priority…<つかつく> 7.
【Happy Birthday、つくしちゃんっ‼】
<司side>
あいつの『Birthday』の当日で在る『12月28日』が遣って来た。
俺は、あいつを呼び出して於いた。
勿論、ロンドンメープルの俺の自室には、ディナーのセッティングをさせて於いた。
また、俺が用意したあいつの『Birthday Present』で在る『タンザナイト』のリング、以外にも…。
支配人には、リビングのテーブルの上に、薔薇の花束を用意させて於いた。
しかも、あいつの年齢分だけの薔薇の本数の花束を用意させて於いた。
あいつは、喜んでくれるのだろうか?
そして、俺は、あいつを、俺の運転する愛車の助手席に乗せて、ロンドンメープルに連れて来た。
そして、あいつを俺の自室に連れて入った。
あいつは、怪訝な顔付きをして居た。
あいつがそう思う事も無理はねぇ。
無理矢理に近い形で、俺は、あいつに約束させて居たんだから…な。
其れに、あいつを俺の運転する愛車の助手席に乗せる事自体、俺は、苦労する事に成る何て…な。
俺には、想像出来ねぇ事ばかりだ‼
あいつは、何時まで経っても、素直じゃねぇよな‼
ほんと、俺は、あいつを此の手に入れるまで、どの位ぇ、時間が掛かってんだ⁉
一旦は、俺の手に入ったあいつを…。
俺は、何故、また、苦労してまで、手に入れ様としてんだか?
ほんと、あいつに関しては、何時まで経っても、苦労が絶えねぇよな、俺…⁉
そして、部屋に入る成り、テーブルセッティングされているディナーが、あいつの瞳には映ったのか?
俺より、既に、料理に夢中のあいつ…。
幾つに成っても、変わらなさ過ぎて…俺は、泣けて来るわ‼
今のあいつの『priority【プライオリティ】(=優先順位)』は、間違い無く、『俺』じゃねぇよな⁉
今のあいつの『priority【プライオリティ】(=優先順位)』は、間違い
無く、『料理』だよな⁉
またしても、俺は、『料理』に負けたのか?
あいつの『priority【プライオリティ】(=優先順位)』は、何時(いつ)に成ったら、『俺』に成るのだろうか?
で、俺は、諦めたかの様に、レディーファーストで、ダイニングテーブルの椅子を引いて遣り、あいつを、座らせた。
そして、あいつに料理を進めて遣った。
もう既に、あいつの瞳に映って居るのは、目の前の料理だけ…。
そんなあいつの姿を、目の当たりにして、俺は、更に、諦めた。
食事が済んで、あいつが料理を堪能するまで…。
俺は、待って遣る事にした。
そして、漸く、其の時間が来た。
俺は、既に、あいつを口説く為の『コメント』は、決めて有るんだ‼
後は、あいつを、口説き落とすだけだ‼
俺は、スーツのジャケットの内ポケットに入れて在る、『タンザナイト』のリングのジュエリーボックスを、内ポケットの上から軽く触れた。
そして、俺は、あいつに言葉を紡いで居た。
「牧野…今日は、『12月28日』だ。
『Happy Birthday』…。
此れ、受け取ってくれねぇか?」
「………」
俺は、言葉と共に、ジャケットの内ポケットから、例のジュエリーボックスを出して、蓋を開けて、あいつに魅せた。
あいつは、驚愕してんだか?
全く、言葉を発し様としねぇし…。
受け取ろうともしねぇ‼
だから、俺は、あいつの左手を取り、左手薬指に、リングを嵌めて遣った。
そんなこいつは、こいつの左手薬指に嵌って居る其のリングを、じーっと、見詰めたまま、微動だにしねぇ。
俺は…というと、そんなこいつに痺れを切らして、声を掛けて遣った。
「俺は、お前と別れたとは、思ってねぇ‼
けど…。
音信不通にしてしまった事は、事実だ‼
だから、其の件に関しては、悪ぃと思ってる。
だから、お前を迎えに来た。
今はまだ、お前の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』は、
『仕事』かも知れねぇ。
けど…よ。
俺は、ぜってぇ…‼
お前の『priority【プライオリティ】(=優先順位)』は、『俺』にし
て魅せる‼
だから、俺の所に戻って来てくれ‼」
「………」
こいつの顔は、未だ、ボーっとしたままだった。
だから、言葉も、一切、発しねぇこいつだった。
だから、俺は、更に、こいつに声を掛けた。
「牧野っ‼
俺の言った意味は、分かってんのか?」
ハッと、気が付いたみてぇに、俺の顔を凝視して来るこいつ…。
俺は、此の状況を、如何すんだ⁉
と、思って居ると…。
こいつは、やっと、俺に、言葉を発して来やがった。
「別れて無いって、如何いう意味…?
全く、連絡も取れない。
連絡も来ない。
音信不通に成ってるあんたと、私が、別れてると、思っても仕方ないでしょ?」
こいつの言って居る事は、正しい。
ご最もだ‼
けど…よ。
“俺は、不可能なモノを可能して来た男だ‼”って事、お前は、忘れてねぇか?
だから、俺は、こいつに言って遣った。
「俺は、態と、音信不通にした訳じゃねぇ…よ。
アラスカで、事業を任されて、頑張ってたんだ‼
“アラスカでの事業を成功したら、牧野の所に戻して遣る‼”って、ババアに言われてよ‼
だから、頑張ったんだ‼
軽く10年は掛かったけど…よ。」
「………」
こいつは、驚愕で、言葉も出せねぇ程…。
目を見開いてやがる。
そんな驚愕する事か?
俺は、その方が、驚愕だっつーの‼