自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく> 24.
【『自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく> 22.』のエピローグ】
つくしの主治医と別れた後の司と類は、総二郎とあきらが待つ東京メープルのラウンジ内に在る F4ラウンジに向かうのだった。
此の時の類は、ショックを起こし、歩く事も儘ならない司を引き摺るかの様に、東京メープルのラウンジ内に在る F4ラウンジに向かって居た事は言うまでも無かったのだ。
何故なら…。
東京メープルのラウンジ内に在る F4ラウンジで待って居るのは、他でも無い。
類が呼び出した総二郎とあきらだったのだ。
そして、其の場では、類から、現在のつくしの状況が、総二郎とあきらに話しされて居たのだ。
何故なら…。
司からは、話し出来る状況に無かったから…だったのだ。
という訳で、類は、話しし始めたのだ。
其処で、類が、総二郎とあきらに話しした現在のつくしの状況の話しとは、つくしの主治医に、類から、話しされた内容と、全く、同じ内容だったのだ。
云わば…。
司からの呼び掛けに、つくしの意識がはっきりした事…。
そして、つくしの現在の記憶が、英徳学園に通って居た高等部2年生当時に遡ってしまって居る事が、話しされたのだ。
しかも、つくしの現在の記憶は、司が、つくしに貼った『赤札』の頃に、遡ってしまって居る事も、併せて、類から、総二郎とあきらに話しされたのだ。
其処で、総二郎とあきらは、今の司の状況が、何故、こんな風に成って居るのかを悟ったという訳だったのだ。
なので、此の時の総二郎とあきらは、驚愕だったのだ。
「マジか⁉」
「そう言う事だったのか…。
通りで、司の様子が変だと思ったわ。」と…。
其処で、あきらは、塞ぎ込んで居る司に、訊き始めるのだった。
「で、司は、大丈夫なのか?」と…。
其処で、司は、そう言って来たあきらを、睨むでも無く…。
ジーっと、見乍ら、言って除けるのだった。
「俺の何処が、大丈夫に見えるんだ?」と…。
其処で、あきらは、苦笑いのまま、司に返答するのだった。
「そりゃあ、そうだわな。
訊いた俺が、悪かった。
すまん。」と…。
だからだったのだろう。
総二郎も、苦笑いだったのだ。
其処で、類は、真面目な顔付きに成り、司に話しし始めるのだった。
「司…。
此れで、牧野とは、お相子に成ったね。」と…。
だからだったのだろう。
司は、ハッとしたかの様に、顔を上に上げて、類に、言って除けるのだった。
「ああ。
そうだな。」と…。
だが、類は、まだ、言い足りないのか?
司に、更に、言い始めるのだった。
「でもさぁ~。
司の方が、相当、酷いと思うけど…。
だって…さ。
『司』の時は、牧野の事だけ、記憶を失くして居たんだから…ね。
其れに、牧野に魅せ付けるかの様に、変な女を、傍に置いて居たし…。
あの当時の牧野は、司とあの変な女の様子に、相当、遣られて居たよ。」と…。
其処で、あきらも、類に、賛同するかの様に、言って除けるのだった。
「ああ。
海ちゃんの事か?
そうだったよな。
あれは、確かに、酷かったなぁ~。
あの当時の牧野は、俺等の前では、努めて明るくして居た様だったけど…な。
陰では、泣いてたんじゃねぇか?」と…。
其処で、司は、反論するかの如く、言い始めるのだった。
「だから…よ。
俺は、傍に置いてぇよ‼
勝手に、あの女が、来てたんだろ。
変な言い掛かりを言って来んじゃねぇよ‼」と…。
だが、其処は、類…。
更に、類は、“牧野の代わり…。”かの様に、言って除けるのだった。
「でも、司は、あの変な女と、楽しそうに、話しして、笑って居たでしょ‼
あの時の牧野は、相当、辛そうだったよ。
其れに、泣いて居たし…さ。」と…。
「………」
だからだったのだ。
司は、此れ以上、反論する事を止めたのだ。
何故なら…。
何方にしても、全て、自分自身の非で在る事には、変わりないのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、何も、言い返さなかったのだ。
其処で、類は、更に、司に、言い始めるのだった。
「でも…ね。
どんな状況で在れ…。
今の牧野には、司の記憶は、残って居るんだもんね。
司は、相当、恵まれて居るんじゃ無いの。」と…。
だが、司は、顔を引き攣らせ乍ら、言って除けるのだった。
「其処じゃねぇだろ。
牧野の記憶が戻った場所は、寄りにも寄って、俺が、牧野を排除する為に貼った『赤札』
の頃に戻ってんだぞ‼
有り得ねぇだろ。
俺は、数日後には、NYに戻らなくてはいけねぇんだ。
こんな牧野の状況のままで、易々と、NYに戻れると思うか?
俺は、今の牧野のままだと、戻る事は出来ねぇよ。
けど…。
今のまま、NYに戻らなければ…。
今迄の俺の苦労も、水の泡だ。
俺が、此の二年間…。
どんな思いで、頑張って来たか…。
牧野に逢いたくて、何度、“日本に帰国してぇ‼”と、思った事か…。
其れでも、俺が、頑張って来れたのは、牧野との将来を、見据えて居たから…だ。
其れが、何もかも無く成るので在れば…。
別に、NYに戻る必要はねぇだろ。
何で、寄りにも寄って、『赤札』…何だよ。」と…。
だからだったのかも知れない。
総二郎とあきらは、司に、何も、言えなかったのだ。
何故なら…。
司の辛さが分かったから…だったのだ。
だが、類は、そんな司を、『類』成りの励まし方で、司を励まし始めるのだった。
「だったら…。
司は、如何するの?
もう、NYに戻らないの?
司は、今の牧野の気持ちが、俺に傾くと、思って居るんでしょ‼
だからこそ…。
司は、牧野の傍に居たいんでしょ‼
だから…。
NYに戻りたく無いんでしょ‼
でも、司が、そんな事をしたら…。
もし、牧野の記憶が、過去に戻って居なかったとしたら…。
牧野が、こんな形に成って居なかったら…。
きっと、牧野は、司を怒って居ただろうね。
牧野は、司に、“何、弱気な事を言ってんのよ‼”って…言って居たと思うよ。
だからこそ…。
司は、NYに戻るべきだよ。
俺は、司から、牧野を取る気も無いし…。
結局、牧野も、司を選ぶと思うよ。
其れに、牧野の記憶が、元に戻った時に、牧野が困る様な事だけは、俺はしたく無いし…
ね。
だから…さ。
心置き無く…。
NYに戻りな‼」と…。
だが、此の時の司は、例え、類からそう言われても、納得出来て居なかったのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、類に言えた言葉だったのだ。
「其れは、類の考えで在って…。
牧野の想いは、類には、分かんねぇだろ?」と…。
だが、類は、飄々と、司に言って除けるのだった。
「俺には、牧野の想いは、分かるよ‼
だって…さ。
俺は、牧野の『ソウルメイト』だから…ね。」と…。
其処で、司は、不機嫌な顔付きに成るのだった。
悪態を突き乍ら…。
「チェッ‼
うっせぇよ‼」と…。
何故なら…。
司は、まるで、類から、「牧野の恋人で在る 司よりも、自分自身の方が、牧野の気持ちは、良く分かってるよ‼」と、言われて居る様にも、思えたから…だったのだ。
だからこそ…。
此の時の司は、思って居たのだ。
“類は、何時も、飄々と、『ソウルメイト』という言葉を、言いやがる。
しかも、自慢気に…。
腹が立たねぇ方が、可笑しいだろ。”と…。
だが、次の日…。
司が、つくしの見舞いに訪れた際…。
司には、予期して居なかった事が起こるのだった。