priority…<つかつく> 14.
<司side>
そして、等々、此の日が来た。
俺は、緊張で、PJの中でも、一睡も出来なかった。
俺は、牧野家に受け入れてもらえるのか?
其の事ばかりが気に成って仕方なかった。
で、PJが、日本の空港に着陸した後、リムジンに乗り込み、つくしの実家に着いた。
昔に記憶して居たのは…。
今にも崩れそうなアパートだったが…。
其の当時よりは、マシに成ったのか?
セキュリティは無さそうだが、普通のマンションの様子だった。
築何年かは、分からねぇが…。
其処は、エレベーターが無い4F建てのマンションだった。
そして、牧野家の自宅は、4Fに在った。
そして、俺とつくしは、部屋の中に、招き入れられた。
(部屋の)部屋数は、つくしが言うには、3DKらしい。
所謂、6畳の洋室が二部屋に、6畳の和室が一部屋、其れと、ダイニングらしい。
現在は、つくしの両親と、つくしの弟(の進)だけだから、此の部屋数で、十分らしい。
で、俺とつくしは、『家族の団欒』だという部屋で在るらしい和室に通された。
其処で、俺は、『炬燵』というモノに足を入れる様に、つくしの親父さんに進められた。
俺は、つくしの親父さんに進められて、足を入れていた『炬燵』というモノに足を入れ乍ら、高校のガキの頃の事を思い出して居た。
つくし達 牧野家が、まだ、ボロアパートに住んで居た頃にも、牧野家の『炬燵』というモノに足を入れた経験が在った事を思い出していた。
あの頃もそうだったが…。
足が温められて、気持ち良かった。
つくしが言うには、冬の寒い時期に成ると、一般家庭には、普通に、居間に置いて在るらしい。
此れが、『家族の団欒』という事らしい。
俺の中では、存在しねぇ空間だった。
否、其れに、思い出したけど…よ。
俺の小さぇガキの頃に、タマの部屋に遊びに行ってた時には、タマの部屋には、置いて在ったか?
そんな気がして居た。
タマの部屋だけが、道明寺邸、唯一の和室だったから…な。
そして、俺は、炬燵の中で、正座をし乍ら、つくしの親父さんに、話しし始めた。
「今日、お邪魔したのは…。
つくしさんとの将来の事をお話ししたくて、お邪魔しました。」
「………」
親父さんは、何も、答えられねぇみてぇだった。
だから、俺は、話しを続けて居た。
「俺は、不甲斐無い男だと思って居ます。
ですが…。
俺の人生に於いての『優先順位(=priority【プライオリティ】)』
は、仕事では無く、つくしさん、何です。
こんな俺ですが…。
つくしさんとの結婚を許して下さい。」
つくしの両親は、お互いの顔を見合わせて居た。
俺は、何を言われるのか?
心配で、成らなかった。
だが、其れも、杞憂に終わった様子だった。
「道明寺さん…。
つくしを幸せにして遣って下さい。」
俺は、一瞬、何を言われたのか?
分からなかったが…。
つくしの親父さんの笑みを見て、理解した。
「………。
有難う御座います。
こんな俺ですが…。
今後共も、宜しくお願いします。」
で、俺は、(俺の)親父からの伝言を、つくしの親父さんに、伝えていた。
「俺の父親から、伝言を預かって来ました。
“両家の家族の顔合わせとして、食事会を…。”と、言われて来ました。
其の時は、宜しくお願いします。」
またもや、つくしの両親は、お互いの顔を見合わせて居た。
序でに、つくしの弟も、驚愕した顔付きに成って居た。
だが、つくしの親父さんは、答えてくれていた。
「お父上には、“此方こそ、宜しくお願いします。”と、お伝え下さい。」
「賜わりました。」
俺も、そう答えていた。
で、俺は、其処で…。
俺とババアのサインが入った婚姻届を、炬燵の天板の上に置いて…。
つくしの親父さんに見せた。
そして、俺は、お願いをして居た。
「此処に、お義父さんのサインを入れてもらえますか?
宜しくお願いします。」
つくしの親父さんは、俺に、念押しをする様に訊いて来た。
「私で、良いんですか?」
だから、俺は、満面の笑みで、答えていた。
「勿論です。
宜しくお願いします。」
で、つくしの親父さんは、婚姻届の証人の欄に、記入してくれた。
後は、つくしのサインを入れるだけだった。
だから、つくしの両親の前で、つくしに書く様に、促した俺だった。
幾ら、つくしでも、つくしの両親の前で、拒む訳ねぇと、思った俺の判断だった。
で、俺は、つくしに声を掛けていた。
「後は、つくしのサインだけだ‼
書いてくれるだろ?」
俺は、優しく言ったつもりだったのに…よ。
つくしは、確認して来やがった。
「何時(いつ)、出すつもり…?」
だから、つくしの両親にも、納得してもらう為…。
つくしに、言って遣った。
「俺の誕生日は、如何だ?」
つくしは、絶句していた。
「そんなに日にち無いじゃない?」
其処で、弟が、つくしに訊いて来た。
「道明寺さんの誕生日って、何時(いつ)なの?」
つくしは、つくしの両親と弟に向かって言って居た。
「1月31日っ‼」
一斉に、声が聞こえて来た。
「「「えっ??」」」
流石、牧野家だぜ‼
一斉に、声が被る何てな。
で、俺の説得の末…。
勿論、つくしも、そうだったが…。
『1月31日』の入籍に関しても、つくしの両親から、了承を得れた俺とつくしだった。