TEL【自惚れ~うぬぼれ~】…<つかつく> 番外編
【『あきらの司への思い【自惚れ~うぬぼれ~】…<つかつく> 番外編』のエピロー
グ】
英徳学園内に在る カフェテリアのF4ラウンジにて、つくしと話しした翌日のあきらは、勿論、つくしと話しした事を、司に連絡して、伝えて居たのだ。
勿論、リモートだった事は言うまでも無かったのだが…。
其処で、司は、そう伝えて来たあきらに、返答とお礼の言葉を口にするのだった。
「ああ、分かった。
あきら…。
色々と、サンキュな!」と…。
だが、そう自身に返答して来た司の顔色に、何処か、元気が無い様に見受けられたあきらは、そんな司を心配するのだった。
だからこそ…。
此の時のあきらは、そんな司に、訊いて視るのだった。
「如何した、司…?」と…。
其処で、司は、幼馴染で親友のあきらだからこそ、話しし始めたのだ。
「あぁ~。
“何でも、ねぇ‼”って、言いてぇ処…何だけどなぁ~。
“後、少し…。”と、思えば思う程…。
今の俺には、今の此の状況が、辛ぇんだわ。
“牧野に、一日でも早く、会いてぇ‼”と、思えば思う程、焦って…よ。
“牧野の声を聞きてぇ‼”と、思えば思う程、気持ちが先走りして…よ。
だから…な。
あきらの説得で、もし、牧野の方から、本当に、TELを掛けて来てくれるなら…。
嬉しいんだけど…な。」と…。
其処で、あきらは、考えて居たのだ。
“やっぱり…な。
そんな事だろうと、思ったぜ‼
『司が、そろそろ、限界…何じゃねぇの?』と、俺が、推測した通りだったな。”と…。
だからだったのだろう。
あきらは、司に、話しし始めたのだ。
「なぁ~、司…。
お前、牧野に対して、臆病に成り過ぎてねぇか?
『強気の司』は、何処に行ってしまったんだよ⁉
お前は、元々、受け身の人間じゃねぇだろ?
相手に向かって行く人間だったろ?
そりゃあ、其の事で、高等部時代の司と牧野は、良く、喧嘩してた。
けど…よ。
そんな司だったからこそ…。
あの頃の牧野は、司の事が好きに成ったんじゃねぇの?
少なくとも、俺には、そんな風に、見えてたけど…な。
だから…よ。
牧野からのTELを、唯、待つんじゃ無くて…よ。
お前の方からも、TELを掛けて視ろよ‼
其の方が、今のお互いの想いも、通じ合うだろうし…な。」と…。
其処で、司は、唯、生返事の様な返答を、あきらにするのだった。
「ああ。」と…。
実は、司には、つくしに対して、自信が無かったのだ。
如何しても、其の事に関してだけは、拭い切れて居なかったのだ。
あきらには、そんな司の様子は、気が付いて居たのだが…。
そして、其の後のつくしは、昨年同様、其の年の『母の日のプレゼント』を、如何するのか?
あきらと桜子の助言を受けて、相談する為に、司に、TELを掛けて視る事にしたのだった。
勿論、つくしが、司に、TELを掛けたのは、昨年同様に、アドレスに、『俺様』とだけ登録されて居る携帯から、『ビデオ通話』だった事は言うまでも無かったのだ。
そして、つくしは、其の年も、昨年同様に、5月のGWに入って直ぐ、司に、TELを掛けて居たのだった。
勿論、司は、つくしがTELを掛けて来た理由が、“『母の日のプレゼント』を、如何するのか?”と、言う事位は、分かって居たのだ。
だが、『ビデオ通話』だったと言う事も有り、つくしの声だけじゃ無く、画面越しだとしても、つくしの顔まで、見る事が出来たのだ。
だからだったのだ。
此の時の司は、嬉しくて仕方無かったのだ。
例え、あきらから、此の件に関して、つくしとの話しの詳細を聞いて居たとしても…。
だが、あきらからの助言も有り、此の時の司は、“『母の日のプレゼント』を、如何するのか?”と、言う話しだけじゃ無く…。
近い将来、自身が、日本へ帰国する事も、つくしに伝えて居たのだ。
「なぁ~、牧野…。
俺なぁ~。
今のプロジェクトが成功したら、日本に帰国する事に成ってんだ。
牧野…。
俺の帰りを、(道明寺)邸で、待って居てくれねぇか?
今迄の俺とお前は、NY⇔東京間で、離れて暮らしてた。
だから…よ。
幾ら、周りから、お前は、“司(俺)の婚約者だ‼”と、聞かされても、“そう何だ‼”…位ぇ
にしか思って無かったろ?
けど…よ。
お前が、実感無くても、仕方ねぇんだよな。
お前の相手で在る 俺は、東京に、居ねぇんだから…よ。
だから…な。
俺が、日本に帰国したら、色々な事を、話しして行こうぜ‼
だから…な。
俺が、日本に帰国しても、お前は、道明寺邸で、俺と一緒に、暮らして欲しい。
良いよな、牧野…。」と…。
実は、つくしは、タマからも、言われて居た事が有ったのだ。
「つくしは、司坊っちゃんが、日本に帰国したら、此処(道明寺邸)を出て行くつもりだっ
たんじゃ無いのかね?
でも、其れは、既に、許される事じゃ無いさね。
奥様は、其のおつもりで、つくしに、レッスンを受けさせて、お出で何だよ。
もし、つくしが、奥様を裏切る様な事が有ったら…。
タマも、つくしを、許さないさね。」と…。
だからだったのだ。
つくしは、此れ迄、其のつもりで、道明寺邸にて、暮らして来たのだ。
もし、つくしが、道明寺邸を出る気だったとした成らば…。
もう既に、お暇(おいとま)して居ても可笑しく無かったのだ。
だからこそ…。
此の時のつくしは、司に言えた言葉だったのだ。
「道明寺邸で、私が、道明寺と一緒に暮らすにしても、『一つ屋根の下』…と、いう意味よ
ね?
私にも、部屋は、与えられてるの。
幾ら、道明寺と私が、婚約者だと言っても、まだ、同室という訳にはいかないわよ。
私には、道明寺に対する印象は、最悪なまま何だから…ね。」と…。
だからだったのだ。
司は、そんなつくしからの言葉が聞けた事で、ホッとしたかの様に、つくしに、言って除けるのだった。
「其れ位ぇ、分~ってるよ。
此れからの俺は、お前からの信用を取り戻す為に、頑張る。
だから…。
なぁ~、牧野…。
俺の事、見ててくれ‼
そして、俺の傍に、ずーっと、居てくれ‼」と…。
此の時の司は、まるで、つくしに、訴えるかの様に、話しして居たのだ。
だからだったのだろう。
此の時のつくしも、生半可な気持ちじゃ無く…。
真剣な気持ちで、司に、返答して居たのだ。
「うん、分かった。」と…。
そして、其の後の司とつくしは、それぞれの近況報告を行って(おこなって)居たのだ。
司は、NYでの最後のプロジェクトの事…。
そして、つくしは、英徳学園での大学生活の事…。
また、桜子との大学生活の事…。
T3との事…等を、話しして、司に聞かせて居たのだ。
そして、司とのTELでの会話は、思いの外、此の時のつくしにとって、楽しくて仕方無かったのだ。
本来のつくしは、司とのTELでの会話は、“気拙く成るのでは無いだろうか?”と、思って居たのだ。
だからこそ…。
此の一年の間…。
5月と6月の『母の日のプレゼント』と『父の日のプレゼント』の相談事以外、司に、一切、TELして来なかったのだ。
其れは、総二郎やあきらや滋や桜子から、聞かされ続けて来たのだ。
“司(道明寺さん)と牧野(つくし・先輩)は、ぶつかる事が多くて、良く、喧嘩して居
た(居ました)。”と…。
だからだったのだ。
つくしは、思って居たのだ。
“道明寺とTELで話ししても、どうせ、喧嘩に成るだけだろう。”と…。
ところが、今回の司とのTELでの会話は、思いの外、楽しめたのだ。
だからこそ…。
つくしは、“また、道明寺と、TELで話ししても良いかも…。”と、思えて居たのだ。
言う成れば…。
此の状況は、“牧野に嫌われたくねぇ‼”と、思う司の努力有っての賜物だったのだ。
まだ、此の時のつくしには、そんな司の努力に関して、気付けて居なかったのだが…。
なので、其の後の司とつくしは、あきらからの助言のお陰で、司が、日本に帰国して帰って来る迄、お互い、何方かが、TELを掛ける様に成って居たのだ。
そして、司は、つくしの顔を見て、声を聞いて、NY最後のプロジェクトを、無事熟して居たのだった。
そして、司は、あきらに、宣言して居た通り…。
夏の終わりを告げる頃…。
漸く、司は、日本に帰国して帰って来たのだった。
PS.
其の後、そんな話しを、司の秘書で在る 西田から聞いた司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓は、あきらと桜子に、感謝して居たのだ。
そして、つくしのお陰で、司が、NY最後のプロジェクトを熟せた事も、感謝して居たのだ。
そして、此の時の司の母親で在る 道明寺HD 社長 道明寺楓は、思って居たのだ。
“つくしさんは、やっぱり、司の心の支えに成って居るのね。”と…。
fin