花火大会~打ち上げ花火~【泣かずに居られるのなら】…<つかつく> 番外編②
つくしは、あやめが寝る頃迄には、道明寺邸に帰宅したのだった。
時間で云えば…。
21時頃の事だったのだ。
此の日のつくし達 T4は、18時に集まって居たので、つくしからすれば、3時間だけの外出だったのだ。
まだ、幼いあやめの為、つくしは出来るだけ、あやめの寝かせ付けを、自身が担当したかったのだ。
所謂、あやめの傍に居て、あやめと添い寝をし乍ら、あやめの就寝を促して上げたかったのだ。
何故なら…。
航の時には、自身が、航の傍に居られなかったのだから…。
だからだったのかも知れない。
つくしは、あやめの子育てを、積極的に、熟して居たのだ。
だからこそ…。
此の日のつくしも、早目の帰宅と成って居たのだ。
そして、此の日のつくしが、道明寺邸に帰宅すれば、既に、あやめは、タマと一緒に、お風呂に入った後だったのだ。
其処に、つくしが、帰宅したという訳…だったのだ。
なので、此の日のつくしは、タマから、バトンタッチをするかの様に、あやめと一緒に、ベッドルームに入ったのだった。
そして、此の日のあやめは、ママ(つくし)とお風呂に入れなかった事で、寂しがって居たのか?
つくしに抱き着き乍ら、就寝して居たのだ。
そして、あやめを寝かし付けた其の後のつくしは、タマから、此の日のあやめの様子を聞いて居たのだ。
実は、此れ迄の道明寺家では、もし、司とつくしの帰宅が遅く成る時は、何時も、航が、自身の妹で在る あやめの傍に居て、面倒を看て来たのだ。
其れも、初等部の頃迄の航だった事は言うまでも無かったのだが…。
だが、ここ最近、中等部に進級したばかりの航は、部屋に閉じ籠ったままだったので、此の日の航も、勿論、あやめの傍に居る事は無かったのだ。
なので、此の日のつくしも、外出して居た為に、あやめの傍に居ない。
航も、部屋に閉じ籠ったままで、あやめの傍に居なかった事で、此の日のあやめも、『航』恋しさに、シクシクと、泣いて居たのだった。
そんな話しを、タマから聞いたつくしは、また、溜息を吐いて居たのだ。
「はぁ~⤵。」と…。
だからだったのかも知れない。
タマは、つくしに、話し掛けるのだった。
「つくし…。
航坊っちゃんは、自分自身の世界を見付けられたんじゃ無いのかい?
司様の頃に比べれば、航坊っちゃんは、可愛いもんだよ。
今は、そーっとして置いてお遣り‼」と…。
其処に、司が、F3と別れて、道明寺邸に帰宅して帰って来たのだ。
だからだったのだろう。
つくしとタマの話しを、此の時の司が、チラッと、聞いて居た事で、二人の話しに、割って入って来たのだった。
愚痴っぽく…。
「航が、如何かしたのか?
てめぇの妹のあやめの面倒も、航は、看れねぇのか?」と…。
だからだったのだ。
つくしだけじゃ無く、タマも、そう言って来た司に、呆れ始めるのだった。
つくしは、溜息を突き乍ら…。
「はぁ~⤵。
司…。
航を、怒らないで…よ。
今の航は、思春期に突入したんだから…。
今の航の成長過程には、『思春期』というモノは、尤も、必要な時期…何だから…ね。
今の航は、親から、自立し様としてるんだから…ね。
航を、そーっとして置いて上げてよね‼」と…。
そして、タマも…。
「中等部当時の司様に比べれば、航坊っちゃんは、月と鼈(すっぽん)でしょ?
其の当時のタマは、中等部の頃の司様に対して、如何して遣ったら良いのか?
随分、悩んで居た位ださね。
だからこそ…。
楓様の申し出に寄り、道明寺邸に戻って来たタマは、つくしと知り合った高等部当時の司
様を見て、驚愕したださね。
180度、全く、別の人物に成って居たんだから…さね。
そりゃあ、驚愕し無い方が、無理ってもんださね。
其れに比べて、航坊っちゃんは、唯、家族が、煩わしいだけの様ださね。
つくしにも、言って居た所だったんだが…。
だからこそ…。
今の航坊っちゃんを、陰から、そーっと、見て遣る位の度量が無いと、航坊っちゃんの父
親は、務まらないださね。」と…。
だが、司は、司で、今の航には、言いたい事も、山程、有ったのだ。
だからだったのだろう。
此の時の司は、怒鳴る様に、つくしとタマに、言って除けるのだった。
「あのなぁ~。
今の航は、我が儘を、言ってるだけに過ぎねぇだろ?
てめぇの妹の面倒が看れねぇ様で、兄貴と云えるか?
航とあやめの二人の兄妹の歳の差が離れてるからこそ…。
『妹』っつーもんは、可愛いんじゃねぇのか?
あきらん家(ち)の双子の妹等も、あきらとは、歳が離れてる。
双子の妹等が、まだ、小せぇ頃は、あきらも、可愛がってた。
そんなもんじゃねぇのか?」と…。
其処で、タマは、更に、司に言って除けるのだった。
「司様…。
何を仰ってお出でださね?
我が儘を言ってお出でだったのは、他でも無い。
其れは、司様の方でしょ‼
何時も、暴力を振るい、自身が気に入らなければ、喧嘩ばかりの毎日…。
人を人と思わず、誰彼無しに、自分自身の思い通りに動かそうとする。
其れは、まるで、王様の様でしたよ。
其れに、司様が、中等部だった頃…。
同級生を入院させる様な大怪我を負わせた事を、司様は、お忘れですかい?」と…。
だからだったのだ。
つくしも、タマの話しに、参戦し始めるのだった。
「司が中等部だった頃の其の話…。
私も、聞いた事が有るよ。
相当、酷かったらしいね。
其の生徒は、其の後、退院して、“神戸の高校に転校した。”って、聞いたよ。
まぁ~、私が、英徳(高校)に入学した頃も、既に、司は、『英徳(学園)の王様』と、
言われて居たけど…ね。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の司は、此の場が、居た堪れない状況だったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の司は、舌打ちして居たのだった。
「チェッ‼」と…。
だが、続け様に、司は、言って除けるのだった。
怒鳴るかの様に…。
「うっせぇわ~‼
二人して、俺を責めんじゃねぇよ‼
いい加減にしろよ‼
航の父親としての威厳っつーもんも有んだよ‼
俺に、任せて置けば、良いんだよ‼」と…。
だが、此の時のつくしは、密かに、思って居たのだった。
“其の航の父親で在る 司に、任せる事が怖いから、「そーっとして置いてお遣り‼」って、
タマさんが、言ってくれてるのに…。”と…。
其処で、つくしは、話しを変え様と、司に、或る提案の話しを、切り出し始めるのだった。
「ねぇ~、司…。
滋さんから提案が有ったんだけど…。
花火大会の日に、大河原グループのビルの屋上から、“打ち上げ花火を観様よ‼”っ
て…。
其の時に、航も誘って…さ。
航のストレスも、解消するかも知れないし…。
如何、司…?
行って視ない?」と…。
だからだったのだろう。
此の時の司は、或る事を思い付くのだった。
なので、此の時の司は、つくしに、言って除けるのだった。
「だったら…よ。
F4&T4のメンバーと、航とあやめも入れて集まれば、良いだろ?
あきらにも、此の事は、伝えて置くわ。」と…。
だからだったのだ。
つくしは、つくしで、司に、伝えて置くのだった。
「分かった。
私からは、航と滋さんに伝えて置くね。」と…。
だからだったのだ。
翌日の司は、此の件に関して、あきらに、LINEを送るのだった。
だからだったのだろう。
司から送付されて来たそんなLINEを観たあきらは、密かに、思って居たのだった。
“こう言う事は、全て、俺の仕事にされるんだよな。
いい加減にしろよな‼
遣らされる方は、堪ったもんじゃねぇんだぞ‼”と…。
だが、そう思い乍らも、あきらは、F4&T4のグループLINEに送信するのだった。
正しく、其れが、『あきら』という人物だったのだ。
頼まれた事は、全て、卒なく、遣り遂げる。
だからこそ…。
そんなあきらを、F3だけじゃ無く、T4も、信頼し、頼りにするのだった。
そして、翌朝のつくしは、英徳学園 中等部に通学前の航に、此の件の話しを、伝えるのだった。
やはりと言うべきか?
つくし自身が予想して居た通り…。
つくしから、此の話しを聞いた最初の頃の航は、拒否って居たのだ。
だが、つくしは、根気良く、航を説得するのだった。
「夏休みに入ってからだし…。
打ち上げ花火を観れば、其の壮大さに、癒されると思うよ。
ねぇ、航…。
一緒に、観に行こうよ‼」と…。
だからだったのだろう。
此の時の航は、しつこく言って来る自身の母親で在る つくしに対して、面倒臭く成って、言ってしまったのだ。
「分かったよ。
行けば、良いんでしょ‼」と…。
其処で、漸く、航からの了承の言葉が聞けた事で、もう既に、30歳も過ぎた年齢だというのに…。
此の時のつくしは、燥ぎ始めたのだ。
燥ぐ母親 と 冷静な息子…。
此の時の航は、思って居たのだ。
“どっちが、親だよ⁉”と…。
なので、リムジンに乗車してからの航は、クスッと、笑って居た事は言うまでも無かったのだった。
そして、其の後のつくしは、滋にも連絡を入れた事で、花火大会の日のF4&T4&航&あやめは、大河原グループのビルの屋上にて、打ち上げ花火を観る事に成ったのだった。