司とつくしは兄妹?…<つかつく> 16.
其の後の司は、不貞腐れて居たのだが…。
つくしに寄って、機嫌が直って居たのだった。
つくしは、言い訳では無いのだが…。
司に、話しして居たのだった。
「あの…ね。
私にとって、お兄様は、お兄様なの。
司さんは、私にとって、婚約者…でしょ。
私にとって、司さんとお兄様は、違うの‼
云わば、次元が違うの。
司さんとは、此れからの人生を添い遂げないといけないでしょ?
でも、お兄様は、私にとって、大切な存在よ。
兄妹として…ね。
だから、私にとって、司さんとお兄様を比べられないの。
そんな事に、一々、怒らないで…。」
つくしは、司の左頬を触り乍ら、司に伝えたのだった。
なので、司は、司の頬に置いて居たつくしの手の上に、自身の左手を重ねて、つくしの瞳(め)を、じーっと、観て居た。
つくしの嘘偽りの無い澄んだ瞳(め)を観た司は、つくしに、謝るのだった。
「ごめんな。
俺…。
情けねぇけど…。
類に、やきもち焼いたな。」
そんな頼り無げな司の顔を観た時に、つくしは、思うのだった。
“此れからは、司さんの前では、お兄様の事は、話せないなぁ~。”と…。
少し、寂しそうなつくしだったのだ。
だが、つくしは、此れからの司との生活に、気持ちを馳せる事にして居たのだった。
何故なら…。
此れからのつくしには、司との将来が掛かっているのだから…。
本来の結婚話は、両家で決められていた司とつくしだったかも知れない。
だが、結局は、両家の思惑に、嵌った司とつくしだったのだ。
其れに、司とつくしは、『兄妹』だと、教えられて居たのだ。
だが、運命とは、不思議なもので…。
『兄妹』だと思っていた司とつくしが、実は、『赤の他人』だった。
そして、そんな司とつくしは、恋に落ちたのだ。
先ずは、司が、つくしに恋をしたのだ。
司の初恋は、勿論の『つくし』だったのだ。
だが、其の頃のつくしは、自身の実兄とは知らずに、類に、憧れを抱いたのだった。
所謂、つくしの初恋は、自身の実兄で在る 類だったのだ。
そして、そんな或る日の事だった。
あきらが、提案して来たのだった。
「つくしちゃんの『初恋』が、実兄なら、都合が悪ぃだろ‼
だって…よ。
類とつくしちゃんは、『兄妹』だろ。
だから、つくしちゃんの『初恋』は、『司』で良いんじゃねぇ?」
そんなあきらからの提案に、驚愕したのは、他でも無い。
名指しされたつくしだったのだ。
此の時のつくしは、驚愕顔を顔に張り付かせた状況で、思って居たのだった。
“何故、私の『初恋』が、誰なのか?
皆に、バレて居るのだろうか⁉
しかも、皆の此の様子だと、お兄様にまで…?”と…。
実は、つくしの兄で在る筈の類にまで、つくしの初恋が、誰なのか?
バレて居たのだった。
だが、そんなつくしの心の声は、司だけじゃ無く、勿論、実兄で在る 類だけじゃ無く…。
総二郎とあきらにも、聞こえて居たのだった。
だから、不貞腐れる司だった事は言うまでも無いのだが…。
何とも言えない様な顔付きの類が、其処に居た事も、また、事実だったのだ。
なので、総二郎が、そんなつくしに言って除けるのだった。
「つくしちゃん…。
心の声が、口から、溢れてるよ‼」と…。
其の時のつくしは、司と類を観て、ハッと成り、口を両手で、塞いだのだった。
だが、“『時既に遅し…。』とは、こういう時の事を言うのだろう。”と、言う様な雰囲気を、周りが醸し出して居たのだった。
だから、つくしは、後悔し始めて居たのだった。
何故なら…。
司の前では、実兄で在る 類の話しはし無い様に、努力していたのだから…。
なので、司の顔付きを観て居たつくしは、後悔し始めていたのだった。
だが、其処は、元 司の猛獣遣いだけの事は在るのか?
司を宥め始めたあきらだったのだ。
「司…。
だから…よ。
つくしちゃんの初恋は、『司』で良いんじゃねぇ⁉」と…。
そんなあきらからの言葉には、司自身、一気に、機嫌が回復したのだった。
なので、其の時の司の機嫌が回復した余りの早業に、F3だけじゃ無く、つくしも、何も言えずに居たのだった。
「「「「………」」」」
そして、司は、つくしに言って除けるのだった。
「そうだよな。
そう何だよ。
其れが当たり前ぇ…何だよな。
つくし…。
お前の初恋は、『俺(司)』だ‼
其れで、良いよな?」
そして、司は、類にも、威嚇する様に、言って除けるのだった。
「類も、其れで、良いよな?」
なので、類にしても、つくしにしても…。
兄妹で、そんな司を呆れ乍らも、司に、それぞれ、伝えるのだった。
「分かった。」
「はい。」
そして、其の後の司は、司にとって、有難い提案をしてくれたあきらに、礼を伝える為に、連絡をするのだった。
「あきら…。
サンキュな!」
なので、あきらは、何の礼の言葉を、司が、言って来たのか?
直ぐに分かったあきらだったのだ。
“否…。
構わねぇよ‼
だから、NYで、頑張って来いよ‼
俺からの『はなむけ』だ‼”
なので、そんなあきらに、更に、司は、礼の言葉を伝えるのだった。
「ああ。
頑張って来るよ‼
サンキュー、あきら‼」と…。
そして、司とあきらのそんなTELでの会話が有った数日後には、司とつくしの婚約発表が執り行われ、司とつくしは、NYに渡米したのだった。
其の後の類は、何か?
寂し気でも無く…。
如何言ったら良いのか?
端から観て視れば…。
気が抜けた様な分からない状況の類に、誰も、何も、言えなかったのだ。
だが、其のままの状況に出来ないとでも思ったのか?
総二郎が、類に、声を掛けたのだった。
「類…。
如何した?」
其処に、類は、総二郎の方を観るでも無く、声だけ、発するのだった。
「う~ん。
何ていうか?
気が抜けちゃったのかな?」
其処に、あきらが、類に訊いて居たのだった。
「其れって、あれか?
妹のつくしちゃんの為に…。
今まで、司を牽制していた類にとって、相手を失って、寂しく思ってるって、事か?」
だが、類は、あきらに、言って除けるのだった。
「まあ、そうかもね?」
そして、其の後の類は、更に、『眠りの王子』と成ったのだった。
そんな類を観て居た総二郎とあきらは、思うのだった。
“遣れ遣れ…。”と…。
そして、其の後のF4&つくしを取り巻く環境が、どんどん、変わって行った事は事実だったのだ。
fin