私のpriority…<つかつく> 短編
<つくしside>
私は、早30歳の壁を越えてしまった。
思えば…。
私の人生は、『働く』と、言う言葉がキーワードの様に感じる。
あいつにも良く言って居た様に思う。
『働かざる者食うべからず 』って…。
其れに…。
『自分で稼いだ事の無いガキが…。』って…。
高校生の頃の私は、あいつを蹴り上げていた事を思い出した。
ふと、考えて居た事が在った。
私の今までの人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』って…何だったんだろうか?
やっぱり、『働かざる者食うべからず 』…?
恋愛音痴の私が…。
という寄り、恋愛偏差値の低い私が…。
私の人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』に、恋愛を持って来る事は、先ず、無い。
其れに、遠い昔に、私の中で、『恋』とか、『愛』とか、そう言う言葉は、捨ててしまった様に感じる。
そう、遠い昔…10代の高校生の頃に。
一度だけ、『ジェットコースターの様な恋』をした事は有った。
其の恋も、あいつ自ら、“4年後に、(NYから帰国して)迎えに行く‼”と、公約に掲げたにも拘わらず…。
公約通り帰国する事も無く、音信不通と共に、私の恋は終わった。
其の月日も、既に、10年近く経とうとして居た。
あいつが如何して様と、今の私には、知った事ではない。
唯、私が、今でも、あいつに感謝して居る事は、英徳大学の4年間の学費を前払いしてくれて居た事で、私は、英徳大学を卒業する事が出来たという事だけ…。
しかも、学部は、あいつが勝手に決めていた為、経営学部だった。
まあ、其のお陰か如何かは分からないが…。
現在の私の勤め先は、藤堂商事 イギリス支社 海外事業部 課長を、仰せ遣って居る。
此の歳では、“出世頭だ‼”と、言われている。
重役から言われる言葉は、「女性にしては、快挙⁉」らしい…。
一応、セクハラにも取れそうだが…。
だが、自分自身でも思う。
“流石、『働かざる者食うべからず 』だよね。”と…。
実の処…。
大学時代の私が就職活動をして居る時に、類からも、美作さんからも、滋さんからも…。
“コネか?”と、いう位、「うちにお出で(来い)‼」と、言われていた。
けれど…。
私は、コネは、嫌だった。
だから、正真正銘、真正面から、藤堂商事の就職試験を受けて、内定をもらった。
だから、藤堂商事にお世話に成る事に決めた私だった。
今の私も、其の当時の私の選択は間違って居ないと思って居る。
何故なら、偶に、出張で、フランス➡イギリスに渡英して来る静さんと逢って、色々、勉強させてもらって居る。
将来的には、藤堂商事で、任せてもらえる仕事を増やして行けたらと思って居る。
私は、如何も、家庭人には成れないらしい。
其処は、私の人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』では無いという事なのだろう。
私は、やはりの仕事人間なのだと、痛感する。
だから、私は、優紀と桜子を羨ましがる事も無いのだと思う。
人には、それぞれ、自分自身の人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』と言うモノが在る。
其れが偶々、私は、仕事だったという事だけ…。
優紀と桜子の人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』は、家庭だったという事なのだろう‼
優紀は、西門さんと…。
桜子は、美作さんと…。
それぞれの人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』の中で、幸せを掴んだという事なのだ‼
優紀と桜子のそれぞれの結婚式に出席出来た事も…。
優紀と桜子の人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』を見届けられた事も…。
私の幸せ…なのだ。
私は、そう思って居る。
私は、今も、あいつに恋をして居た事を、後悔はして居ない。
一度でも、本気で、人を好きに成り、恋愛に発展した事は、今の私の肥やしには成って居ると思えるからだ。
例え、一緒に過ごす事が出来た日数が少なかったとしても…。
私には、私に相応しい恋愛だったのだと思うから…。
今後は、私の人生の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』を、此れからも、間違う事無く、前に向かって、進んで行けたらと思う。
『priority【プライオリティ】(=優先順位)』…。
此れからも、私自身の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』を如何か、間違えません様に…。
私は、此れからの人生の中で…。
そう、節に願う。
fin