もしも類とつくしが兄妹だったら(家族編・短編)…<つかつく>後編
【道明寺つくし 編】
花沢に行く日、やっぱり、司も着いて来た。
花沢邸では使用人頭のタキさんが迎えてくれた。
「つくし様、お帰りなさいませ。」
「只今、帰りました。」
「道明寺様、坊ちゃん方、お嬢様方、いらっしゃいませ。」
「「「「こんにちは!」」」」
「はい、こんにちは。
あっ、お嬢様方が身に付けてお出でのネックレス?」
「そう、タキさん、気付いてくれたんだぁ~。」
「勿論ですとも。
そうですか、大奥様がお喜びになられますね。
最近では、少しお寂しそうになさっていらっしゃいましたから。」
「………」
お兄様の言うと通り、そうだったんだ…。
「パパとママは?」
「既に、リビングにお出でですよ。」
「有難う、行くわね。」
「はい、行ってらっしゃいませ。」
「「「「失礼します‼」」」」
私達家族は、リビングに入った。
ママが出迎えてくれた。
「つくし、お帰りなさい。」
「只今。」
ママは、娘二人のネックレスに気付いた。
「つくし………。」
ママは私を抱き締めながら泣き出した。
「私にはもう、可愛過ぎるから、この娘(こ)達に受け継いでもらったの。」
「つくし、有難う‼」
娘二人も笑顔でママ(つくしママ)を見ている。
「「お祖母ちゃま、ママから譲り受けたの、良かった?」」
「ええ、勿論よ、良いわよ。
蘭・すみれ、お祖母ちゃまね、とっても嬉しいわ。」
「「ほんと‼、良かったぁ~。
ほんとに、とっても可愛いわね、このネックレス‼」」
つくしも嬉しくて、泣いてしまった。
本当に、良い娘(こ)達に育ってくれて、つくしは感謝した。
「つくし、良い娘(こ)達に育ったな、パパ(つくしパパ)も嬉しいよ。」
「本当に‼」
そんな時だった、蘭とすみれが競い出した。
「お姉ちゃま、すみれの方がピンクゴールドだから、可愛いのよ。
お姉ちゃまの方が、大人っぽいからね。」
「すみれ、良く言うわね、この真珠が目に入らぬか?
真珠が入っているから可愛いの。」
「ルビーの方が可愛いの。」
このままだと、終わりそうにないので、私から喧嘩を止めた。
"良い娘(こ)に育ってくれた。"と、思ったのは撤回する。
パパとママは目が点だ。
「どっちも可愛いの‼
二人共、何の張り合いなの?」
「だって、お姉ちゃまのネックレスより、すみれのネックレスの方が可愛いもん。」
「すみれ、そんな処で張り合わないの‼
ママ(つくし)は悲しいわ。」
「ごめんなさい。」
「分かれば、宜しい‼」
そこに、兄夫婦が入って来た。
「やっぱり、司も来てたんだ。」
「はぁ??」
「まあ、良いけどね。
へえぇ~、蘭・すみれ、似合ってんじゃん‼」
蘭もすみれも、満更じゃないみたいで、
「「類伯父ちゃま、そう思う?」」
「思うよ。」
「とってもお似合いよ‼」
と、静お姉様にまで言ってもらえた事に良くした蘭とすみれは、
「「でしょ、でしょ‼」」
と、自慢げだった。
そんなこんなで、ネックレスのお披露目会は無事、終了(?)した。
司だけが、蚊帳の外だったのが気に入らないようだったけど…。
だったら、着いてくんなつっーの‼
そうして、花沢邸の夜は暮れて行った。
Fin
PS. 蘭が中学生くらいで、すみれが小学生くらいを想定して描いてみました。
年齢設定が無くても想像して頂きたかったのですが、大丈夫だったでしょうか?