tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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まだ、知らない世界…<つかつく>  1.




<先ずは、桜子の回想から入って行きます。
 ご了承下さいませ。>



【分岐点…。】


例の港で、司が、暴漢に襲われた後…。


つくしに寄って、一命を取り留めた司だったが、其の後、意識の回復した司は、つくしだけの記憶を失くしてしまって居た。


其の後、つくしは、司に思い出してもらえなかった事が、悔しいのではなく…。


*『道明寺(司)が、私(つくし)を必要としてくれなかった事』


*『私(つくし)の記憶が無くとも、道明寺(司)は、私(つくし)を見付け出してくれ
  ると、自分(つくし)自身が思って居た事自体が、覆されてしまった事』


其の事自体が、つくしは、悔しかったのだ。


だから、つくしは、司の前から、姿を消した。


「あばよ…‼」と、言う言葉と共に…。


そして、其の後のつくしは、本当に、司の前に姿を現す事は無かったのだった。


そして、其の後の司は、司の母親で在る 楓に寄って、日本を離れ、NYに渡米したのだった。



【桜子の回想…。】


あの後、先輩は…。


唯、学業とバイトに明け暮れた。


其れは、私が傍で、観て居ても痛々しい程に…。


先輩は、一切、笑わなく成った。


否、先輩は、一切、表情を出さなく成ってしまった。


そんな先輩を、私は、優紀さんと、いつも、見守っていた。



そして、そんな或る日の事だった。
もう直ぐ、高校3年に成ろうとして居た先輩から、呼び出された私は、先輩からの言葉に驚愕していた。


「桜子、私ね…。
 英徳高校を卒業したら…。
 大学は、行かないかも…?」
「………」


私は、言葉も出なかった。


何が、先輩をそうさせているんだろ?


勉強しか取り柄の無い先輩が…?


「高校までは、家族が力を合わせて、取り敢えず、(英徳高校に)行かせてくれる事に成
 ったけど…。
 大学までは無理でしょ?
 今のうち(牧野家)の家計では…。
 だからね、英徳高校を卒業したら、働くかも…。
 それにね、もう、辛くて限界、何だ‼
 道明寺の面影と共に、過ごさなきゃ成らない英徳が…。」


私は、先輩を説得するつもりで居た。


「先輩、其れなら、センター試験を受ければ良いじゃないですか?
 先輩は、勉強が好きでしょ?
 だったら、センター試験を受けるべきですよ‼
 私、応援しますから…?」
「………」


先輩は、涙を流し始めていた。


そして、其れ以降、其の事に関して、一切、言葉を発する事の無い先輩が、其処には居たのだった。


“其れ程までに、先輩は、英徳に居る事が限界だったんだ‼”と、私は、悟っていた。



私は、(三条)邸に戻って直ぐに、此の事をお祖母様にお話しして聞かせていた。



丁度、其の頃、牧野家の中でも、状況が変わろうとしていた。


先輩のパパが、再就職した企業から、またもや、リストラされてしまったのだ。


其の事も有り、私が、お祖母様に相談した事で、先輩は、三条邸に住む事に成った。


其れは、お祖母様の説得に寄って、先輩は、一応、うち(三条邸)で、住む事に了承してくれたからだった。


そして、先輩のパパとママは、私のお祖母様の紹介で、地方のマンションの管理人の仕事に就く事に成った。



私は、ホッとしていた。


私自身、もう、先輩を失いたくなかったのが、本音だった。



唯、先輩の弟の進君が、高校受験で都立に合格していた事から、入学前という事も有り、三条邸で、私達と一緒に住む事に成った。


其の事に、先輩は、恐縮して、お祖母様に、謝って居た。


「ご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。」


だが、お祖母様は、先輩が安心する様に、微笑み掛けて居た。


そして、お祖母様の微笑みに、安心したかの様な先輩の其の後は、私と一緒に、英徳高校に通う事に成った。


そして、お祖母様は、先輩と進君に英才教育を受けさせ、先輩には、受験勉強の為の家庭教師をも、就けてくれた。


其の事に関しても、先輩は、お祖母様に恐縮していた。


だけど…。
お祖母様は、淡々と、先輩を説得して居たのだ。


「私(わたくし)の孫で在る 桜子を、支えてくれたお礼のつもりよ。
 桜子が、ドイツから帰国して、日本に帰って来た頃…。
  “失恋をした。”と、言って、泣いて居た頃が有ったのよ。
 でも、其の後…。
  “良い友人が出来た。”と、言って、桜子が、変わって行ったのよ。
 其れからの桜子の顔付きも変わって行ったんだけど…。
 何よりも、心からの笑顔が増えたのよ。
 其れが、貴女だったと知って、私(わたくし)は、貴女を支えたいと思ったのよ。
 だから、何の遠慮も要らないわ。
 貴女は、私(わたくし)の孫も当然なのよ。」
「………。
 有難う御座います。」


其れからの先輩は、其れでも尚、お祖母様に、遠慮がちだったけど…。
お祖母様には、何も、言い出さずに居たのだ。


だから、此の時の先輩は、お祖母様のお話し後…。
直ぐには、答えられない様子だったが、そんな先輩は、お祖母様に、お礼の言葉を伝えてくれたのだろう。



そして、先輩は、見事、日本最難関の国立大学に合格した。
だが、学部は、経営学部…。


先輩は、“三条邸でお世話に成ったから…だ‼”と、言ってくれたけど…。
私は、先輩の頑張りが有ったからだと、思って居る。



唯、私が、解せないのは、先輩の本来の夢は、弁護士の筈だった。


だが、先輩がセンター試験を受けた学部は、経営学部だった。


だから、私は、先輩に訊いて視た事が有った。


「先輩の将来の希望の職種は、弁護士でしたよね?
 何故、法学部じゃないんですか?」


先輩は、何処を観て居るのか?
憂いに満ちた顔付きで、私に伝えてくれて居た。


「私が、『まだ、知らない世界』で、此れから生きて行く『あいつの世界』を観
 て視たく成ったの。
 其れが、最大の要因かな?」


私は思った。


“結局、先輩の心は、何時まで経っても、道明寺さんに捕らわれたまま、何ですね。”と…。


だから、私は、一瞬、言葉が出なかった。


否、出せる筈等無かったのだ。


だから、在り来たりな返答しか出来なかった。


「………。
 そうだったんですね。」



でも、考え様に寄っては…。


“先輩が、前向きに成ってくれた事が、何寄り、一番の収穫かも…?”


其の時の私は、そう思う事にして居たのだった。

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