助け出したい…<つかつく> 10.
<司side>
西田が出て行った後…。
俺は、西田に負けた感MAXだった。
だが、西田は、俺の事を理解しての事だから、“仕方ねぇ‼”と、俺は、割り切れた。
それに、あのあいつの後輩ドクターに、俺の記憶は、取り戻してもらえた様なもんだから…な。
俺が入院していた当初から…。
多分だが…。
あいつ(つくし)が、俺の執刀医➡主治医に成って居たら、“未だ、俺の記憶は取り戻せて居ねぇ‼”って事は、俺だって、分かり切っている事だったし…。
“西田の件は…。
今回は、良しとして遣るか?”と、俺は、思って居た。
<つくしside>
此れは、如何言う意味よ‼
何故、私が、あいつの主治医に成らなきゃいけないの?
そうじゃなくても、忙しいのに…。
あいつに手間を取らされるだけじゃないの⁉
ああ~、文句言わなきゃ、遣ってられない‼
私は、あいつの気が知れなかった。
そして、私は、あいつに呼び出しされて居た。
「此れは、一体、如何言う意味でしょうか?」
「何が…だ?」
「道明寺さんは、女性の担当は、お嫌じゃなかったんでしょうか?」
「お前だけは、特別だ‼
俺様が許可して遣るよ‼」
「はぁ~??」
「俺の担当だと、嬉しいだろ?」
「………」
私は、首を捻りながら、何も言わなかった。
「何だよ?
今の仕草は…よ?
俺の担当は、嫌ってか?」
「嫌では有りませんが、大変そうなので…。」
“嫌っ‼”って、言えば、大変な事が起こりそうだったので、敢えて、“嫌だ‼”とは言わないで於いた。
流石の『俺様 司様』には、疲弊しない様に、廻る事しか、私の頭には無かった。
「お前ぇ、くれぇだろ⁉
俺様の様に、超絶良い男の担当を蹴ろうと考える奴は…⁉」
「そうですね。」
だからなのか、あいつの言葉に、敢えて、肯定して遣った。
何故なら、“貴方の言い成りには成らないぞ‼”と、言う私の意思表示に他ならないのだから…。
<司side>
あいつは、ほんと、相変わらず、可愛くねぇ‼
だが、あいつが首を捻る仕草を見た時…。
俺は、思わず、“抱き締めて遣ろうか?”と、思ってしまった。
あいつは、相変わらずの、『鈍感、捻くれ女だぜ‼』
それに、あいつ、ドクターだろ⁉
普通、気付かねぇか?
俺に記憶が戻ってる事を…⁉
ほんと、あいつは、いつまで経っても、幾つに成っても、相変わらず、変わんねぇな‼
<F3&T2side>
F3&T2は、司の見舞いに来て居た。
そして、ベッドを見て、主治医が、つくしに代わって居る事を発見した。
あきらが、司に声を掛けた。
「おいおい、司?
主治医が牧野に代わったんか?」
「ああ、代えて遣った。」
類が、司の変化に、一早く気付いた。
「司、記憶、戻った?」
「ああ、戻った。」
「如何遣って…⁉」
「あぁ、あいつ(つくし)の後輩ドクターの俺の前の主治医が、戻してくれた様なもん
だ。」
滋は、興味津々で、司に訊いて来た。
「へぇ、如何遣って戻してくれたの?」
「この事は、あいつには、言うなよ⁉」
「「「「了解っ‼」」」」
「了解しました。」(桜子)
司は、仕方ねぇなと、腹を括る様に言って除けていた。
「其のあいつの後輩ドクターという奴が、如何も、あいつの事を好きらしくてよ⁉
俺に記憶がねぇ事を良い事に、俺に牽制して来やがったんだよ‼
で、何故、あのあいつの後輩ドクターが俺の事を牽制して来るのか…?
あのあいつの後輩ドクターの言って居る意味が…。
あいつの記憶のねぇ俺には、普通、分かんねぇ筈なのに…。
あいつの事が気に成って仕方ねぇ俺が、其処に居た事に、俺自身が気付き出して…。
で、その事が切っ掛けで、俺の夢の中で、高校の頃のあいつの姿が鮮明に見える様に
成って来たりして…。
で、思い出したって、訳だ。」
類は、尚も、俺に訊いて来た。
「牧野は、その事、知ってるの?
司の記憶が戻ってる事…?」
司は、溜息を付きながら、F3&T2に言って居た。
「はぁ~⤵。
あいつ、鈍感だろ?
まだ、気付いてねぇんだよ⁉
だからって、お前等から、あいつに言うなよ。
俺が、あいつに気付かせてぇからよ‼」
「「「「了解‼」」」」
「了解しました。」(桜子)
F3&T2は、納得するしかなかった。