自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく> 40.
つくしは、桜子から、自身の過去を聞いた時…。
信じられない気持ちで一杯だったのだ。
何故なら…。
つくし自身の記憶の中では、赤札当時で止まって居るのだ。
そして、其の当時のつくしは、司に対して、敵対心で居たのだ。
“そんな私が、道明寺に想いを寄せるのだろうか?”と、事実、此の時のつくしは、思って居たのだ。
だが、其の後、司の姉で在る 椿から、自身の過去を聞かされたのだ。
其の自身の過去と言うのが…。
つくし自ら、司の姉で在る 椿に、司に対する『愛の告白』をして居たと言うのだ。
そして、尚且つ、あの時の司の独り言が、自身への『愛の告白』と、司の姉で在る 椿から、聞かされたのだ。
そして、其の時の司の独り言を聞いて居たつくしは、司の涙声と辛そうな悲し気な声を聞いて居たのだ。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、信じられない気持ちで居たのだが…。
“もしかしたら、有り得る話なのかも知れない。
道明寺のお姉さんが、私に、嘘を言う様には、見えなかった。”と、此の時のつくしは、思える迄に、成って居たのだ。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、司の姉で在る 椿の事を、『姉』の様に、感じるのだった。
なので、其れからのつくしは、そんな司の姉で在る 椿の事を、自然な形で、『姉』の様に、慕い始めるのだった。
そして、椿が、LAに戻った後のつくしは、T3の力を借りて、リハビリに励んで居たのだ。
そして、其のつくしの頑張りが実ったのか?
数か月後には、退院の日が決まったのだ。
そして、其の退院の日に、つくしを迎えに来たのは、タマだったのだ。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、驚愕するのだった。
何故なら…。
此の時のつくしにとって、当然では有るのだが…。
“私を迎えに来るのは、(自身の)パパとママだろう。”と、思って居たのだ。
だが、つくしを迎えに行く為に、此処(道明寺総合病院のつくしが入院して居るVIP専用病室)に来たのは、紛れも無く、タマだったのだ。
実は、現在のつくしの記憶の中には、タマは、存在して居ないのだ。
勿論、椿からは、タマの情報は聞いて居たのだ。
だが、云わば…。
此の時のつくしの中では、此の場に居るタマが、其の椿から聞いて居たタマの情報と、一致して居なかったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、思って居たのだ。
“此のお婆さんは、一体、誰なのだろうか?
メイド服の様な服を着て居るけど…。”と…。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、思わず、言ってしまったのだ。
「あのぉ~?
お婆さん…。
何故、此処(道明寺総合病院のつくしが入院して居るVIP専用病室)に…?
場所を間違えて居ませんか?」と…。
だからだったのだろう。
此の時のタマは、そう言って来たつくしを、睨み付けるのだった。
そして、此の時のタマは、そんな風に、驚愕して居るつくしに、言って除けるのだった。
「あたしゃ…。
道明寺邸にて、60余年、仕えて来た使用人頭のタマという者ださね。
タマは、つくしが言う様な唯のお婆さんじゃ無い。
其れに、タマは、つくしの様な孫を持った覚えも無いださね。
タマは、つくしの事を、孫の様に可愛がって居たが…ね。
だが、つくしから、『お婆さん』と、呼ばれる筋合いも無い。
椿お嬢様から、タマの事を聞いて無いのかい?」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、思って居たのだ。
“此の方が、『タマさん』だったんだぁ~?”と…。
なので、此の時のつくしは、素直に、タマに、謝るのだった。
「いいえ、聞いてました。
申し訳在りませんでした。」と…。
なので、其処で、タマは、嘗てのタマの様に、つくしを見る目が優しく成り、つくしに訊き始めるのだった。
「つくし…。
タマは、今のつくしの事を、聞いて知ってるださね。
だから…。
つくしは、何も気にし無くても良いださね。
タマは、此れ迄、つくしの事を、名前で呼んで来た。
だからこそ…。
タマは、此れからも、つくしの事を、つくしの名前で呼んでも良いのかい?」と…。
だからだったのだ。
“(タマを)怒らせてしまった。”と、思って居た此の時のつくしは、ホッとしたかの様な顔付きに成り、タマに、返答するのだった。
そして、此の時のつくしは、タマに、訊き始めるのだった。
「はい。
大丈夫です。
私は、何と、お呼びしたら、宜しかったでしょうか?」と…。
だからだったのだ。
此の時のタマは、包み隠さず、つくしに、話しし始めるのだった。
「つくしは、道明寺邸で、一時、司坊っちゃん専用使用人をして居たんだよ。
だから…。
其の関係で、つくしは、タマの事を、『先輩』と、呼んで居た。
タマが、そう呼ばせて居たんだよ。
其れに、道明寺邸の使用人の全てが、タマの事を、『先輩』と、呼んで居る。
だが、此れからのつくしは、道明寺邸の使用人では無い。
だからこそ…。
タマの事は、つくしが呼びたい様に呼んでくれて構わない。」と…。
其処で、つくしは、タマからのそんな話しを聞いて、更に、驚愕するのだった。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、更に、訊かずには居られなかったのだ。
「でしたら…。
私は、『タマさん』と、お呼びしたいです。
ですが…。
私が、道明寺専用使用人をして居たんですか?」と…。
なので、此の時のタマは、自身の呼び名を了承し乍らも、そう訊いて来たつくしに、飄々と、話しし始めるのだった。
「ああ、分かった。
其れで、構わないよ。
其れに、何度も言うが、そうだよ。
つくしを、坊っちゃん専用使用人にしたのも、タマだったけど…さね。
此の時の司坊っちゃんは、タマに、感謝して居たださね。」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、自身の過去に、更に、驚愕するしか無かったのだ。
だからこそ…。
此の時のつくしは、驚愕のまま、更に、思うのだった。
“何が、如何成ったら…。
私の此れ迄の人生は、こんな波瀾万丈な状況に成る訳…?”と…。
其処で、タマは、更に、つくしが驚愕する様な話しをし始めるのだった。
「という訳で…。
つくしは、今から、道明寺邸に向かうださね。
此処(道明寺総合病院)を退院したつくしの此れからは、道明寺邸で、療養してもらう。
つくしは、司坊っちゃんの貼った赤札のせいで、こんな形に成ったださね。
だからこそ…。
道明寺邸で、療養して、完全に治して貰うよ。
其の方が、良いださね。
道明寺邸と道明寺総合病院は、直結して居るから、連絡が取り易い。
其れに、此の事は、つくしの両親も、納得為さって居るそうだから…。
だからこそ…。
つくしは、奥様からの命令には、従って貰うださね。
此れは、奥様からの命令だ‼
奥様からの命令は、絶対ださね。
良いさね。
つくし…。」と…。
だからだったのだろう。
つくしは、思わず、心の中で、叫んで居たのだ。
“そんな…。
パパとママからも、何も聞いて無いよぉ~。”と…。
勿論、そんなつくしの心の声は、タマにも、聞こえて居たのだが…。
だからだったのだ。
此の時のタマは、そんなつくしに、呆れて居た事は言うまでも無かったのだ。
“つくしは、相変わらずださね。”と…。
そして、其の後のつくしは、否応無しに、タマに寄って、リムジンに乗せられ、道明寺邸に連れて来られて居たのだった。