エロ門、降臨【エロ門、登場】…<総優> 2.
<総二郎side>
俺は、久し振りに西門邸に帰った。
俺を迎え入れたのは、何時(いつ)もの使用人頭のかよだった。
「まあまあ、お珍しい事も…有るものですね?
如何為されました?」
俺は、“嫌味か⁉”と、思いながらも、親父とお袋の居場所を確認していた。
「否、親父とお袋は…?」
「ええ、いらっしゃいますが…⁉
お呼びしましょうか?」
「否、良いよ‼
俺から出向くわ‼
何処に居る?」
使用人頭のかよは、不思議そうな顔をしていた。
後で、使用人頭のかよから聞いた話だが…。
俺の雰囲気が、いつもと違って居たらしい。
序でに、言葉遣いも…使用人頭のかよが言うには、いつもと違って居たらしい。
まあ、当然と言えば、当然、何だろうけど…な。
で、使用人頭のかよは、俺の問いに答えて来た。
「お部屋にいらっしゃると思いますが…?」
「了解‼」
そう言いながら、俺は、家元と家元夫人の自室に向かった。
襖を開ける前に、俺は、声を掛けた。
「親父、お袋…。
俺、総二郎だけど…。
入って良いか?」
「あら、お珍しい事…?
如何言う風の吹き回しかしら…⁉
取り敢えず、お入り為さい。」
お袋から促されて、俺は、親父とお袋の部屋に入った。
そして、優紀の事を話しし出した。
「忙しい時に悪ぃ。」
「へぇ~、総二郎も真面な事を仰る様に成ったのね?」
俺は、お袋から茶化されていた。
「お袋、良いかな?
真面目な話しがしてぇんだ。
先ずは、話しを聞いてくれるか?」
「………」
お袋は、俺の真剣な顔付きを見て、何も言えねぇのか?
黙り出した。
「親父、お袋…?
俺、結婚してぇ女が出来た。」
親父とお袋は、顔を見合わせながら、吃驚した表情で、何かを言いた気にして居た。
「其れは、何方のお嬢様、何だ?」
「俺は、何処ぞのお嬢様じゃねぇと結婚出来ねぇって事か?」
また、親父とお袋は、顔を見合わせていた。
「そう言う訳じゃない。
保の所も、一般家庭の娘さんを、司君のお嫁さんにしたらしいが…。
業績が上がった様で…。
保から、“婚約発表をする‼”って聞いた時に、言われたよ。
“司の原動力に成って居るから、もう、司から、彼女を引き剥がせない‼”と…。」
俺は、思った。
“そりゃあ、そうだろうな。”と…。
司には、牧野じゃなきゃあ、無理だろうな。
司の父ちゃんに、其処まで、言わしめた牧野は、“凄ぇ‼”って…俺は、そう、思って居た。
「俺も、そう思うよ。
司には、牧野だろうって…。
俺にも、そう思わせてくれる女が出来たって事だ‼」
お袋は、飛んでもねぇ事を口走りやがった。
まあ、俺も、相当、遊んでたから…。
言い返せねぇのだが…。
「其のお嬢さんとは、何処で知り合ったの?
まさか、お遊びのお相手って事は無いわよね?」
「なっ、訳ねぇだろ。
もう、遊んでねぇよ‼
あいつが居んのに遊ぶ訳ねぇだろ?
誤解を生む様な言い方は、あいつの前では、言わねぇでくれよ。
それに、俺の女は、あの司の奥さんに成った牧野の親友だよ‼
真面目で、頑なで、牧野同様、要らねぇ所が頑固な女‼
其れに、俺が、“一緒に住みてぇ‼”って、言っても…。
親父とお袋から、“認めてもらえてねぇ(ない)から、同棲は出来ねぇ(ない)。”
って、言われてんだ。
だから、こうして、許しを得る為に、俺が、(西門)邸に帰って来たって訳だ。」
お袋は、何か、思い出した様子だった。
「って、事は…。
あの時、貴方方が高校生の頃…。
更さんと、ご一緒に邸に来られて居たお嬢さん…って事?」
お袋は、変な事を思い出したって処か…?
「ああ、そうだ。」
お袋は、更に、思い出さねぇでも良い事を思い出した様子だった。
そして、俺に訊いて来た。
「でも、あの時、あのお嬢さんが邸に来て居た事を、総二郎、貴方、怒っていたわよ
ね?」
「ああ、そうだったな。
あの時は…。
西門家の柵にあいつを放り込んでも、俺は、あいつを守れるだけの自信が無かった。
けど、今なら、あいつを守って遣れる。
やっと、あいつに向き合う覚悟が俺にも、出来たって訳だ。」
「じゃあ、あれから、ずーっと、お付き合いして居たの?」
「否、一度は、傷付けて遠避けてた。
けど、一度、手放した想いは、心の蓋が開けば…。
あっという間に、失くせなく成ってた。」
「じゃあ、其のお嬢さんは、総二郎を許してくれたって事…?」
「ああ。」
で、親父から、言われる言葉は、今の俺にとっては、想定内の言葉だった。