tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

PVアクセスランキング にほんブログ村

今更…<総優>  32.




総二郎は、別の事を考えて居たのだった。


総二郎は、優紀と離れた頃の事を思い出して居たのだった。


其の当時の総二郎にとって、西門家の存在というモノは、総二郎の中で、重く伸し掛かって居たのだった。


総二郎は、自身が、次期家元の座に就いた中学生の頃から、総二郎の父親で在る 家元から言われ続けて居たのだった。


其れは、また、総二郎の父親で在る 家元も、家元の父親で在る 先代の家元から言われ続けて居た言葉だったのだ。


「お前が、恋愛したとしても、其れは、まやかしにしか過ぎない。
 お前は、次期家元の立場から、何れ、私の後を継いで、西門流 家元に成らなくてはい
 けない。
 と言う事は…。
 西門流に相応しい家柄のお嬢さんと結婚する事に成る。
 遊びなら良い。
 本気に成れば、お前が苦しいだけだ。
 本気に成らない様に、遊びなさい。」と…。


其れは、家元自身が、若かりし頃に苦しんだからこそ…。
総二郎に、言えた言葉だったのだ。


だからこそ…。
総二郎は、初恋の『更』の時にも…。
また、優紀の時にも…。


本気に成らない様に、総二郎の心の中で、総二郎は、気付かない振りをして来たのかも知れない。


否…。
相手を傷付ける結果と成る事が、総二郎自身、怖かったのかも知れない。


其の結果…。
『更』にしても、優紀にしても…。
総二郎から、離れて行ったのだ。


過去の事は、如何云ったとしても、帰って来ない。


成らば…。
総二郎自身、もう、後悔をしたく無かったのだ。


今は、優紀も、総二郎の傍に居る。


だが、また、何時、優紀が、離れて行く共、限らないのだ。


勿論、其れは、総二郎次第だと言う事は言うまでも無い。


だからこそ…。
総二郎は、優紀に、今此処で…。
想いの丈を伝える事にしたのだった。



総二郎は、優紀を、控室に連れて行ったのだ。


「優紀…。
 ちょっと、話ししてぇ事が有んだ‼
 こっちに、来てくれるか?」


そして、総二郎は、優紀に、総二郎の想いの丈を話しし始めるのだった。


「なぁ~、優紀…。
 本来、俺と優紀が知り合って…。
 否…。
 俺と優紀が、そういう関係に成って…。
 もう直ぐで、10年経つんだよな。
 早ぇな。」


優紀は、“そんなに、経ったんだぁ~。”と、心の中で思って居たのだった。


だが、優紀は、そんな風に、言って来た総二郎に、肯定の言葉を話ししただけだったのだ。


何故なら…。
此の後の言葉を聞く事が、優紀にとって、何だか?
躊躇われたからだったのだ。


「そうですね。」


だが、総二郎は、そんな風に言って来た優紀の顔付きを、唯、じーっと、観て居たのだった。


総二郎自身、此の後の言葉を優紀に伝える事に、躊躇して居たのだ。


総二郎自身、優紀から返答される言葉を聞く事にも、怖さが有ったからなのだ。


だが、総二郎は、優紀の顔を見ずに、話しし始めるのだった。


「なぁ~、優紀…。
 考えれば…よ。
 司と牧野が、東京⇔NY間と離れて居た期間は、4年だったよな。
 だが、俺と優紀は、同じ東京に居乍らも、離れていた期間は、あいつ等(司とつくし)
 が離れて居た期間の倍以上の10年…何だよな。
 だから…よ。
 もう、良いだろ?」


優紀は、何が良いのか?
総二郎が、言って居る意味が、全く、分からずに居たのだった。


だからだったのだろう。
優紀は、首を捻り乍ら、総二郎の方を向いて居たのだった。


だが、総二郎は、優紀の顔を、まだ、観る事が出来なかったのだ。


実は、優紀からの返答の言葉が、怖かったのだ。


だが、幾ら待っても、優紀からの返答の言葉が無いので、総二郎は、続けて、話しし始めるのだった。


「俺と優紀が、再会して、付き合ったのは、2か月だ。
 だが、付き合った長さじゃねぇよな。
 俺は、優紀の事を愛してる。
 其れは、多分、高校のガキの頃からだったんだと思う。
 俺は、気が付いて居ねぇ振りをして居たんだと思う。
 今思えば…。
 優紀だけだったんだよな。
 俺のポーカーフェイスを崩せた女は…。
 其れに、其の事で、俺自身、本気で、向きに成って怒った女は…。
 其の事を、大人に成った俺が、お袋から、指摘されるとは思わなかったけど…な。」


優紀にとっては、未だ、総二郎が、言いたい意図が見えて居なかったのだ。


だから、首を横に傾けて、『Why?』と言って居るかの様な仕草をしたのだった。


一瞬、優紀の方を向いた総二郎自身…。
此れには、苦笑いだったのだ。


そして、総二郎は、思うのだった。


“優紀は、牧野…程。
 鈍感じゃねぇと思うんだけど…よ。”と…。


だが、此の時の総二郎は、仕方なく、優紀に、伝える事にしたのだった。


「優紀…。 
 『西門優紀』に成ってくれねぇか?」


そんな風に言って来る総二郎に、きょとんとしたまま…。
優紀は、言って除けるのだった。


「えっ??」


だから、総二郎は、“まさか…だよな?”と、思い乍ら…。
優紀に、訊くのだった。


「優紀…。
 俺の言って居る意味…。
 分かってるよな?
 まさか…?
 分かんねぇとか、言うんじゃねぇだろうな⁉」と…。


だが…。
優紀は、未だ、優紀の頭の中では、理解されて居ない様子だったのだ。


無理も無いのだ。
優紀は、今の今迄…。
助産師として、つくしの出産の場に居たのだから…。


其れに、つくしの出産が、無事に、滞り無く済んで、優紀自身、ホッとして居る所だったのだ。


要するに、其の時の優紀自身、何も考えられない状況だったのだ。


だからだったのだろう。
きょとんとしたままの優紀が、其処には居たのだった。



そんな優紀に、総二郎は、呆れるやら…。
此れ以上の言葉を、優紀に告げる事を諦めた総二郎が、其処に居た事は、事実だったのだ。


だから、総二郎は、唯、優紀を抱き締めたのだった。


そして、一言、総二郎は、優紀に伝えるのだった。


「優紀…。
 愛してる。」と…。


だが、此の時の優紀は、唯、疲れた身体を、総二郎の腕の中で、癒してもらって居たのだった。

×

非ログインユーザーとして返信する