桃の節句【喧嘩をしてしまった…<総優>】 番外編①
2021.3.3 桃の節句(雛祭り)
実は、滋は、此の総二郎と優紀の一件を、つくしと桜子を呼び出して、報告して居たのだ。
其処で、つくしは、思うのだった。
“此のままで良い筈が無い。”と…。
何故なら…。
優紀は、今も過去も変わらず、総二郎の事が、『好き』なのは、目に見えて居るから…だったのだ。
所謂、明白だったのだ。
しかも、此の時のつくしは、過去の自分自身と優紀を、重ね合わせて見て居たのだった。
だからこそ…。
つくしは、優紀を、其処から、救いたかったのだ。
なので、つくしは、司に、相談するのだった。
「ねぇ~、司…。
私ねぇ…。
今の西門さんと優紀を、救いたいんだよね。
だから…さ。
此処(道明寺邸)で、『桃の節句』のパーティーをしたら、ダメかな?」と…。
実は、司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓からの許しが出た事で、司とつくしは、道明寺邸で、同居という名の同棲をする様に成って居たのだ。
其の頃からだろうか?
其れ迄、出す機会が殆ど無く…。
一年に数日だけ、天日干し代わりに出されて居た道明寺家の『雛人形』…。
其の当時は、誰の目にも触れられる事は無く…。
道明寺家の使用人だけが、目にして居たのだ。
其の道明寺家の『雛人形』が、また、出される様に成って居たのだ。
其れは、つくしが、道明寺邸に、住まいを移した事で、実現して居たのだ。
本来、道明寺邸では、毎年、節分の翌日(通常は、2月4日)から、飾り始めるのだ。
其れは、何故なら…。
節分(通常は、2月3日)で、『豆撒き』を行った(おこなった)事から、邪気を払ったという意味で、毎年、節分の翌日(通常は、2月4日)以降に飾ると、縁起が良いとされて居るから…だったのだ。
なので、つくしが、住む様に成った道明寺邸では、節分の翌日(通常は、2月4日)から、飾り始めて居たのだ。
しかも、其の場所は、司とつくしが、道明寺邸の中で、住まいとして居る司とつくしの自室だったのだ。
実は、其の司とつくしが、道明寺邸の中で、住まいとして居る司とつくしの自室というのが、元々、三部屋に分かれて居た部屋を、一つの部屋にした部屋だったのだ。
其の一部屋は、リビングダイニング…。
そして、更に、一部屋は、寝室…。
後の一部屋は、和室をメーンにした部屋に、リフォームして居たのだ。
世間で言う処のちょっとしたマンションの一室の様な様相だったのだ。
何故、司がリフォームしたかというと…。
此れまで、道明寺邸では、経った一部屋しか無かった和室…。
其れは、タマの自室だったのだ。
タマから云えば…。
道明寺家の先代の旦那様…。
云わば…。
司から云えば…。
祖父に当たる人物なのだ。
其の道明寺家の先代の旦那様に寄って、作られたというタマの自室…。
其のタマの自室は、つくしにとっての癒しの場でも在ったのだ。
だが、其の事を予想して居た司は、自身とつくしの自室にも、和室を取り入れたのだ。
何故なら…。
つくしが、タマの自室で入り浸って、戻って来ないと言う様な事に成らない様に…。
という理由から、司は、リフォームに、着手したという訳だったのだ。
だからこそ…。
道明寺家で、代々、受け継がれて来た『雛人形』を、毎年、司とつくしの自室(和室)で、飾る様に成ったという訳だったのだ。
勿論、タマを中心に、つくしも、手伝い乍ら…。
道明寺家の使用人総出で、毎年、飾るのだ。
なので、つくしは、更に、話しを続け乍ら、司に、頼み始めるのだった。
「実は…ね。
元々、T4だけで、“『桃の節句』のパーティーをしたいなぁ~。”と、思って居たんだ
よ。
だから…さ。
もし、司の許しが得られたら…。
此処(司とつくしの自室で在る 和室)に、“T3を呼ぼう。”と、思って居た訳よ。
だから…ね。
西門さんと優紀の為に、F4&T4で、『桃の節句』のパーティーをしたら、ダメか
な?」と…。
勿論、司も、滋から、総二郎と優紀の話しを聞いた事が有ったのだ。
仕事の打ち合わせ後に…。
其の時は、それぞれの秘書の立場で在る つくしと優紀は、席を外して居た時の事だったのだ。
だからだったのだろう。
司自身…。
総二郎の事が、気に成って居ない筈等無かったのだ。
何故なら…。
司も、総二郎の今の状況を、嘗ての自分自身と重ねて見て居たから…だったのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、そんな総二郎の事が、心配だった事も、また、事実だったのだ。
なので、此の時の司は、つくしに、言って除けるのだった。
「ああ。
其の方が、良いんじゃねぇか?
総二郎にしても…。
松岡にしても…。
其れに、皆(F3&T3)が居るんだ。
お互いの言い分も、言い易いだろ。」と…。
だからだったのだ。
つくしは、タマに、此の事を伝えて、料理長に伝えて貰ったのだ。
「3月3日の夜…。
司と私の自室で、F4&T4での『桃の節句』のパーティーを、開催する事に成りまし
た。
料理長に伝えて貰えますか?」と…。
なので、タマからも、了承が得られたのだ。
「はいよ。」と…。
また、司は、F4&T4のグループLINEにて、F3&T3に、連絡を入れるのだった。
『つくしが、うち(道明寺邸)の自室で、『桃の節句』のパーティーを、開催してぇら
しいわ。
取り敢えず…。
3月3日の夜は、うち(道明寺邸)に、集合な。』と…。
だからだったのだろう。
続々と、F3&T3からの了承の返信が入って来るのだった。
『了解‼』
『ああ。
分かった。』
『へぇ~。
やっぱ、遣んだな。
女共だけかと、思ってたんだが…。
だから…よ。
其の日は、F4で、集まろうかと思ってたわ。
まぁ~、楽しみしてる。』
『はいよ。
つくし…。
楽しみにしてるよ。』
『了解しました。』
『了解しました。
先輩…。
私も、楽しみにしてますね。』と…。
六者六様の思いのまま…。
云わば…。
LINEの文面に現れて居る様子だったのだ。
そして、優紀は、思って居たのだった。
“もしかして…。
つくしは、滋さんから、話しを聞いて、此のパーティーを計画したのかも…。
だとすれば…。
道明寺さん迄、巻き込んだ事に成るよね。
ほんと、申し訳無い事をしてしまったのかも…。”と…。
そして、また、総二郎も、思って居たのだった。
“滋の奴…。
司 or 牧野に、話しやがったなぁ~。
まぁ~、結果的に、此れで、良かったのかも…な。
優紀と、決着付けるには…。”と…。
だからこそ…。
LINEに、返信文を打って居た時の総二郎と優紀は、了承の文面だけだった事は言うまでも無かったのだ。
そして、此の時のあきらと滋と桜子は、総二郎と優紀の事を、心配して居たのだ。
だからだったのだろう。
此の時のあきらと滋と桜子は、態と、心配して居ない振りを装う為に、『桃の節句』のパーティーが楽しみで在るというメッセージを、入れて居た事は言うまでも無かったのだった。