しても、『つくし』を諦め切れずに居たのだった。
高校生の頃の司も、つくしに対して、強引なまでにつくしに向かい…。
結局、あの事故が起こる前の高校生の頃のつくしは、司に気持ちを持って行かれていた。
だが、司は、未だ、あの事故が起こる前の高校生の頃のつくしの気持ちは、知らずに居たのだった。
そんな日々も、幾月か経った頃…。
エリィー(=つくし)は、司の強引さにも、慣れ始めて居た。
司の分かり難い優しさにも、普通に感じ始めて来ていたエリィー(=つくし)は、司が、エリィー(=つくし)の傍に居ても、不思議がる事は無く成って居た。
だから、司は、此処だとばかりに、エリィー(=つくし)に迫ろうとして居た。
「エリィー…。
今日、時間有るか?
ディナーに行かねぇか?」
司は、強引なまでに、エリィー(=つくし)を誘い出そうとして居た。
そんな司にも、慣れ始めていたエリィー(=つくし)は、司を嫌がる事も無く、就いて行くのだった。
「お供します。」
そうなので在った。
エリィー(=つくし)が、そんな司の誘いにも応じようとするのは…?
エリィー(=つくし)が、“行かない‼”と、返事した時の司の辛そうな、悲しそうな顔付きを魅せられて…。
何故か?
最近では、司が可哀想に思えてしまうエリィー(=つくし)だったのだ。
だから、其れからのエリィー(=つくし)は、そんな司の誘いにも応じる様に成って来ていた。
そんなエリィー(=つくし)に対して、態と、司は…。
エリィー(=つくし)に、辛そうな、悲しそうな顔付きを魅せて居たのだった。
所謂、司の作戦勝ちというべきだろうか?
本来の『つくし自身』の弱い所を心得ている司の勝利とでも言うべきなのか?
取り敢えず、エリィー(=つくし)の気持ちは、司に傾き始めて居たのだった。
其のエリィー(=つくし)の心変わり振りを見ていたT2は、驚愕しか無かった。
“やっぱり、つくし(先輩)には、道明寺さんなのか?”と…。
だが、T2にとっては、嬉しくも有った。
“つくし(先輩)には、道明寺さんが必要なのかも知れない。
やっぱり、つくし(先輩)は、道明寺さんを選ぶべきして選んだのだろう‼”と…。
また、司も、嬉しかった。
“エリィー(=つくし)は、やっぱり、『つくし』…何だ‼
本来の『つくし』は、俺を選んだ筈だから…。”と…。
司は、本来、あの事故が起こる前の高校生の頃のつくしの気持ちを、知らない筈だった。
なのに…。
司のその自信は、何処から、出て来るのか?
F3は…。
“流石、司…。”と、思って居た。
だからだろうか?
司は、更に、思って居た。
“エリィー(=つくし)が、デビュー曲として、初めて作詞した…あの曲は?
♪ あの時と変わらない君へ ♪ という曲は…?
“やっぱり、つくしの潜在能力の中に潜む、『つくし』本来の想い、何だ‼”と…。
だから、司は、嬉しかったのだった。