自惚れ~うぬぼれ~【自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>】…<総優> 番外編②
実は、此の時の優紀は、自身の心の声を発してしまうのだった。
「やっと、西門さんを忘れられたのに…。
如何して、私の目の前に現れたんですか?」と…。
そんな優紀の呟きとも云える心の声を、此の時の総二郎は、しっかり、聞き取って居たのだ。
だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、優紀に、訊けたのかも知れない。
「俺の事を、“やっと、忘れられた。”って…如何いう意味だよ?
其れじゃあ、まるで、つい最近迄は、俺の事を、“好きだった。”と、言ってる様なモンだ
ろ?」と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、そんな風に、総二郎から訊かれた事で、「えっ⁉」と、言い乍らも、総二郎に、返答するのだった。
此の時の優紀は、既に、席を立ち乍ら…。
「ご想像にお任せします。
では、私は、此れで、失礼します。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、実は、素早かったのだ。
何故なら…。
此の時の総二郎にとって、司からの厚意を無にしたく無かったのだ。
だからこそ…。
此の時の総二郎は、優紀が、席を立ったと同時に、素早く、自分自身も、席を立ったのだ。
そして、此の時の総二郎は、優紀に、声を掛けたのだ。
優紀の背後から、優紀を抱き締めた状態で…。
「優紀ちゃん…もう、帰るのか?
まだ、話しは済んでねぇだろ?
其れに、此処から、如何遣って、帰るつもりだ?」と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、自身に、そう訊いて来た総二郎に、“当然です‼”と、言いた気に、返答するのだった。
「まだ、終電が終了した時間では無いので、此処から、電車で帰ります。
ですから、私から離れて下さいますか?」と…。
だからだったのだろう。
然も、“当然だ‼”と、言いた気に、此の時の総二郎も、優紀に、言って除けるのだった。
「俺が、“優紀ちゃんから、離れねぇ‼”と、言ったら…。
優紀ちゃんは、如何する?」と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、そう言って来た総二郎から離れ様と、藻掻き乍らも、返答するのだった。
「終電が終了してしまったら、帰れなく成るので、離れて下さい。
お願いします。」と…。
其処で、此の時の総二郎は、優紀に、言って除けるのだった。
「何もしねぇから…。
今日は、此のまま、俺と一緒に居てくれねぇか?
優紀ちゃんとは、ちゃんと、話しがしてぇ~。」と…。
其れは、まるで、此の時の総二郎にとっては、優紀に、懇願するかの様…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は、観念したかの様に、総二郎に、訊き始めるのだった。
「本当に、何もし無いんですね?
お話しだけ何ですよね?」と…。
だからだったのだ。
此の時の総二郎は、力無く、優紀に、返答するのだった。
経った一言だけ…だったのだが…。
「ああ。」と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、藻掻いて居た自身の身体の力を弱めて、総二郎に返答するのだった。
「分かりました。」と…。
なので、其の後の総二郎と優紀は、向き合った状態で、それぞれ、ソファに座ったのだ。
だからだったのだろう。
其の後(あと)の総二郎は、優紀に、声を掛けるのだった。
「優紀ちゃん…ちょっと、訊きてぇんだけど…な。
さっき、優紀ちゃんが言った、“ご想像にお任せします。”って、やつ…。
優紀ちゃんは、“つい最近迄、俺の事を、好きだったんじゃねぇか?”って、俺は、思って
んだけど…よ。
ほんとの処…如何、何だよ?」と、期待を込め乍ら…。
そして、暫くの間、返答の言葉を模索するかの様に、返答する事が出来無かった優紀…だったのだが…其の後、漸く、口を開くのだった。
「高校生だった頃は、受験勉強をし無ければ成らなかったので、受験勉強以外に、現(うつ
つ)を抜かして居る時間も無く、西門さんの事を、忘れる事が出来て居たんです。
ですが、大学生に成り、時間が出来る様に成って、ふと、考え事をして居たりすると、必
ず、私の頭の中に、西門さんが出て来る様に成ったんです。
そう言う時は、必ず、決まって、私の気が抜けて居る時の様で、油断して居ると、西門さ
んが、私の頭の中を過るんです。
そして、私は、また、後悔するんです。
“また、思い出しちゃった。
早く、西門さんの事を、忘れなきゃ~。”って…。
時には、自分自身の頭を抱えたりもしました。
“西門さん…。
私の頭の中に出て来ないで…。
過らないで…。”って…。
其の当時の私は、毎日が、そう言う事の連続だった様に思います。
だから…。
其の当時の私は、西門さんの事を、好きだったのだと、思います。」と…。
其処で、此の時の総二郎は、更に、そう言って来た優紀に、訊くのだった。
「じゃあ、今の優紀ちゃんは、如何、何だよ?」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は、真剣な顔付きに成って、自身に、そう訊いて来た総二郎に、“嘘を言っても、今の西門さんには、私の嘘は、通用し無いのかも…。”と、思った事で、総二郎に、正直に、話しし始めるのだった。
「もしかしたら、今も、私の心の奥深くでは、西門さんの事を、忘れて居ないのかも知れま
せん。
此れ迄の私は、必死に成って、“西門さんの事を、忘れなきゃ…。”って、思って来ました
から…。
だからだったのかも知れません。
“西門さんから言われた様に、一日も早く、良い恋愛をし無きゃ…。”と、焦って居る自分
自身が、私の中に居た事は、事実です。」と…。
だからだったのだ。
此の時の総二郎は、急に、席を立ち、やっと、自分自身に、そんな話しをしてくれた優紀が座って居るソファの隣の席に、勝手に座り始めたのだ。
優紀の了承を得ないまま…。
だからだったのだろう。
此の時の優紀は、そんな総二郎の行動に、驚愕するのだった。
だからだったのだ。
此の時の優紀の顔付きは、驚愕顔だったのだ。
なので、此の時の総二郎は、そんな顔付きの優紀に、本心は、笑いそうに成って居たのだが、其れでも、何時ものポーカーフェイスを崩す事無く、此の時の総二郎は、優紀に、言って除けるのだった。
「だったら、良い恋愛をするのは、俺にしとけ‼
優紀ちゃんの話しを聞いて居て、俺は、解釈した。
今の優紀ちゃんには、男は、居ねぇよな?」と…。
勿論、其の後(あと)の此の時の総二郎の行動は、優紀の腕を掴んで、驚愕顔のままの優紀を包み込むかの如く、自分自身の腕の中で、優紀を抱き締めて…だった事は言うまでも無かったのだ。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、総二郎の腕の中で、「えっ??」と、返答するかの様に、驚愕声を出して居たのだ。
だからだったのだ。
此の時の総二郎は、少し、不貞腐れ気味に、更に、優紀に訊き始めるのだった。
「何だよ⁉
優紀ちゃんには、男が居んのかよ?」と…。
其処で、優紀は、思わず、総二郎に、言ってしまったのだ。
「えっ??
居ませんけど…。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、そんな風に、返答の言葉を言って来た優紀を、更に、きつく抱き締めて、言って居たのだ。
「だから…な。
良い恋愛するんだったら、“俺にしとけ‼”って、言ってんだよ。
高等部のガキだった俺が、優紀ちゃんに言った話しは、忘れろ‼
あの頃のガキだった俺が、優紀ちゃんに言った話しは、強がりで言った話しだよ。
其れに、もし、今の優紀ちゃんに、“男が居る。”って、聞かされても…。
俺は、全力で、優紀ちゃんを男から引き剥がすつもりだったけど…な。
けど…よ。
優紀ちゃんに、男が居なくて、良かったわ。」と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀の顔付きは、更に、驚愕顔…だったのだ。
そして、此の時の優紀は、更に、自身の目を大きく見開き、少し、緩く成った総二郎の腕の中から、自身の顔を上げて、総二郎の顔を観たのだった。
そして、此の時の優紀は、不思議そうな顔付きに変わり、総二郎に、訊き始めるのだった。
「其れって、如何いう意味ですか?」と…。
だからだったのだ。
此の時の総二郎は、密かに、思って居たのだった。
“此れで、やっと、優紀ちゃんの中に在った 俺からの洗脳は、解けた(ほどけた)だろう
な。”と…。
だからだったのだ。
意気揚々と、勝ち誇ったかの様な顔付きに成った総二郎は、優紀に、言って除けるのだった。
「だから…な。
俺と優紀ちゃんは、今日から…。
否、今の今から、付き合う事が決定したって、訳だ‼
良いよな、優紀‼」と、態と、『優紀』呼びで呼び乍ら…。
そして、此の時の優紀の返答の言葉は、総二郎の腕の中での絶叫の返事…だったのだ。
「えっ~~??」と…。
<此の二次小説『自惚れ~うぬぼれ~【自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>】…<総優>
番外編②』の一部の文面に、不快に思われるやも知れない言葉が入って折ります。
了承の程、宜しくお願い致します。>