まだ、知らない世界…<つかつく> 3.
【桜子の回想…。】
私は、優紀さんを誘う時も…。
先ずは、お祖母様に優紀さんの存在を話しして居た。
私が、事前に、お祖母様に、優紀さんの事をお話しした内容は…。
*優紀さんが、高校生の頃に茶道を嗜んで居た事。
*先輩と優紀さんは、中学生の頃からの同級生で、幼馴染で親友と言う事。
其の事に寄り、お祖母様から、“優紀さんに、会ってみたい。”と、私は、言われていた。
なので、優紀さんを三条邸に誘った。
「優紀さん…。
お祖母様から、“優紀さんに、会いたい。”と、言われてるんです。
良かったら、うちの(三条)邸に来られませんか?」
優紀さんが、如何思って、初めは、うちの(三条)邸に来る事を拒んで居たのか?
分からなかった。
でも、私の予想だと…。
優紀さんは、お祖母様に迷惑を掛ける様な気に成って居たのだろう。
「えっ、でも…。」
だから、私は、ここぞとばかりに、先輩を利用する事にした。
優紀さんの言葉が、最後まで、発せられる前に、私は、優紀さんに話しを促していた。
だからだったのだろうか?
一応、了承してくれた優紀さんだったのだ。
「先輩も居ますし…。」
「うん、そうだね。」
と、いう事で、其の数日後に、優紀さんは、三条邸に来てくれた。
そして、お祖母様は、優紀さんをも気に入ってくれた。
私の思惑通りだった。
お祖母様は、優紀さんに訊きたい事が有る様子だった。
「優紀さん、今は、茶道には、精通して居ないのかしら?」
「はい、今は…。」
「そうなのね。
優紀さんは、茶道は、お嫌い?」
優紀さんは、にっこり笑って、お祖母様にお話しされていた。
「いいえ、飛んでも無いです。
お茶は、大好きです。
お茶の香りには、癒しを感じます。
唯、続ける機会に恵まれなくて…。」
お祖母様は、ニコっと、微笑んで、優紀さんを誘導する様に話しして居た。
「そうだったのね。
じゃあ、私(わたくし)が、教授するわ‼
私(わたくし)ね、実は、師範のお免許を取得して居るのよ。
如何かしら?」
優紀さんは、即座に、お祖母様に了承していた。
「是非、お願いします。」
「じゃあ、決まりね。」
其れからの優紀さんは、三条邸に通う様に成った。
其のうち、優紀さんは、三条邸に住まいを移した。
お祖母様の説得だった事は言うまでも無い。
勿論、お祖母様は、優紀さんのご両親をも、納得させていた。
其の後の優紀さんは…。
半年経った頃から、お祖母様が開かれるお茶会の席では、必ず、優紀さんが、亭主を務める様に成って居た。
其れ程までに、お祖母様は、優紀さんを信頼していた。
其の事は、例の企業家の方々 や 役員の方々に、話しが伝わり、何方からも、優紀さんは、信頼の眼差しで観られていた。
なので、優紀さんにも、お見合いの話しは、来ていた。
だが、お祖母様の時点で、優紀さんに入って来るお見合いのお話しも、お断りしていた様子だった。
そして、優紀さんも、自然な形で、先輩の仕事に関わる様に成って行った。
そして、先輩と優紀さんが、それぞれ、大学を卒業して、本格的に、企業に力を注ぎ出した。
そして、企業を株式化する事に成り、優紀さんは、人事部、経理部を担う為、部長職に就いた。
私は、秘書onlyだった筈だが…?
何故か?
何でも屋に成ってしまっていた。
で、いつの間にか、私は、専務の職に就いて居た。
先輩は、社長業の他に、企画、経営も担っていた。
まだまだ、従業員を雇える程の実績は、挙げられて居なかった。
しかし、お祖母様が、ご紹介下さった企業からのオファーも増え、少しずつでは有ったが…。
世間で、認めてもらう様な企業に成って居た。
そして、其の後の私も、英徳大学を卒業と同時に、本格的に、先輩が起こした企業の仕事に精を出して居た。
そんな時、雑誌社から、雑誌の企画で、“社長(先輩)を特集したい‼”と、言う話しが、舞い込んで来た。
先輩は、躊躇して居たが…。
雑誌社からの熱いアプローチに、渋々、受ける事に成った先輩だった。
勿論、優紀さんと私も、同席していた。
女性の親友3人だけで立ち上げた企業と言う事が、企画として、面白いという事だった。
先輩は…と言うと?
「そんなもん何だ…?」
と、言いながら、不思議そうにして居た。
<此の二次小説『まだ、知らない世界…<つかつく> 3.』は、短めに成っておりま
す事を、お詫び申し上げます。>