俺を見てくれ‼…<つかつく> 13.
早速、椿は、つくしが住んで居る港町に来ていた。
椿は、つくしに会えると心弾ませていた。
そして、椿は、海を眺めながら、砂浜に腰掛けているつくしを見掛けて居た。
楓のSPが、椿に報告して来たのだから、当り前なのだが…。
椿は、つくしに近付いて声を掛けた。
「つくしちゃん、会いたかったわ‼」
そう言いながら、椿は、何時もの如く、つくしを抱き締めた。
「椿お姉様っ‼」
つくしは、吃驚して、目を丸くしている。
「クスクス。
つくしちゃん、会いたかったのよ‼
会えて良かったわ‼
元気そうね⁉」
「椿お姉様も…。」
「ええ、とっても、元気よ。
つくしちゃん、お話ししない?」
「えっ??」
つくしは、“もう、既に、お話ししていると思いますが…?”
の、心境だった。
「ねぇ、つくしちゃん、LAに来ない?」
「………」
椿の突拍子も無い言葉に、驚愕するしかなかったつくしだった。
「其れよりも、私とも、会いたくない?」
「………」
つくしは、何と言えば、良いのか…?
分からずに居た。
「つくしちゃんに、何が有ったの?
私に教えて…?」
つくしは、思って居た。
“この人だけには、誤魔化しは通じない。”と…。
だからだろうか?
全てを椿に話ししていたつくしが其処には居たのだった。
つくしは、涙を流しながら…話ししていた。
椿は、何も言わず、つくしの背中を摩りながら…相槌を入れ乍ら、つくしの話しを聴いて居た。
将来の姉妹に成るで在ろう椿とつくしの二人の光景を、陰から見ていたSP達は、柔らかいオーラに包まれていた。
話し終えたつくしの顔色は、微かでは在るが、赤味を感じる程、リラックスしていた。
ここ最近のいつものつくしの顔色は、青味掛かった様な血色が無い様な感じだったのだが…。
そして、今まで、あの事故の件を話しする事を拒み続けて居たつくしだったが…。
椿に話しして居る間も、発作は出なかった。
その様子を陰から見ていたSP達も、ほっとしていた。
其れが、如何いう意味なのかは、分かって居たつくしだった。
つくしにとって、絶対的な存在の椿…。
椿の傍に居る事で、“心からの落ち着きを取り戻せた‼”と、思えたつくしだったのだ。
つくしは、自分自身を取り戻す為、椿と一緒にLAに渡米する事に了承したのだった。
つくしは、椿から打診されて居たのだった。
「LAで、ロースクールに通いながら、国際弁護士資格の取得を目指さない?」
その件に関しては、つくしは、了承の意を椿に告げていた。
「私…。
日本で、弁護士資格を取得する以前から、“遣ってみたい‼”と、思って居たんです。
国際弁護士に成る事が、私の最終目標だったんです。」
つくしは、椿には、“私(つくし)にとって、最終目標は、『憧れの静さん』…。”と、言う言葉は、喉の奥に沈めていた。
つくしにとって、椿も、『憧れの女性』には、変わりなかった。
だが、つくしにとっては、『憧れの位置付け』が違うのだ。
つくしにとっては、『理想の女性』の椿…。
つくしにとって、つくしの将来の夢は、『憧れの静さんと同じ夢を見る事』…。
この時点で、憧れの対象として居る場所が違うのだ。
何方も、つくしにとって憧れで在り、つくしが理想として居る女性に違い無いのだ。
つくしは、椿には、誤解して欲しく無かったのだった。
否、つくしは、『憧れの椿お姉様』を、悲しませたく無かったのだった。
一方、つくしが、椿の計らいでLAに渡米する事に成った件に関しては、SPから楓に報告が入った。
“椿に任せて良かった‼”と、つくづく感じていた楓だった。
そして、この事は、楓➡司に伝わった。
つくしを蘇らせたのが、自分自身(司)ではなく、『椿』と言う事は、司にとっては、不満が残る結果だったのだが…。
司は、NY本社への転勤を楓に申し出ていた。
楓も、つくしがLAに渡米して来るなら、司は、そう言って来ると踏んで居たので…。
考えては居た。
しかし、つくしは、進が道明寺HDで働いて居る事を知らない。
進を如何するのかという話しにも成る。
だが、司は、既に、考えて居る事が有った。
その事を楓に打診してみようと、考えて居た司だった。