まさか…‼…<つかつく> 8.
其処に、つくしが、静の前に、足を向けたのだった。
なので、つくしは、静に声を掛けたのだった。
「静お姉様…。
お迎えに来て下さったんですね。
有難う御座います。」
静も、つくしに言って除けるのだった。
「つくしちゃんが、何時迄経っても、帰って来ないから…。
お父様に、“(お)迎えに行って来てくれ‼”って、頼まれたの。
つくしちゃんの帰りを、お父様とお母様は、お待ち兼ねよ。
“つくしは、今日、日本に帰国予定の筈だが…。”って、お父様が仰って居たのよ。
既に、待ち切れないご様子よ。
だから、つくしちゃん…。
今から、(藤堂邸に)帰るわよ。」
養女として、藤堂家に迎え入れられているつくしは、養父母で在る 静の両親に受け入れられた事で、フランスから帰国後も、藤堂邸に住んで居たのだった。
其の日のつくしは、静も、日本に一時帰国している事から、久し振りに、藤堂邸にて、家族水入らずの時を過ごす予定に成って居たのだ。
そんな風に、静がつくしに伝えて居る時に、椿が、静とつくしの方に、足を向けたのだった。
其処に、異を唱えたのが、『椿』だったのだ。
所謂、椿は、そんな静とつくしの様子に、不服に、思うのだった。
“つくしちゃんを追い掛けて、日本に帰国して帰って来たというのに…。
折角、つくしちゃんと、一緒に、過ごそうと思って居たのに…。”と…。
だからだったのだろう。
“そうはさせない‼”と、言いた気に、椿は、静に、牽制するのだった。
「あら、静ちゃん…。
いらっしゃい‼
静ちゃんって、今は、フランスじゃ無かったの?」
静は、椿の質問を濁すかの様に、返答するのだった。
「まあ、色々、有りまして…。」
其処に、椿は、静に訊き出して居たのだった。
「じゃあ、もう、此れからは、日本って事かしら?
と言う事は、もう、日本に戻って来たって事よね?」
だが、静は、当たり前かの様に、椿に返答するのだった。
「いいえ、一時帰国です。」
静は、椿に喋れば、大変な騒ぎに成る事が分かり切って居るので、軽く流すだけに留めたのだった。
だが、其の訳を知って居るつくしは、苦笑いだったのだ。
其の後の椿と静は、つくしの争奪戦と云った様相と成り、つくしを挟んで、お互い、一歩も引こうとしない事に、業を煮やしたつくしが、椿に言って除けるのだった。
「椿お姉様も、今日は、藤堂邸で、ご一緒に過ごしませんか?」と、椿に提案するのだった。
「つくしちゃんを(藤堂邸に)連れて帰って来る。」と、静は、静の両親に約束してしまった手前…。
つくしの提案に、仕方なく了承するしか無かったのだった。
なので、椿と静とつくしは、藤堂邸にて、一緒に、一夜の一時を過ごす事に成ったのだった。
本来なら、つくしは、楓のお客様だった筈なのだ。
楓は、自分自身を無視した椿と静とつくしの其の後の行動に、呆気に取られるしか無かったのだった。
そして、あれから、3ケ月が経ったのだった。
楓は、つくしの思いが通じたのか?
日に日に、体調も良く成って居たのだった。
そんな楓の様子を観たつくしは、藤堂社長に、直談判したのだった。
つくしは、楓を、道明寺HDの社長として、NY本社への復帰を提案したのだった。
そして、楓の様子を観て居た藤堂社長は、楓を、道明寺HD 社長として、NY本社へ復帰させる案に了承したのだった。
其の事に寄り、司は、やっと、道明寺HD 日本支社 支社長に就任する事が決まり、日本に帰国して帰って来たのだった。
司は、つくしが、NYへ渡米して居た僅かな期間を除いて、今まで、つくしの傍に居られ無かった埋め合わせをするかの様に、つくしの傍に居ようとして居たのだ。
今の司とつくしには、誰の反対も無い事で、司の気持ちに余裕が生まれた要因で有ったのかも知れないのだが…。
司は、つくしに会う為に、態々、藤堂商事に出向き、つくしの執務室に入り浸る様に成って居た。
此の事で、道明寺HDの仕事にまで、影響を及ぼそうとして居たのだ。
此れには、西田も、悲鳴を上げる程だったのだ。
だが、司のつくしへの執着振りは、誰もが予想出来た筈だったのだ。
だが、誰にも、司の行動を阻止出来ない程、司のつくしへの執着振りは、相当、根強かったのだ。
つくしまでもが、困り果てる程で、つくしの養父で在る 藤堂社長に相談する程だったのだ。
なので、藤堂社長は、司の父親で在る 道明寺HD 会長と審議するのだった。
そして、其の結果…。
【道明寺HD と 藤堂商事との共同会社を立ち上げれば良いのでは無いか?】と、結論付けたのだった。
其の審議の結果に、困ったのはつくしで在ったのだ。
何故なら、今後のつくしにとっては、藤堂商事での仕事に加え、共同会社としての仕事も増える事に成ると予想出来るのだ。
つくしには、八方塞がりの状況と成る事は目に見えて居るのだ。
其れでも、司が、つくしを傍に置きだがる為…。
其れからのつくしは、道明寺HDへの出向扱いにする事に決まったのだった。
だから、其れからのつくしは、仕事に集中出来ない日々だったのだ。
何故なら、つくしの執務室は、司の執務室の中に在ったのだから…。
其の後…。
楓も、夫で在る 道明寺HD 会長の保に提案し始めたので在った。
楓が、NY本社に復帰した事を切っ掛けに、“司とつくしさんとの婚約発表を行えば、少しは、司も落ち着くのではないだろうか?”と、考えて居たからなのだ。
だから、楓は、司の両親として、夫で在る 保に告げるのだった。
「司は、此れまで、つくしさんとの未来を諦めて居たと思います。
其の結果、私(わたくし)は、司の心を歪ませてしまいました。
全ては、私(わたくし)の責任に他成りません。
司は、自身の身体を蝕むかも知れないと分かって居乍ら、生きる事を放棄しているかの
様に、西田には観えて居たと、最近に成って、私(わたくし)は、報告を受けました。
其れに、NYにつくしさんが滞在していた頃の司は、つくしさんが司の傍に居たからこ
そ、生きる希望を見出せたのだと思って居ます。
また、つくしさんが、司の傍に居る事で、日本支社の収益が上がっています。
ですから…。
そんな風に、頑張っている司に免じて、司とつくしさんの婚約発表を行えないでしょう
か?」と…。
保にしても、其の事は、考えなくも無かったのだ。
だが、此の件は、藤堂社長とも、協議しなければ成らない事案なのだ。
なので、保は、楓に、そう伝えるしか無かったのだ。
「藤堂社長の了承を得なければいけないだろう。
此方sideで勝手に、行えるものでは無い。」と…。
なので、楓は、後日、つくしに、了承の意を求めたのだった。
「つくしさん…。
司との婚約発表を行う事を了承してくれないかしら?
司の頑張りは、つくしさんが居てこそ…。
此れ以上、司が、暴走しない為にも、婚約発表を行う必要性が有るのよ?」
楓から上手く丸め込まれた感の有るつくしでは在ったのだが…。
司との婚約発表を了承しなければ成らなく成った。
何故なら、藤堂社長が、了承したからだった。
そして、道明寺家 と 藤堂家 の両家の連名で、婚約発表を執り行ったのだった。
勿論、両家から、強調するかの様に、報告された事は、『政略結婚では無い』と言う事だった。
高校生の頃より、恋人として、司とつくしの付き合いが在ったと言う事…。
また、『恋愛結婚』で在ると言う事が報告されたのだった。
そして、其の後の司は、「婚約したのだから…。」と、つくしと一緒に住む事…。
所謂、同棲する事を、両家の親に提案して、マンションを用意したのだった。
しかし、つくしは、其の事自体を、即座に、却下したのだった。
つくしは、「結婚するまでは、一緒には住まない。」と、両家には、公言したのだ。
だが、司は、つくしの養父母で在る 藤堂社長夫妻を、口説き落とし…。
つくしは、司との同棲を呆気なく、了承されたのだった。
其の後の司は、司自身の想い通りに、『コト』が動いて行ったのだった。
そんな司に、つくしは、疲弊するしか無かったのだった。
そして、つくしは、どんどん、司の想い通りに、操られる事に成ったのだった。
だが、やっと、司とつくしの二人の想いは、一つに成ったのだった。
fin