総二郎&優紀【I’m crazy about you. ~お前に夢中~】 番外編④
「分かった。
じゃ…よ。
仲間だけじゃ無く…。
俺と、友達以上恋人未満で、付き合ってくれねぇか?」と…。
総二郎が、渾身の意味を以って、優紀に言った言葉を、優紀は、スルーするかの如く…。
声を発し様とし無い優紀に、総二郎は、痺れを切らしかの様に、別の話題として、話しし始めるのだった。
「けど…よ。
牧野の父ちゃんと母ちゃんは、優紀ちゃんの事を、知ってんだよな?
優紀ちゃんは、牧野の幼馴染で親友だろ?
牧野の父ちゃんと母ちゃんが、優紀ちゃんの事を、知らねぇ訳ねぇよな?
面接の時に、良く、バレなかったな?」と…。
だからだったのだろう。
其れ迄、総二郎からの言い分に、驚愕顔を顔に張り付かせたまま…。
何を如何言えば良いのか?
全く、分からず、迷ったままで居た優紀は、そう訊いて来た総二郎に、漸く、返答するかの如く、話しし始めるのだった。
「はい。
実は、私の面接の時の面接官は、今、思えば…。
つくしのお祖父様で在る 桃乃園総帥 と つくしの伯父様…。
其れに、学園長と副学園長だった様です。
だから…。
桃乃園邸にお邪魔する事に成った時…。
私は、覚悟を決めて居たんです。
“きっと、バレるだろうなぁ~。”と…。
でも、バレ無かったんですよね。
スーツ姿と振袖では、違って見えたのかも知れませんが…。」と…。
其処で、総二郎も、不思議に思い、優紀に、訊き始めるのだった。
「けど…な。
司と類は、苗字呼び…。
で、俺とあきらは、『優紀ちゃん』呼び…。
其れに、T3も、牧野は、幼馴染で親友だから、当然だろうけど…な。
滋も、名前呼びだろ。
其れに、桜子は、『優紀さん』呼び…。
『松岡』と『優紀』という苗字や名前を聞けば…。
普通、何と無く、“あれっ⁉”くれぇは、思わねぇか?」と…。
なので、此の時の優紀は、つくしの祖父で在る 桃乃園総帥 と つくしの伯父をフォローするつもりは無いにしても、一応、つくしの身内故…。
フォローの様な言葉を、総二郎に、話しし始めるのだった。
「そうですよね。
普通は…。
でも、世間では、『松岡』という苗字も、『優紀』という名前も…。
良く在る 苗字や名前ですから…。
直ぐには、お気付きに成らなかったのかも知れません。」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は、そう言って来た優紀に、納得せざるを得ない状況だったのだ。
「そうかも…な。」と…。
そして、数日後…。
総二郎は、二人だけで、優紀の大学卒業を祝う為に、優紀を、誘い出すのだった。
勿論、F4&T2で、つくしと優紀の大学卒業パーティーは、開催されたのだ。
だが、其れは、F4&T2プレゼンツでのつくしと優紀の大学卒業パーティーの場…だったのだ。
だからこそ…。
総二郎は、優紀を、誘い出し、二人だけの大学卒業パーティーを執り行ったのだ。
其処で、漸く、優紀に、『White Day』の場で、渡し損ねて居たプレゼントも、併せて、総二郎は、優紀に、手渡す事が出来たのだった。
其のプレゼントとは…。
先ずは、『White Day』の時に渡し損ねて居たプレゼント…。
其れは、ヘアアクセサリーだったのだ。
何故なら…。
総二郎は、常に、優紀のヘアスタイルを見て来たのだ。
現在の優紀のヘアスタイルは、総二郎の事を吹っ切った後の高校生当時のショートヘアでは無く…。
云わば…。
其の高校生当時のショートヘアにする前のふわふわのセミロングだったのだ。
高校生当時のふわふわのセミロングだった頃の優紀の髪質は、実は、総二郎のお気に入りだったのだ。
だからだったのだろう。
現在の優紀が、其のふわふわのセミロングを、常に、ハーフアップにして居る事も、総二郎は、既に、確認済みだったのだ。
何故なら…。
何時も、優紀の事を、目で追って居たのだから…。
そして、其のふわふわのセミロングを、常に、ハーフアップにして居る現在の優紀は、其のヘアスタイル故…大人っぽく見えて居た事も、また、事実だったのだ。
なので、此の時の総二郎は、其のふわふわのセミロングに似合ったヘアアクセサリーを、用意して居たのだ。
しかも、其れは、TPOに合わせて使える様に、数個、用意されて居たのだった。
そして、もう一つ…。
其れは、“優紀ちゃんが、今後、就職しても使用出来る様に…。”と、総二郎が、選んだ『Bag』だったのだ。
其れは、A4サイズの書類も入る様な大き目の『Bag』だったのだ。
勿論、A4サイズの書類も入る様な大き目の其の『Bag』は、総二郎のお気に入りのブランドだった事は言うまでも無かったのだ。
そして、総二郎から手渡されたそんなプレゼントを前に、此の時の優紀は、驚愕するのだった。
何故なら…。
3月14日の『White Day』のお返しは、F4から、既に、優紀は、貰って居るのだ。
其れに、優紀は、個人的に、総二郎にも、誰にも、2月14日の『St.Valentine's Day』のプレゼントを手渡して居ないのだ。
だからこそ…。
優紀自身は、2月14日の『St.Valentine's Day』のお返しとして、3月14日の『White Day』のプレゼントを、個人的に、貰える等と、何の期待もして居なかったのだ。
だからだったのだろう。
此の時の優紀は、不思議そうな顔付きに成り乍らも、総二郎に、訊き始めるのだった。
「あのぉ~。
此方は…?」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、そう訊いて来た優紀に、言って除けるのだった。
「俺は、優紀ちゃんに、貰って貰えると、嬉しいんだが…。
此の代物を返されても、俺は、困るし…。
他にあげられる奴も、居ねぇし…な。」と…。
だが、此の時の優紀は、思うのだった。
“此の私が、如何して、貰う事が出来るのだろうか?
そんな値打ちも、資格も無いというのに…。
其れに、西門さんには、お付き合いして居る女性が居る筈だけど…。”と…。
だからこそ…。
此の時の優紀には、訊けた言葉だったのかも知れない。
「如何して、私が、此れだけのプレゼントを、戴けるのでしょうか?
其れに、西門さんには、お付き合いしてらっしゃる女性が居らっしゃるんじゃ在りません
か?」と…。
だからこそ…。
総二郎は、そう訊いて来た優紀に、言って除けるのだった。
「否…。
今は、居ねぇよ。
俺も、大学を卒業して、一応、社会人に成ったんだ。
色々、揉め事に成っても、困る事も有んだろ?
だから…な。
全部、立ち切った。
だから…よ。
此の代物を、優紀ちゃんに、貰って貰えると嬉しい訳だ。
実は、此のヘアアクセサリーは、『White Day』のプレゼント…。
で、こっちの『Bag』は、就職祝いも兼ねた大学卒業祝いのプレゼント…。
A4サイズの書類も入る様な大き目の『Bag』だから…。
就職してからも重宝すると思って、用意した。
優紀ちゃんに、使って貰えると、俺は、嬉しいけど…な。」と…。
だからだったのだろう。
其れでも、優紀は、貰うには、貰うだけの理由が欲しかったのだ。
だからこそ…。
此の時の優紀は、更に、総二郎に、訊き始めるのだった。
「私には、此れだけのプレゼントを、戴ける理由が、分かりません。
なので、受け取らせて頂く事は、出来ません。
其れに、『White Day』のお返しは、『St.Valentine's Day』のお返しとして、既に、F4
の皆さんから、戴いて居ます。
其れに、大学卒業祝いのプレゼントは、F4&T2の皆さんから、戴いて居ます。」と…。
だからだったのだ。
此の時の総二郎は、苦笑いと共に…。
優紀に、説明する様に、話しし始めるのだった。
「優紀ちゃんが言ってるお返しとか、プレゼントは、全員からだよな。
“俺から…。”と、いう訳じゃねぇよな。
実は、俺は、優紀ちゃんに、個人的に、手渡したかった。
だからこそ…。
此のヘアアクセサリーは、『White Day』の時に渡そうと思って…よ。
3月の初めに、用意して置いたんだ。
けど、『White Day』の日には、渡しそびれたけど…な。
で、『Bag』の方は、偶々、俺のお気に入りのブランドショップに入ったら…。
偶然、新作として、此の大き目の『Bag』が、目に入って…よ。
3月14日の『White Day』の時に優紀ちゃんから、聞いてたろ。
“4月から、教師に成る。”って…。
だからこそ…。
此の大き目の『Bag』が、重宝すると、思って…な。
大学卒業祝いのプレゼントとして、買って置いたんだ。」と…。
そんな風に、総二郎から、理由を聞いてしまった此の時の優紀は、拒む事が出来ない事を悟ったのだ。
だからだったのだろう。
此の時の優紀は、総二郎に、返答するのだった。
「有難う御座います。
受け取らせて頂きます。」と…。
だからだったのだろう。
優紀が、受け取ってくれた事で、気を良くした此の時の総二郎は、優紀に、訊く事にしたのだった。
実は、其の後(3月14日の『White Day』以降)も、優紀の気持ちを解くす様に、総二郎は、常に、心掛けて来たのだ。
だからこそ…。
此の時の総二郎は、再度、そんな優紀に、訊き始めたという訳だったのだ。
「俺と、友達以上恋人未満で、付き合ってくれねぇか?」と…。
なので、優紀は、既に、プレゼントを受け取って居たと言う事も有ったので、“西門さんには、返答する必要が有るだろう。”と、悟った事で、自分自身の気持ちを、話しし始めるのだった。
「今は、まだ、お友達のままでも、良いですか?
私は、4月から、やっと、教師として、働く事が出来るんです。
まだ、海の物とも山の物ともつかない中…。
“今は、仕事に集中したい。”と、言う思いが、私の中には在ります。
其れに、今は、まだ、道明寺さんとつくしは、完全に、恋人として、付き合って居るので
は無いと思います。
きっと、道明寺さんの中にも、モヤモヤした物が、常に、存在して居るんだと思います。
そんな道明寺さんとつくしを前に、西門さんとお付き合いする事は出来ません。
ですから…。
今は、まだ、お友達のままでも、良いですか?」と…。
だからだったのだろう。
総二郎は、そう言って来た優紀に、更に、追求するのだった。
「だったら…よ。
食事をしたり…。
映画を観に行ったり…。
デートなら、別に、良いよな?
友達としてなら…。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の優紀は、そんな総二郎に、了承の意を告げるのだった。
「そうですね。
お友達としてなら…。」と…。
そして、そんな風に、了承した優紀に、気を良くした此の時の総二郎は、勝手に、思って居たのだった。
“此れで、俺と優紀ちゃんは、『友達以上恋人未満』として、付き合って居ると言っても、
過言じゃねぇよな。”と…。
だからこそ…。
此の時の総二郎は、“折角、了承して来た優紀ちゃんとの時間を、潰したく無い。”と、言う思いから…。
此の時の総二郎は、悟って居たのだった。
“ぜってぇ、F3&T3には、バレねぇ様に、しねぇといけねぇな。”と…。
其れは、また、優紀にも、同じ事が言えたのだった。