一方通行の恋…<つかつく> 8.
<司side>
俺は、あいつの態度に、ショックを起こしていた。
パーティーの時の俺の決死の呟きにも、見向きもせず、無視されて…。
それだけじゃねぇ~‼
あいつに近寄ろうとする輩の多い事…(怒)。
俺等の周りにも、遠巻きから見られている分には、まだ、マシで…。
態と、俺に触れ様としたり、視界に入れてもらおうと、近付いて来たり…。
はたまた、喋り掛けて来やがる奴も居る。
鬱陶しい事、この上ねぇ‼
そんな、女共を追い払わねぇ不届き物が、俺の傍には2名居る。
総二郎とあきらだ‼
こいつ等は、そんな、女共を相手にしてやがる。
“鬱陶しいから、止めろ‼”ってんだ‼
総二郎とあきらが、追い払わねぇそんな女共が、鬱陶しいのは…?
俺が、無視したり、睨み付けて遣れば、態とか知らねぇが、“きゃー”と、抜かしながら、泣き真似付きで居やがる‼
だから、言って遣った。
「鬱陶しいから、あっちに行け‼」
何で、俺が、求めて止まねぇ女は、俺に近付こうともしねぇで、寧ろ、無視までしやがるのによ…。
如何でも良い女は、俺に近付いて来んだ?
あいつに、“いい加減、気付けよ‼”と、叫びたく成る心境だった。
<つくしside>
話し掛けて来るジュニアの男性が、私達 T4の傍を埋め尽くす勢いだった。
私と優紀は、困った顔をしていたが…。
滋さんは、私と優紀の傍で、そんなジュニアの男性の相手をしていた。
滋さんに、後で聞いたら…。
「私、人気無いみたいだからさぁ~。
人気者に成る為、話ししてみたの?
高感度上げれるチャンスでしょ?」
何~て、飛んでも無い事を言う滋さん…。
“驚愕しか無いんですけど…?”と、心の中で叫んでいた私だった。
いい加減にしてぇ~。
“そんな事をするなら、私と優紀が居ない所で、遣ってて欲しいわよ‼”と、悪態を付く事は、忘れて居なかった私だった。
勿論、心の中で、だけど…。
滋さんに直接、悪態を付ければ、どんなに良いか…。
それが、出来ない私は…。
“はぁ~⤵。”
溜息しか出なかった。
<司side>
俺は、ショックだったあのパーティー後、凹む日が多く成って居た。
そんな所を見ていたで有ろう類が、俺に言って来た。
「司、『赤札』を張る事を止めてみれば…⁉
もしかしたら、そんな司が、嫌なのかも…よ、牧野?」
俺は、類の言葉に、何気に聞いて居た。
「類っ‼
何か、知ってんのかよ?」
類は、クスクス笑いながら、俺に言って来た。
「気に成るんだったら…。
校舎の一番奥に在る、非常階段に行ってみな?
昼休みに行けば、理由が分かると思うよ‼」
俺は、類からそう言われて、次の日の昼休みに行ってみた。
<つくしside>
私は…。
その日のお昼休みも、非常階段に向かって居た。
そして、いつも通り、大きな声で叫んでいた。
「『王様の耳はロバの耳』~‼
ああ~、今日も、スッキリした‼
あの男、何で、ああ~も、毎日毎日、弱い者苛めするのだろう⁉
『男の優しさ』みたいなものは…。
あの男には、ほんと、存在して無いのかぁ?」
私は、そう言って、その日のお昼休みも、非常階段を後にしていた。
<司side>
俺は、非常階段で凄いもの見てしまった。
更に、驚愕とショックな事は、否めねぇ‼
そんな、出来事だった。
俺は、暫く、非常階段から離れる事すら、出来ねぇ程だった。
俺は、直ぐ様、『赤札』を張り付ける事は、撤回した。
そして、俺は、自然と、訳の分からねぇ俺の手下で動いて居た奴等にも、今後は、『赤札を張らねぇ事』と、『人を苛める事は、もうしねぇ事』を伝えていた。
その事に寄り、何年間か、俺が気付き上げて来た『赤札』という存在は、この学園から、姿を消す事と成った。
序でに、その事に寄り、少しでも、俺の良さをあいつに分かってもらいたくて、必死に近付こうとしていた俺が、其処には、存在していた。