今更…<総優> 31.
総二郎は、優紀が、更衣室から出て来るまで、待って居たのだった。
何故なら…。
総二郎は、一番に、優紀を労って遣りたかったのだ。
勿論、総二郎とて、分かり切って居るのだ。
頑張ったのは、つくしで在って…。
優紀は、助産師として、そんなつくしを助けたに過ぎ無いのだ。
少なくとも、優紀自身も、そう考えて居たのだった。
だから、更衣室から出て来た優紀は、総二郎から掛けられた第1声に、驚愕したのだった。
「優紀…。
お疲れ‼
頑張ったな‼」
総二郎は、優紀の頭を撫で乍ら、言って除けるのだった。
だが、優紀は、そんな総二郎に、反論するかの様に、言って除けるのだった。
「頑張ったのは、つくしです。
私は、手助けをしたに過ぎません。
労いの言葉は、つくしに、言って上げて下さい。」と…。
だが、総二郎は、そんな優紀に対して、笑い乍ら、言い始めたのだった。
「牧野を労うのは、司の仕事…(笑)。
俺が、労うのは、優紀…だろ?」と…。
そんな総二郎の言葉に、優紀は、開いた口が塞がらない状態と成って居たのだった。
そして、優紀は、気が付いたのだった。
優紀の目の前に居るのは、総二郎だけだと言う事を…。
なので、総二郎に、訊き出す優紀だったのだ。
「皆さんは、まだ、お越しじゃ無いんですか?
総二郎さんは、連絡するんじゃ無かったんですか?」
実は、優紀が、『総二郎さん』呼びをし始めた切っ掛けは…。
総二郎の強要に寄るモノだったのだ。
既に、付き合い始めた…。
という寄りも、総二郎と優紀が、同棲し始めたと言う事も在り、総二郎は、優紀に、自身の呼び名を変更させたのだった。
なので、総二郎は、優紀に、飄々と、返答するのだった。
「否…。
優紀が、牧野と一緒に、陣痛室に入った後…。
控室から、あいつ等には、LINE報告した。
だから、あの後…。
F2&T2は、直ぐに来たぞ‼」
なので、優紀は、総二郎の言葉を聞いて、辺りを見回して居たのだった。
だが、其処に居るのは、総二郎だけだったのだ。
なので、優紀は、驚愕して居たのだった。
「えっ??
誰も、居ませんよね?」
実は、産婦人科のナース達の更衣室は、産婦人科のナースセンターの中に設けて居たのだった。
其れは、直ぐに、妊婦の対応が、出来る様にする為だったのだ。
という訳で、優紀が、更衣室から出てくれば…。
必然的に、F3&T2とは、会える筈なのだ。
なのに…。
妊婦の家族の控室に居る筈のF3&T2が、居ないのだ。
だから、優紀が、驚愕だった事も頷けるという訳だったのだ。
実は、F3&T2は、司とつくしの赤ちゃんを、ガラス越しに、観て居たのだった。
其の後の優紀は、其の事を総二郎から聞き付けたという訳だったのだ。
総二郎は、笑い乍らだった事は言うまでも無いのだが…。
そして、司とつくしの赤ちゃんを、ガラス越しに、観て居たF2&T2は、驚愕だった事は言うまでも無いのだ。
司のDNAを諸に受けた司とつくしの赤ちゃんは、容姿自体が、司…其のモノだったのだ。
なので、類は、一言、言って除けたのだった。
「此の子の行く末を案ずるよ‼」と…。
そんな類からの言葉に、司の機嫌が損なった事は言うまでも無いのだ。
其処に、総二郎と優紀が来て居たのだった。
で、滋が優紀に声を掛けて居たのだった。
「優紀…。
つくしのサポート、お疲れ様…。」
なので、優紀は、滋に頷くのだった。
其処で、桜子が、優紀に言って除けるのだった。
「私…。
気が付いたんですけど…。
道明寺さんと先輩の赤ちゃんって…。
『7月7日の七夕生まれ』って、事ですよね。
其れって…。
偶然だったんですか?」
なので、優紀は、桜子に説明して居たのだ。
「偶然かな?
本来のつくしの出産予定日は、後三日後だったんだ。
所謂、7月10日…。
つくしは、初産…何だけど…。
早目に、陣痛が来たみたいだね。
お産も、8時間と、安産だったし…。
親孝行息子かな?」
だが、桜子は、思い出したかの様に、言って除けるのだった。
「其れって…。
道明寺さんが、ロマンチストだからじゃ無いんですか?」
優紀は、訳が分かって居ない様子で、首を傾げて居たのだった。
なので、桜子は、飄々と、続きを話しし始めるのだった。
「だって…。
季節的には、『夏』と『冬』とは違いますが…。
道明寺さんが、NY修行に、4年間行って居る間でも…。
道明寺さんは、毎年、先輩のBirthdayには、必ず、日本に帰国して、先輩の下に戻って
来て居たでしょ‼
だから、“道明寺さん(司)と先輩(つくし)は、『冬versionの織姫と彦星』だ‼”っ
て、良く、滋さんと言って居たんですよね。
其れを、ちゃんと、理解して居るかの様に、道明寺さんと先輩の赤ちゃんは、7月7日
に、生まれて来たんですよね。
凄いと思いません?」
優紀は、桜子の解釈には、“凄い‼”と、感心して居たのだった。
そういう解釈の仕方が在る事に、優紀は、感心して居たのだった。
そして、其の話しは、其の後…。
優紀から、つくしに伝わったのだった。
だが、優紀から話しを聞いた時のつくしは、驚愕という寄りも…。
そういう解釈の仕方に、自身の息子は、既に、“親孝行息子なのだろう。”と、認識するのだった。
そして、優紀は、また、此の話しを総二郎にも、話しするのだった。
だが、此の時の総二郎は、別の事を考えて居たのだった。