エロ門、登場…<総優> 中編
<優紀side>
つくしは、不思議そうに私を見詰めていた。
「如何したの、優紀?」
「ううん、何でもないよ。」
「どうせ、桜子は、私を弄る様な事を書いて居たんでしょ?」
「さあ、如何でしょうか?」
私は、泣き笑いしながら、つくしに応えていた。
「ねぇ、優紀…⁉
滋さんも桜子も、優紀が、T4に戻って来る事を心待ちにしてんだよ?」
「うん、分かってる。
二人の手紙を読んで、嬉しかったから…。
有難いね。」
「うん、そうだよ。
戻ってお出でよ‼」
「うん、そうだね。
T4には、戻っても良いよね?」
「うん、勿論だよ‼
桜子が、“LINEしましょ‼”って、言ってたよ。」
「うん、手紙にも書いてあった。」
「そうか?
じゃあ、戻って来るんだね?」
「うん、また、宜しくね‼」
「了解‼
二人には、伝えて於くよ‼」
そんな時だった。
扉の外が、少し、ざわざわとしていた。
<総二郎side>
俺は、牧野の見舞いに来て居て、扉の外に居た。
病室の扉をノックして入ろうとした時、中から、微かでは有ったが…。
牧野と優紀ちゃんの喋り声が聞こえて来て、入り辛く、音を立てずに、話しを暫く聞いて居た。
立ち聞きは、如何かとは思ったが…。
そんな時、背後に司が居た。
「何だよ?
総二郎、そんな所で…⁉
中に入らねぇのかよ?」
「否、入り辛ぇと思ってよ‼」
「はぁ~??
何だそりゃ?
入らねぇのか?
入るぞ‼」
そう言われて、入る事に成った。
【コンコン】…司がノックした。
「つくし、入るぞ‼」
「うん、司、お帰りぃ~」
「道明寺さん、お邪魔してます。」
「ああ、松岡だったのか?
通りでぇ~。」
司は、急に、小声に成って居た様子だった。
牧野が、訊き返していた。
「えっ??
何…⁉
司、何か言った?」
「否、何もねぇよ‼
奥で、服、着替えて来るわ‼」
<優紀side>
「えっ??」
つくしは、苦笑いを浮かべていた。
「ああ、今は、司も此処(道明寺総合病院の特別室)で同居中…(苦笑)。」
つくしの話しを聞いて、“奥にも、部屋が有るんだぁ~?”と、私は、思った。
“丸で、ホテルだよね?”と、私は、思って居た。
まあ、其れだけの設備は、揃ってそうだけど…。
で、暫くしてから、道明寺さんが、スエット上下のラフな格好に着替えて、部屋の奥から出て来て…。
つくしが居るベッドを素通りして、入り口側に向かった。
そして、誰かに声を掛けて居る様子だった。
扉付近と病室の中は、パーテーションで区切られているので、入り口付近の様子は窺え知れなかったけど…。
「おい、そんな所で…。
何、遣ってんだよ?
入ってくれば良いだろ?」
つくしが、人が居る様な気配を全く感じて居なかったとでも言いた気に、吃驚した様に、道明寺さんに訊いて居た。
「えっ、司…?
其処に誰か居るの??」
「ああ、居るんだけどなぁ~?」
で、道明寺さんに引っ張られる様に、西門さんが、病室に入って来た。
「あっ、エロ門…?」
「よぅ~、牧野っ‼
優紀ちゃん、久し振り‼」
私は、絶句と言う言葉が、頭に過るが如く…。
驚愕して居た。
「お久し振りです。
西門さんっ‼」
私は、つくしの方を向いて、慌てる様に断りを入れていた。
「つくし、今日は帰るね?
道明寺さん、お邪魔しました。
また、お邸に顔出させて頂きますね。」
道明寺さんは、頷いて居た。
そして、慌てる様に、その場を離れ様として居る私に、つくしが、声を掛けて来た。
「うん、分かった。
優紀、お見舞い、有難う‼
今度は、手ぶらで良いからね。」
「うん、分かった。
じゃあ…ね。」
私は、入り口に向かうとして居た時、西門さんに腕を掴まれた。
<総二郎side>
俺は、優紀ちゃんの腕を掴みながら、司と牧野に話ししていた。
「司、牧野…。
俺も、今日は、このまま、帰るわ‼」
「「了解‼」」
俺は、優紀ちゃんの腕を掴んだまま、扉を開けようとして居た時…。
背後から、声が聞こえた。
「あの二人、大丈夫かな…⁉」
「俺等が、心配しても、成る様にしか何ねぇだろ?」
「うん、そうだ…ね。」
まあ、その通りだよな。
成る様にしか成んねぇなら、俺は、成る様にする。
優紀ちゃんが、許してくれんなら…だけど。