花男メンバー…<F4&T4> 9.
桜子は、癒し系のあきらに、興味を抱き始めたのだった。
実は、あきらの様な男性は、桜子の周りには、居ないタイプの人種だったのだ。
其れは、今までの桜子の過去に於いても、そう言う事だったのだ。
桜子は、確かに、物怖じしないタイプだ。
だが、其れは、表向きの桜子で在って、本来の桜子は、誰かに、頼りたいと思う事も在ったのだ。
桜子は、『一人っ子』というだけじゃ無く、自身の祖母に育てられた経験上…。
元々、我が儘な所も在ったのだ。
だが、そう言う家庭環境上…。
自身の祖母に、心配を掛けたく無いという理由で、態と、しっかりとした女性を演じている所も、桜子には、見え隠れして居たのだ。
なので、桜子にも、思い通りに、コトを動かそうと考える処も在るには在ったのだが…。
敢えて、自身の祖母の前では、そんな桜子を魅せないで居たのだった。
だが、そんな桜子も、今までの桜子には、経験の無かった『本物の恋』というモノに出会ったのだ。
其の事に寄り、少しずつでも、桜子が変わって行くのだった。
勿論、其れは、『本物の恋』を知ったからというだけでは無かった。
つくしと知り合った事で、桜子自身の『黒い心』を軟化させる切っ掛けに成った事は言うまでも無かったのだ。
実の事を言うと…。
桜子にとって、司への幼少期の頃の恋は、『淡い初恋』だったのだ。
桜子は、そんな『淡い初恋』を、現在の15歳まで、引き摺って居たのだ。
だが、其の事が、桜子の中に渦巻く『黒い心』に成った事は言うまでも無いのだ。
桜子は、ドイツに渡仏して居た当時…。
思って居たのだった。
「私が綺麗に成って、日本に帰国したら…。
絶対、『道明寺司』を、私の前に、触れ伏して上げるわ。
そして、私の事を、“綺麗だ‼”と、言わせて魅せる。」と…。
だが、結局は、そんな桜子の思いは、日本に帰国して帰って来ても、相変わらずな司の態度に寄って、木っ端微塵に、吹っ飛んだのだった。
だからだったのだろう。
其の後の桜子の気持ちは、あきらにシフトしたと云えたのだった。
また、桜子のつくしへの思いは、『女の友情』に変わって行ったのだった。
つくしのお嬢様らしからぬ人間性に、桜子自身、惹かれた事は言うまでも無かったのだ。
此の事に寄り、桜子は、元々の桜子らしい姿に変わって行くのだった。
一方のあきらは、年下は、『No. Thank you.』の筈だったのだ。
否、苦手と言った方が良いのかも知れない。
F3から、頼りにされ…。
また、母親からも、『あきら君』と、呼ばれ、頼られて居たのだ。
だから、あきらは、誰かに、頼りたいと思う処が在ったのだ。
だが、如何しても、長男気質で在る あきらにとって、頼られれば、其れに、答えてしまう所が有ったのだった。
だから、桜子にした行動も、意味が有ってした事では無かったのだ。
あきらは、あくまでも、自然にした行動だったのだ。
取り敢えず、司に睨まれたカエル状態の桜子を、不憫に思い、司のそんな睨みから、桜子を避難させて上げるつもりだけだったのだ。
だから、まさか、桜子の気持ちが、こっち(あきら)に向いて居るとは思わずに居たのだった。
だが、あきら自身も、桜子の勝気な所が、嫌では無かったのだ。
司の前では、涙を流さない様に、頑張っている桜子の姿には、あきら自身、好感が持てて居たのだった。
司から、あんな風に、『蛇に睨まれた蛙』状態で、睨まれれば…。
男性なら、震え上がり、一歩、後ろに後退して、其の場から、逃げ出すだろう。
女性なら、涙を流し、司に媚びを売るだろう。
だが、桜子は、そんな事はしなかった。
唯、桜子は、震えはして居たものの…。
司の前では、泣く事だけはしなかったのだ。
そんな桜子に、あきらは、興味を抱いた事は、確かだったのだ。
だが、其の時のあきらにとって、其の事が、『恋』と結び付くとは思わなかったのだ。
だが、あきらは、思うのだった。
“司の前で泣かなかったとしても…。
確かに、三条の其の後の泣いてる姿には、グッと来たけど…な。”と…。
だからだったのだろうか?
あきらは、桜子の様子窺いに、ちらちら、桜子を見てしまう自分自身が居る事に気が付いてしまったのだった。
桜子も、そんなあきらの姿に、気が付き始めて居たのだった。
何故なら、桜子も、あきらの様子窺いに、ちらちら、あきらを見てしまう自分自身が居る事に気が付いてしまったのだから…。
そんなあきらと桜子の様子を観て居た総二郎は、あきらと桜子の異変に気が付き始めて居たのだった。
だから、総二郎は、あきらに、訊けたのだろう。
「なぁ~、あきら…?
ここ最近、あきらは、三条の方を頻りに気にしてるよな?
何か、有ったのか?」
だから、あきらは、慌てる様に、総二郎に返答するのだった。
「否…。
別に…。
何も、ねぇけど…な。」
総二郎は、そう返答して来るあきらを不思議に思い乍らも、首を傾げ乍ら、そんなあきらには、取り敢えず、了承の意を伝えるのだった。
「じゃあ、良いんだけど…よ。」と…。
だが、総二郎は、あきらの事が気に成って仕方ない為…。
こう言う事に関しては、F4一敏感な類に訊く事にした総二郎だったのだ。
其の日の類は、花沢邸で、寝てるのか?
英徳学園には、現れなかったのだ。
ここ最近の類は、司につくしを取られる様に成り、英徳学園に行っても、面白く無いのか?
花沢邸で、寝てる事が多く成って来たのだった。
だから、総二郎は、花沢邸に出向くのだった。
類に会う為に…。
総二郎は、普段、滅多に、花沢邸に出向く事は無かったのだ。
お互いが、東京に戻って来てからというだけじゃ無く…。
其れは、まだ、お互いが、英徳学園 幼稚舎に通って居た頃からの話しなのだ。
英徳学園 幼稚舎時代のF4の溜まり場は、殆どが、道明寺邸だったのだから…。
だから、総二郎にとっては、久し振り過ぎる位の花沢邸だった事は言うまでも無かったのだ。
また、類にとっては、招かざる客だった事は言うまでも無かったのだ。
何故なら、類にとって、総二郎は、安眠を妨げる客だった事は言うまでも無かったのだから…。
<此の二次小説『花男メンバー…<F4&T4> 9.』の中に出て来るあきらと桜子の見
解は、私共の勝手な見解に寄るモノと成ります。
神尾葉子先生に於かれましては、勝手に、妄想と共に、見解を述べております事をお詫
び申し上げます。
また、関係者各位 様に於かれましても、勝手致しております事をお詫び申し上げま
す。>