エロ門、改め【エロ門、登場】…<総優> 続編④
<総二郎side>
俺等 F4&T4が、ダイニングに着いた時…。
滋が、席順を指示していた。
で、座った席順は…。
滋は、誕生席…。
で、滋の右側の列には、桜子・あきら・俺・優紀が、席に就いていた。
で、滋の左側の列には、類・司・牧野…。
で、何処から持ってきたのか?
ベビーチェアーに座った翔が、席に就いていた。
で、俺は、ダイニングで、伝えて於こうと思っていた事が有った。
其れは、牧野から呼ばれている『エロ門』という俺の呼び名の事だ。
俺は、優紀と、結婚した。
俺は、もう既に、『エロ門』じゃねぇ‼
そりゃあ、優紀と、付き合う前の俺なら、牧野からそう呼ばれても、何も、文句は言えねぇ‼
実際、そうだったし…よ。
けど、優紀と付き合い出した今の俺は、もう既に、『エロ門』…何かじゃねぇ‼
だから、牧野に呼び名を訂正させたかった。
なので、皆の食事が、或る程度、終わりに近付いた頃を見計らって、俺は、牧野に声を掛けていた。
「牧野…。
俺は、牧野に、俺の呼び名を訂正してもらいたい。」
牧野は、『目が点』状態だった。
何故なら、牧野の真向かいに座っている状態の俺から、急に声を掛けられたからだろう。
だからだろうか?
牧野は、喧嘩腰に近い声で、俺に返答して来た。
「何を…よ?」
だから、俺は、しっかり、伝えていた。
「俺を呼ぶ時には、此れからは、『エロ門』は止めてくれ‼
俺は、もう既に、『エロ門、改め』てるだろ‼
優紀と付き合い出してからの俺は、もう既に、『優紀、一筋男』だから…よ‼」
優紀の方を見れば…。
俺の言葉に、頭の先から、デコルテまでを真っ赤にさせて俯いたままだった。
俺にとっては、優紀の其の姿は、美味しそうに見えるんだが…。
優紀は、何時に成ったら、俺の想いに気が付くのだろうか?
俺は、“此れからの優紀を、教育していかなきゃな‼”と、思った事は、言うまでも無い。
だが、牧野は、何故か?
俺の言葉に、ホッとしてるのか?
牧野は、俺を、いつもの様に弄る体制に成って居た。
「なぁ~んだ‼
そんな事…。
了解‼
という寄り、此れからも、優紀を泣かしたら、私の鉄拳が飛ぶから…ね。」
と、牧野は、俺に、握り拳を見せ乍ら、言って来た。
其の様子に、翔が、泣き出した。
牧野は、慌て始めていた。
牧野は、翔を宥めていた。
で、道明寺家のもう一人の猛獣が、俺に吠え出した。
「総二郎さん…よ。
俺の妻と息子を虐めてんじゃねぇぞ‼」
と、司は、俺に言い乍ら、翔の所に行って、翔を抱き上げていた。
あの如何しようも無かった猛獣も、今や、一児のパパだ‼
という寄り、もう直ぐしたら、二児のパパだな。
其れよりも、司が抱き上げた途端、翔が泣き止んだ‼
此れには、俺だけじゃ無く、F2&T3も、驚愕していた。
翔は、司に、遊んでもらって居ると思ってんだろうな‼
「高い高~いぃ。」の司の言葉と共に、高く持ち上げられた翔は…。
「きゃっきゃっ。」と、笑い乍ら、翔は、司に笑い掛けていた。
其の情景を、牧野も、微笑み乍ら、見続けていた。
何か?
俺等の将来の理想の家族像を見せられた様で、誰もが、其の場の和やかな雰囲気に酔い痴れていた。
で、牧野が、俺等 F3&T3に話しして来た。
「翔は、司の『高い高い』が、好きみたい‼」と…。
牧野の其の言葉を理解したのは、如何も、優紀だけで…。
F3&T2は、きょっとんとして居た。
後には、此の言葉(『高い高い』)が、一般的には、ポピュラーらしい事が分かったF3&T2だった事は言うまでも無い。
如何も、司も、牧野から教えられて知ったらしい事は、後で、俺等 F3&T3は、知ったのだが…。
だが、俺は、司に言いたかった。
“俺が、牧野と翔を虐めてんじゃねぇ‼
俺が、牧野から、弄られてんだ‼”と…。
だが、俺は、司の父親振りの其の姿を見て居て、俺の其の言葉は、喉の奥に引っ込めた。
何故なら、司が、『良いパパ』に見えたから…。
高校の頃までのガキの頃の司を思い出した時…。
今の司の父親振りが、想像出来る筈等無かったのだから…。
まあ、司本人には、“『良いパパ』に成った。”とは、直接、言わねぇが…。
直接、司に言えば…。
俺様振りを発揮する事は言うまでもねぇからだ。
だが、こんな風に司を変えたのは、勿論の牧野だろうな。
“司…。
良かったな‼
お前に牧野が居れくれて…。
俺にも、優紀が居たから…。
俺は、『エロ門』を改められた。
俺も、今更乍ら、司と牧野を見て居て思うよ‼
司に牧野が居て良かった様に…。
俺には、優紀が傍に居てくれて良かったって…。
俺と優紀にも、司と牧野の様な家庭が築けたらと思うよ‼”
と…俺は、心の中で思って居た。
だが、周りを見て視れば…。
少なくとも、あきらも、そう思っている様に、俺には、見えていた。
という事は、“あきらと桜子も、もう直ぐなのか?”と、俺は、密かに、思っていた。