喧嘩をしてしまった…<総優> 8.
此の時…。
実は、エレベーターの中で、総二郎と一緒に居た時の優紀は、恐怖でしか無かったのだ。
だからだったのだろう。
「久し振りだな。
優紀ちゃん…。」と、総二郎から、声を掛けられたときの優紀は…。
唯、一言、言葉を発するだけしか出来なかったのだ。
「はい。」と…。
だが、此の時の総二郎は、そんな風に、唯、一言だけ、返答して来た優紀に、更に、苛立って居たのだった。
何故なら…。
総二郎が、優紀の背後から、そう言って来た優紀を観て居ても、此の時の優紀は、嬉しそうじゃ無かったのだ。
という寄りも…。
此の時の優紀自体…。
総二郎を観ても、迷惑がって居る様にしか、此の時の総二郎には、見えて居なかったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は、唯、苛立ちが、寄り一層、加速して居たのだった。
そして、其の後、エレベーターの中で…。
黙ったままの状況と成って居た総二郎と優紀は、滋の執務室が在る 階に、着いたのだった。
そして、優紀は、総二郎を、滋の執務室に、誘導するのだった。
其の後…。
滋の執務室に入って来た時の総二郎は、唯、不貞腐れて居る様にしか…。
此の時の滋には、見えて居なかったのだ。
だからだったのかも知れない。
滋は、そんな総二郎に、呆れるかの様に、訊き始めるのだった。
「ニッシー…。
何しに、うち(大河原グループ)に、来たの?
今のうち(大河原グループ)は、西門流と、何も、仕事して居なかったと、思うんだけ
ど…。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、そう言って来た滋に、訊き始めるのだった。
「なぁ~、滋…。
優紀ちゃんは、如何して?
俺が居ると…。
迷惑がってんだ?」と…。
だからだったのだろう。
滋は、そんな総二郎に、呆気に取られ乍らも…。
言って除けるのだった。
「ねぇ~、ニッシー…。
本当に、分かんないの?
だったら…。
私から、何も言えないわ。」と…。
そして、其の後…。
そう話しして居た総二郎と滋の所(滋の執務室)に…。
丁度、優紀が、珈琲を淹れて、滋の執務室に、運んで来た所だったのだ。
ノックをした優紀に、滋は、入る様に、伝えるのだった。
「松岡です。
珈琲を、お持ちしました。」
「は~い。
入って…。」と…。
そして、滋の執務室に入って来た優紀を、唯、見詰める総二郎に…。
此の時の滋は、呆れて居たのだった。
しかも、此の時の優紀は、そんな総二郎に、気が付いて居なかったのだ。
だからだったのだろう。
滋は、そんな優紀でさえも、呆れるしか無かったのだ。
“本気で、優紀は、ニッシーの目線に、気が付いて居ないのだろうか?
其れとも…。
本気で、優紀は、ニッシーの事を、迷惑がって居るのだろうか?”と…。
そして、優紀は、珈琲をテーブルに置いたまま…。
其の場(滋の執務室)を、後にして居たのだった。
だからだったのかも知れない。
其の後の滋は、或る事を、実行に、移す事にして居たのだった。
だが、此の時の総二郎にして視れば…。
優紀は、何も言わず…。
滋の執務室を後にした事自体…。
更に、自身を苛立たせて居たのだった。
だからだったのだろう。
総二郎は、滋に、言って除けるのだった。
「なぁ~、滋…。
俺が、誰に会いに来て居るのか?
今の滋なら…。
分かってるよな?
だったら…。
何で、優紀ちゃんを、引き留め様としねぇんだよ?」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の滋は、更に、此の時の総二郎に対して、呆気に取られるしか無かったのだった。
だからこそ…。
滋は、そんな総二郎に、言えた言葉だったのだろう。
「何で、私が…⁉
優紀を、引き留める必要が有るの?
ニッシーの言ってる事は、私には、理解出来ないんだけど…。」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は、更に、苛立ちを加速されるだけ…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の滋は、総二郎に釘を刺し始めたのだった。
「ニッシー…。
今のニッシーが、私に、言って居る事は…。
的を得て居ないから…。
何が言いたくて…。
ニッシーは、此処(滋の執務室)迄来た訳…⁉
もし、優紀を、惑わす為に…。
ニッシーが、此処(滋の執務室)迄来たと言うのなら…。
私は、ニッシーを、許さないんだけど…ね。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、侮辱に近い様な言葉を吐いて来た滋に、言って除けるのだった。
「はぁ~??
俺が、優紀ちゃんを、惑わすって…。
如何いう意味だよ⁉」と…。
だからこそ…。
此の時の滋は、そんな総二郎に、言って除けるのだった。
「えっ??
ニッシー…。
今迄、ニッシーがして来た行いの数々…。
分かって居ないとは言わないわよね?」と…。
勿論、此の時の滋は、不思議そうに、そんな総二郎の顔を観て居たのだった。
否…。
此の時の滋は、そんな総二郎を、更に、呆れる様に、観て居た事は、確かだったのだ。
なので、漸く、此の時の総二郎は、そう言って来た滋の言葉の意図を、理解したのだった。
だからだったのだろう。
此の時の総二郎には、滋に、何も、言い返せる言葉が見付からなかったのだ。
なので…。
此の時の滋は、更に、総二郎に、言って除けるのだった。
「あのねぇ~。
此の際だから…。
ニッシーには、言って置くわね。
優紀には、手を出さないで…。
此れ以上…。
優紀を苦しめる様な事はしないで…。
今の優紀は、私だけじゃ無く…。
うち(大河原グループ)にとっても…。
大切な人材で在る事は、間違い無いの。
だからこそ…。
今の優紀を、惑わす様な事はしないで欲しいの。
良い?
ニッシー…。
此れ以上…。
優紀を苦しめる様な事はし無いと誓って…。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の総二郎にとっては、今後…。
優紀の事を苦しめる様な事をするつもり等…。
毛頭無かったのだ。
だからこそ…。
此の時の総二郎は、そう言って来た滋に言えたのだった。
「ああ。
優紀ちゃんを、苦しめる様な事を、今後は、しねぇと誓うよ。」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の滋は、そんな総二郎からの言葉を、安心して聞いて居たのだった。