あの時と変わらない君へ…<つかつく> 20.
エリィー(=つくし)は、あの記者会見の後…。
数日後には、退院していた。
そして、あれから、いつの間にか?
司とエリィー(=つくし)は、恋人として、お付き合いをして居るかの様に、司は、振舞って居た。
エリィー(=つくし)自身、司からは、そんな話しを聞いて居なかったので、戸惑い出すエリィー(=つくし)だった。
だが、司は、勝手に、“エリィー(=つくし)と恋人同士だ‼”と、認識していた。
だから、司は、そのつもりで、エリィー(=つくし)に話しして居るし、エリィー(=つくし)も、そう思って居ると認識していた。
なので、エリィー(=つくし)は、司に話しして居た。
「あの…さぁ?
訊いて良いかなぁ~?
道明寺さんと私って、何時の間にお付き合いして居たの?」
司は、驚愕で、一瞬、言葉が出せない程だった。
だが、呆れた様に、言葉を発し出した司だった。
「………。
はぁ~??
今更だろ?
お前、俺と付き合うのは、嫌なのかよ?」
「………」
エリィー(=つくし)は、司への返答に、言葉こそ、発せなかったが…。
首を横に振っていた。
だから、司は、エリィー(=つくし)が了承したと見做し、エリィー(=つくし)に言葉を紡いでいた。
「だったら、良いんじゃねぇのか?
俺とエリィー(=つくし)は、もう、既に、恋人同士だ‼
良いな、エリィー(=つくし)…?」
エリィー(=つくし)は、言葉の代わりに、首を大きく縦に振っていた。
エリィー(=つくし)は、『司からの付き合って居る』という言葉が欲しかっただけだった。
其れと、此れを機に、司は、エリィー(=つくし)に、司の呼び名を変更させ様として居た。
「其れと…。
俺とエリィー(=つくし)は、恋人同士、何だから…。
俺の事を、『道明寺さん』って、呼ぶ事は、変だよな?
此れからは、『司』って、呼べよ‼
良いな、エリィー(=つくし)…?」
エリィー(=つくし)は、照れながらも、司に了承の頷きをして魅せていた。
エリィー(=つくし)は、顔からデコルテまで、赤く染めていた。
司は、エリィー(=つくし)のその様子を見て居て…。
高校生の頃のつくしは、良く、顔を赤く染めて居た事を思い出していた。
エリィー(=つくし)には、『牧野つくし』時代の記憶は無く共…。
エリィー(=つくし)の本質は、“やっぱり、『牧野つくし』なのだ‼”と、思う司だった。
また、その事を嬉しく思う司だった。
エリィー(=つくし)の記憶は、未だ、戻って居ない。
司は、其れでも良いと思っていた。
何故なら、司と『牧野つくし』の思い出は、司自身が覚えて居たからだった。
司と『牧野つくし』の思い出は、司自身が覚えて居れば、“エリィー(=つくし)を、一生、失う事は無い‼”と、司は、思っていたからだった。
そして、司とエリィー(=つくし)が、付き合い出した事は、F3&T3も祝福していた。
やっと、司の気持ちが実った事に…。
F3は、喜んで居た。
あきらと総二郎は…。
“俺等は、何時かは、また、司の『猛獣使い』に戻らなくてはいけないのではない
か?”と、冷や冷やして居たのだから…。
特に、あきらは…。
そして、あの記者会見の後…。
世間でも、司とエリィー(=つくし)の件に関しては、一切、言われなく成っていた。
だから、司は、オープンに、エリィー(=つくし)との付き合いを謳歌していた。
また、司とエリィー(=つくし)の両家の親からも、何も言われなく成っていた。
その事に関して、気を良くした訳では無いのだろうが…。
司は、エリィー(=つくし)を司の出張先にも、連れて行く様に成っていた。
司は、唯、エリィー(=つくし)と、離れる事が怖かったのだ。
だから、司は、思った。
“此れが、もし、『つくし』だったら…。
素直に、俺の出張に、就いて来ただろうか?
エリィー(=つくし)じゃ無く、『つくし』だったら、就いて来なかっただろ
う‼”と…。
この事に寄り、司は、『牧野つくし』と『エリィー』の両方を手に入れた様で、嬉しかった。
『牧野つくし』と『エリィー』の違う所は…。
大きく分けると、人に対して、素直(従順)か? or そうじゃ無いか?
司は、『牧野つくし』だった頃の『つくし』に対して、不満が在った。
其れは、司の気持ちを素直に受け入れようとしない所だった。
『従順』と…までは、言わないが…。
高校生の頃の司にとって、『つくし』には、もう少し、司自身の気持ちを素直に受け入れて欲しかったのだった。
だが、其れが、『エリィー』は、受け入れてくれた。
司は、其れが嬉しかった。
だが、其れでも、エリィー(=つくし)は、『牧野つくし』だった頃の顔を覗かせる事の方が、多かった。
そんな時は、司も、『牧野つくし』を楽しんで居た。
『つくし』の本質は、『牧野つくし』なのだから…。
今の司は、『牧野つくし』と『エリィー』との、『つくし』という『同一人物』を、楽しんでいるかの様だった。
其れからの司は、辛かった日々が嘘かの様に、生き生きしていた。
司は、“この幸せを、ぜってぇ、失くさねぇ‼”と、誓うのだった。
fin