あの時と変わらない君へ…<つかつく> 3.
司は、あのつくしとの別れた雨の日以降、塞ぎ込むか、暴力を振るうかの何方かの毎日を送っていた。
毎日、タマは、疲弊していた。
また、流石の猛獣使いのあきらと総二郎も手に負えない事態に成っていた司だった。
堪り兼ねたあきらは、父親に相談して、つくしの追跡を頼んだ。
ところが、『牧野家』自体の存在が無いものとされて居た事に、何者かの力が働いて居る事を知ったあきらだった。
つくしの所在自体が分からないだけじゃなく、生きているのかさえも分からない事態に、あきらは、give up状態だった。
その事は、F2&T3に伝えられた。
流石に、司には、伝えられる状況ではないと、判断し、司に伝える事は見送られた。
その頃、司の生活振りがNYでも噂に成り、司の生活環境を変える為、楓に寄って、NYに連れて来られて居た司だった。
司の生活振りが仇と成り、道明寺HDにとって、『-』要因に、司は成り下がっていた。
NYでの司の噂と言うのが…。
道明寺HDの次期後継者は、『碌でもない男で、家系を利用しているだけのダメダメ人間』とのレッテルを張られていた。
その為、道明寺HDの株価も日に日に下がり始め、最近に至っては、最低の下がり幅に成っていた。
此れでは、道明寺HDの重役からも、当然、司の生活を改める必要が有ると認識されても仕方ない状況だった。
なので、楓に寄って、司は問答無用で、NYに連れ去られていたのだった。
そんな時、滋が、『インスタ』で、或る歌を聞いたと、T2に知らせて来た。
そして、滋ん家(ち)で、女子会を開き、T3は、その歌を聴いて居た。
「此の『インスタ』に投稿されている歌を聴いてよ‼」
滋は、『インスタ』を流した。
開口一番、優紀と桜子が、言葉を発したと同時に、声を上げて泣き出した。
先ずは、優紀が、開口一番、声を発していた。
「滋さん…。
この声は、間違いなく、つくしの声です‼」
桜子も、優紀に賛同した。
「本当に、先輩の声ですね‼」
滋は、“やっぱり…。”と、嬉しく成っていた。
「やっぱり、そうよね。
F3に伝えない?
つくしを探し出せるかも…⁉」
桜子は、滋の言葉に、賛同して居た。
「ええ、その方が良いかも…ですね?」
優紀は、“つくしが見付かるなら、私も、何か、役に立ちたい‼”と、滋と桜子に声を掛けていた。
「私に出来る事が有ったら、手伝います‼」
滋と桜子は、優紀に頷いて魅せていた。
そして、此の声質、歌詞の内容から、つくしで間違いないと認識したT3は、F3にLINEで報告した。
滋が、T3の代表で、『F3&T3LINE』に報告を入れていた。
『もしかしたら、つくしかも知れない歌声が、『インスタ』で流されて居るの⁉
調べる価値は、有りそうだよ⁉』
そして、あきらが、F3の代表の様に、滋からのLINEの返信を入れていた。
『分かった。
一度、集まろう‼』
と、言う事で、F3&T3は、集まる事に成った。
そして、F3は、滋から、例のつくしの歌声を、『インスタ』から聴かされていた。
そして、開口一番、司の次に、つくしに近い存在だった類が、声を発していた。
「この声は、牧野で間違いないね‼
やっぱり、牧野は、何処かで、生きて居たんだよ‼」
全員が、類の言葉に頷いていた。
そして、調べてみる価値は有りそうだと、或る作戦をあきらは企て始め、その事をF2&T3に報告していた。
その作戦とは…。
大学生に成っていたF3は、それぞれの家業と学業の二足の草鞋で頑張っていた。
それは、滋とて同じ事だった。
あきらは、あきらの父親に頼んで、此の『インスタ』から聴こえて来るつくしの歌声らしき人物は、誰で在るのかを調べ上げてもらって居た。
で、あきらが分かった事は、其の歌手の名は…。
『エリィー』という名で在るという事だった。
そして、あきらは、家業である美作商事の傘下の音楽関連企業のプロジェクトリーダーに成った。
態と、あきらは、家業である美作商事の傘下の音楽関連企業に入り込んだと、言っても、過言では無かったのだが…。
そして、あきらは、エリィー(=つくし)の養母が経営する芸能事務所と接触し、“エリィー(=つくし)のCDデビューの手助けがしたい。”と、申し出ていた。
実は、あれからも、あきらは、あきら独自で、あの声の主が誰で在るのかを、調べ上げていたのだった。
調べ上げた上での、あきらの行動だった事は、言うまでも無かった。