其の後【司とつくしは兄妹?…<つかつく>】 2.
司は、自身の両親で在る 道明寺保 と 楓夫妻が帰宅した時には、自身(司)の下に、連絡を入れる様に、執事には、伝えて置いたのだった。
なので、其の連絡が、司の下に、入って来た時に、司は、つくしを連れて、自身の両親で在る 道明寺保 と 楓夫妻の自室に向かったのだった。
そして、司は、徐に、自身の両親で在る 道明寺保 と 楓夫妻に、言って除けるのだった。
「俺は、つくしと同室が良い。
俺とつくしは、婚約したも、同然…何だ。
別々の部屋で居る必要性は、ねぇよな?」と…。
そんな自身の息子で在る 司からの言葉に、呆れて聞いて居たのは、他でも無い。
司の母親で在る 楓だったのだ。
だからだったのだろう。
楓は、溜息を突き乍ら、自身の息子で在る 司を観て居たのだった。
「はぁ~⤵。」と…。
だが、そんな楓に対して、司の父親で在る 保は、少なからずも…。
自身の息子で在る 司の気持ちが分かる事から…。
配慮する言葉を言って除けるのだった。
「そうだな。
お互い、惚れ合って居る。
そんな二人を、引き裂く様な事は、出来んだろ?
で、つくしは、如何思って居るだ?」と…。
司の父親で在る 嘗て、自身の父親だと思って居た保から…。
そんな風に、訊かれたつくしは、返答する言葉に、困って居たのだった。
だからだったのだろう。
つくしは、首を傾げるしか出来なかったのだ。
其処に、楓は、そんなつくしをヘルプするかの様に、自身の夫で在る 保に、言って除けるのだった。
「あなた…?
いい加減に為さって下さい。
もう、つくしは、私(わたくし)達の『娘』では在りませんのよ。
其れに、まだ、つくしは、『道明寺家の嫁』という立場でも有りませんのよ。
現在のつくしは、『花沢家』からお預かりしている『娘』ですのよ。
あなた、宜しくて…。」と…。
だが、保には、思いも有ったのだ。
“何れ、つくしは、また、『道明寺家の娘』として、戻って来るのだ。”と、いう思いが…。
だからだったのだろう。
保は、そんな風に、怒って居る楓に、言えた言葉だったのかも知れない。
「まぁ~、楓…。
そう言わず…。
孝(類とつくしの花沢兄妹の父親)から、何か言って来たら…。
私が、ちゃんと、説明する。」と…。
そんな呑気そうに言って来る自身の夫で在る 保に、呆気に取られ乍らも…。
楓は、言い返せる言葉を失くしたまま…。
自身の夫で在る 保を、睨み付けて居たのだった。
なので、自身の両親で在る 道明寺保 と 楓夫妻から、了承を得る事が出来たと、解釈した司は、其のまま、東の角部屋が在る 自身の自室に、つくしを、連れて行ったのだった。
そして、司は、呆気に取られたままの状態のつくしに、言って除けるのだった。
「だから言っただろう。
親に聞かねぇでも、こう成る事は、分かり切って居たんだ。
でも、親からの了承も、得られたんだ。
つくしの自室は、今日から、此処(東の角部屋で在る 司の自室)だから…な。
間違うんじゃねぇぞ。」と…。
なので、つくしの自室は、此の日から、司と同室と成ったのだった。
そして、そんな日々が過ぎて行く中…。
数か月が、経ったのだった。
漸く、司とつくしは、こっち(NY)での生活に慣れて来た頃…。
つくしの存在が、NYでも、話題に成って居たのだった。
何故なら…。
つくしは、道明寺家の養女として、産まれて直ぐの頃のから…。
司の両親で在る 道明寺保 と 楓夫妻と共に…。
NYに渡米して居たのだ。
其れに、対外的には、つくしの存在を明らかにして来なかったのだが…。
つくしは、『道明寺つくし』として、NYの学校にも通って居たのだ。
なので、つくしと同じ学校に通って居た嘗ての同窓生には、つくしは、『道明寺家の娘』としての認識だったとしても、仕方なかったのだ。
嘗て、其の当時のつくしが、NYに居た頃とは、別の関連学校…。
所謂、現在のつくしは、英徳学園の提携校に通って居るのだ。
其れでも、其の当時の同窓生にとっては、不思議な出来事として、捉えられて居たのだろう。
何故なら…。
現在のつくしは、『花沢つくし』なのだ。
所謂、『花沢つくし』が、本当のつくしの名前なのだ。
だが、此の事を、説明するには、言わなくても良い事まで、説明する必要性が有るのだ。
なので、道明寺家も、花沢家も…。
此れまで、一切、発言して来なかったのだ。
だが、此の事が、NYだけでは無く…。
日本でも、話題に成って居たのだった。
だからだったのだろう。
道明寺家と花沢家で、話し合いが持たれ…。
書面のみで、発表されたのだった。
【現在の『花沢つくし』は、訳が有って…。
『道明寺家』に預けられて居たのだ。
嘗てのNYでの『道明寺つくし』は、現在の『花沢つくし』と、認識して貰いたい。
そして、『道明寺家』の長男で在る 『道明寺司』と…。
『花沢家』の長女で在る 『花沢つくし』は、婚約している事を、同時に、発表する。】と…。
だが、世間の憶測は、『訳が有って…。』という部分に及んで居たのだ。
そんな処から…。
勝手に、噂が噂を呼んで居たのだった。
「『道明寺家』と『花沢家』は、『道明寺家』の長男で在る 『道明寺司』 と 『花沢
家』の長女で在る 『花沢つくし』を、元々、将来的には、結婚させる意味合いで…。
『花沢家』は、娘を、(『道明寺家』の)養女として、将来の為に、『道明寺家』に預け
て居たのでは無いのだろうか?」と…。
だが…。
つくしが、『道明寺家』に、預けられていた本来の理由は、そんな理由では無かったのだ。
寧ろ、噂の話しの方が、都合の良い『道明寺家』と『花沢家』にとっては、一切、世間の噂に対して、反論し無かったのだ。
だからだったのだろう。
勝手に、噂だけが、一人歩きして居たのだった。
そんな時だったのだ。
つくしは、司と一緒に居る時に…。
久々に、栗巻あや乃と会ったのだった。
そして、つくしにとっては、見知らぬ女性が、栗巻あや乃の傍に居たのだった。
実は、其の女性こそが、大河原滋だったのだ。
大河原滋とは、大河原財閥のご令嬢…。
栗巻あや乃とは、学年は違うのだが…。
幼馴染で親友なのだ。
そして、大河原滋は、栗巻あや乃が、日本での学校として、席を置いて居る永林学園の学生でも有ったのだ。
そして、厄介な事に…。
栗巻あや乃と同様に…。
大河原滋は、司の事が好きだったのだ。
滋が、男性を好きに成る事由は、実は、容姿重視だったのだ。
其の為…。
滋の理想の男性の容姿像は、『道明寺司』其の物だったのだ。
其れが、例え、性格に、難が在っても、良しと考えて居る所が、滋には、有ったのだ。
何故なら…。
滋は、思って居たのだった。
“私に相応しい様に…。
私が、『道明寺司』を変えて魅せる。”と…。
何故か?
此の時点の滋には、自分勝手な変な自信で溢れて居たのだった。
だからだったのだろう。
滋が、日本に居る頃から…。
滋の気持ちを知った滋パパは、『道明寺家』に、アプローチを掛けて居たのだった。
だが、『大河原家』を以てしても…。
『大河原家』は、『道明寺家』から、一切、相手にされて居なかったのだ。
所謂、『大河原家』は、『道明寺家』から、断られ続けて居たのだった。
だが、栗巻あや乃に寄って、司とつくしを紹介された時の滋は、何故か?
勝手に、二人の婚約者としての理由が、分かった様な気がして居たのだった。
“二人は、『政略結婚』なのだろう。”と…。
所謂、唯の滋の勘違いだったのだが…。
此の時の滋は、そう思い込んで居たのだった。