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花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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鬼退治【泣かずに居られるのなら】…<つかつく>  番外編③




航は、幼稚舎や初等部で習った『鬼退治』の言葉を口にしていた。


「おにはそと(鬼は外)…。
 ふくはうち(福は内)…。」


と、航は、『節分豆』を、鬼(航の専属SP)に投付け乍ら、何度も、口に出して、叫んでいた。


そして、鬼(航の専属SP)が、航の前から退散した事を見届けてから、航は、司の所(司とつくしの自室)に戻り、自慢気に、司に言って除けて居た航だった。


「パパ…。
 『おにたいじ(鬼退治)』出来たよ‼」


もう、航の目には、涙は無かった。


反対に、司は、泣きそうに成っていたが、航の手前、涙を堪え乍ら、航を労って居た。


「凄ぇぞ、航っ‼」と…。


司は、航の頭を、撫ぜて遣って居た。


そして、其の後の司は、航の身体を、思いっ切り、抱き締めて遣っていた。


所謂、司は、航を抱き締めて遣って居る振りをして、司自身が、泣きそうに成って居る顔を、航に魅せない様に、隠して居たのだった。


そんな司に抱き締められている航は、一生懸命、司にしがみ付いて居た。



で、航は、司に訊いて居た。


「ぼく…。
 『おにたいじ(鬼退治)』出来たから、お兄ちゃんに成れる?」
「ああ。
 成れるぞ‼」


司は、もう既に、涙声に成って居た。


だが、航は、そんな司には、気が付いて居ない様子で、更に、司に言って除けていた。


「ぼく、大人になったら、パパみたいに、強い男の人になるんだ‼」と…。
「そうか?
 頑張ろうな、航っ‼」
「うん。」


もう、司は、涙が止まりそうに無かったのだ。
だから、司は、航を、暫く、抱き締めたままだった。


だが、航は、元気良く、意気揚々と、司に返事していた。



司は、そんな航に、更に、伝えていた。


「航は、パパとママの息子(こ)だ‼
 ぜってぇ、強い男に成れるぞ‼」
「うん。」


航は、司に返事し乍らも、首を盾に振って、頷いて居た。



だが、其の航の仕草を観て居た司は、其れ以上、何も言葉に出来なかった。


何故かと言うと…。
司の目からは、涙というダムが…。
等々、(目から)溢れて零れそうに成っていた。


所謂、司の涙は、決壊して居たのだった。


司には、涙を堪えるという我慢も限界に成って居たのだった。



また、そんな司と航の姿を観て居たつくしやタマだけじゃなく、西田やSPや使用人、其の場に居た道明寺家の全てに関わる誰もが、涙を流して居た。


西田に至っては、司の幼少期の頃と今の航を重ねて観て居た。


航の歳の頃の司は、もう既に、悪ガキの片鱗が見え隠れし始めて居た頃だった。


航の歳の頃の司は、我が儘放題で、タマや執事を困らせていた。


だが、タマが言う様に、つくしに似た性格や性質を持つ航は、タマにとって、司より、育て易かったらしい。


だが、其の分、平和主義の航には、精神的に脆い所も在ったのだ。


そんな航を、父親に成った司は、航の男としての精神的な部分を強くし様とした。


西田にとって、幼少期の頃の司の事を思えば…。
現在の父親と成った司の姿は、幼少期の頃の司の事を思えば、考えられない司の姿だったのだ。


否、司の青年期に至っても、司の幼少期の頃と同じ事が言えるのかも知れなかった。
つくしと出会うまでの高校3年の初め頃迄の司と、つくしの記憶を失ってしまって居た頃の司…。


西田は、現在の父親と成った司を観た時、感無量だったのだ。


また、タマ と 司の幼少期の頃の事を知る道明寺家に長く仕えている執事も、また、西田と、同じ思いで、涙していたのだ。



そして、其の日の航は、誇らしげに、通常通り、授業を受ける為…。
リムジンに乗って、英徳学園 初等部に通学したのだった。


航は、英徳学園 初等部には、少し、遅れての通学だった事は言うまでも無い。
タマから、英徳学園 初等部に、連絡が入って居た事も、また、言うまでも無いのだが…。


そして、授業を受けて帰宅した航は、意気揚々と、帰宅して帰って来た。



航の帰宅と同時間に、航の担任の先生から、TELが入って来た。


航は、英徳学園 初等部に通学後…。
今朝の道明寺邸での出来事を、航の担任の先生や、クラスメイトに、話しして居たらしい。


つくしは、仰天してしまった。


何故かと言えば…。
航は、先生や、クラスメイトに、今朝の『鬼退治』の時の事を話しして聞かせて居たのだから…。


で、航は、今朝の『鬼退治』の話しを、皆に、こう聞かせたらしい。


「ぼく、『おにたいじ(鬼退治)』出来たんだよ‼
 だから、カッコいい、お兄ちゃんに成れるんだよ‼」と…。



だから、慌てて、つくしは、航の担任の先生に、今朝の話しを伝えていた。


「主人が、航の精神的に脆い所を、強くして遣りたいと…。
 『節分』にあやかって、『鬼退治』を、思い付いた様、何です。
 で、『節分』の日の本日に、主人が、決行したんです。
 鬼の役は、航専属のSPが務めました。」
「そう言う事だったんですね。
 安心致しました。」


つくしが、『節分』の『鬼退治』の事について、航の担任の先生に伝えた事で、航の担任の先生からは、納得してもらえた様で、つくしは、ホッとして居た。


だが、つくしは、“子供って、素直過ぎる~。”と、思って事は言うまでも無い。



そんな日から、数日後…。


道明寺邸で、T4女子会が、開催されていた。


何故なら、幾ら安定期と言っても、身重のつくしに、外で、T4女子会をさせる程…。
司は、T3には、優しく無かった。


否、司の中の優紀は、度外視だった事は言うまでも無い。


何故なら、司には、優紀自身が、つくしへの害は、一切、優紀に感じて居なかったと言う事が理由の一つだった。


だから、T2とつくしの外での遊びを、許して居なかった司だった。


其れは、優紀と一緒だと分かって居たとしても、司にとっては、同じ事だった。


所謂、優紀が、T2と一緒に居たとしても、司の考えが変わる事は無かったのだった。


なので、道明寺邸にて、T4女子会を開催していたという訳だったのだ。



<此の二次小説『鬼退治【泣かずに居られるのなら】…<つかつく>  番外編③』は、
 【カテゴリー】の中に分類されて居りませんでした。
 先程、【カテゴリー】の中に分類させて頂きました。
 ご不便をお掛けしました全ての読者様が、お出で頂いて居る様でしたら、お詫び申し上
 げます。
                      お詫び掲載日…2020.2.7 18:50>

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