奇跡の出会い…<つかつく> 6.
<つくしside>
道明寺さんから、私は、告白をされてしまった。
如何したら良いのだろうか?
という寄り、如何、返答したら良いのだろうか?
悩んでも、仕方ないと思うんだけど…。
だって、道明寺さんは、『道明寺HD』という大企業の御曹司で…。
私は、老舗といえば、老舗だけど…。
旅館の娘…。
世間的にも、違い過ぎる…。
こんな私が、道明寺さんから告白されても、良い結果は、生まれて来ない気がしていた。
でも、道明寺さんが、うち(『老舗割烹旅館 まきの』)に、来られて居ない時は、私自身、寂しかった事は、事実…。
此の気持ちを例えるなら…。
何というのだろうか?
其処が、私には、分からない。
私は、恋愛経験が、乏し過ぎて、自分自身の心の中の感情さえも、理解不能の様だ。
だから、此の私の気持ちを、素直に、道明寺さんにお話しすれば、良い様な気さえしていた。
だから、私は、心のままに、道明寺さんにお話しする事にしていた。
<司side>
俺は、あいつに言われた…。
『道明寺さんが、お帰りに成る時で良いですか?』と…。
“俺が帰る時に、あいつが俺に言う言葉とは…?
あいつには、如何いう意図が在るのだろうか?”と、俺は、勘繰ってしまって居た。
“此の俺が…。
断られるという意味なのだろうか?”と…俺は、自信を失い掛けて居た。
俺は、心の中で、あいつに、直接、言えねぇ気持ちを叫んでいた。
“頼むから、俺を断らねぇでくれ‼”と…。
<つくしside>
私は、道明寺さんが、お帰りに成る日の時間前に、道明寺さんのお部屋に向かって居た。
道明寺さんにお断りをして、お部屋に入らせてもらった。
「道明寺さん…。
若女将のつくしで御座います。
入らせて頂いて宜しかったでしょうか?」
其処に、道明寺さんからの了承の言葉が聞けたので、ご挨拶をして、入らせて頂いた。
「ああ、入れ‼」
「はい。
失礼致します。」
そして、私は、道明寺さんからの例の宿題の件を、私の素直な気持ちのまま、お伝えする事にしていた。
「道明寺さん…。
先日の宿題の件ですが…。
私の気持ちを、正直に、素直に、有りのままに、お伝えしても、宜しかったでしょう
か?」
「ああ。
そうしてくれ。」
道明寺さんからも、了承の言葉を頂けたので、私は、お礼の言葉を伝えて、話しし始めて居た。
「有難う御座います。
如何、お伝えすれば良いのか?
未だ、迷って居るのですが…。
私は、道明寺さんが、当 旅館にお越し頂けない日は…。
所謂、道明寺さんにお会い出来なかった日は…。
寂しく感じて居りました。
こんな風に感じたのは、私の中では…道明寺さんが、初めてかと思います。
でも、此の気持ちが、何なのかは、私には分かりません。
恋愛経験が乏し過ぎて、自分自身でも分からないんです。
自分自身の心の中の感情さえも、理解不能…何です。
だから、如何したら良いのか?
全く、分からないんです。
こんなご報告で、済みません。」
<司side>
俺は、あいつの言葉を聞くまでは、断られるとばかり思って居た。
否、断られ様が…。
俺は、最初から、諦める気等、毛頭無かった事は言うまでもねぇ。
だが、あいつの言葉を聞いて、今、正に、俺は、叫び出してぇ気持ちで、俺の心の中は、一杯だった。
“マジか⁉
其れって…。
俺の事が、『好き』って事だよな⁉
早く、其の事に気付けよ‼
鈍感女…。
超鈍感女…。”と…。
だから、俺は、更に、思って居た。
“じゃあ、あいつが、あいつ自身の気持ちに、早く、気付くまで…。
俺が、あいつを攻めれば、良いって事だよな?”と…。
だから、俺は、あいつに言って遣った。
「じゃあ、取り敢えず、其の気持ちが、何なのか?
お前自身が分かるまででも良いからよ。
俺と付き合って視ねぇか?」
だが、あいつは、俺のそんな言葉に、驚愕顔に成り、タメ語に成って居た。
「でも、如何遣って…?」
余程、あいつは、俺の言葉に、吃驚したみてぇだった。
だから、俺は、俺とあいつが付き合う為に、如何して行くのか?
話しして遣った。
「取り敢えずは、携帯アドレスの交換だな。
そして、お互い、連絡を取り合う。
で、今まで通り、俺が、此処に会いに来る。
お前も、東京に出て来られる様なら、連絡して来い‼
俺が、迎えに来て遣るから…。」
「分かりました。」
あいつは、俺と付き合って行く為の俺からの提案に、了承してくれた。
だから、そんなあいつの顔の表情を観て、俺は、ニヤニヤが止まらねぇ。
俺は、思って居た。
“ああ。
此れからが、楽しみだぜ‼
俺は、あいつと、付き合えるんだよな‼”と…。
<つくしside>
何故か?
私は、道明寺さんとお付き合いする事に成ってしまって居た。
“大変な事に成るんじゃ無いか?”と、予想出来るだけに…。
私は、今後の事が、不安で仕方なかった。
でも、道明寺さんは、私が、思っていたよりも、意外とちゃんとして居るんだと言う事が分かり、少しは、私の中の不安は、解消されていた。
今では、“道明寺さんの事を、信用しても良いかも知れない。”と、思える様に成って来て居た。
<司side>
俺は、あいつと付き合える事に、有頂天に成って居たのか?
結果的には、俺の判断ミスが引き起こした結果だったのだろう。
如何も、俺は、憶測を誤ったらしい。
俺は、結果を求められて、考え方を誤って居る事に、気が付いて居なかった。
否、俺は、取り返しの付かねぇ事をしてしまったらしい。
其の事に、何故、俺は、気が付かなったのだろうか?
俺は、悔やまれる事態に、嘆くしか無かったのだった。