泣かずに居られるのなら…<つかつく> 9.
<イギリスでの会話(司と西田の会話以外)は、英語で行って居ると認識下されれば、幸
いです。
宜しくお願いします。>
イギリスに着いた司は、取り敢えず、報告通りの病院に急いだ。
其処で、やはり、患者の名前が、『牧野つくし』で在る事を突き止めた。
そして、つくしの病室に案内する様に、院長に告げた司だった。
その時、院長から、確認された。
「此の患者とは、如何言うご関係なのでしょうか?」
間髪入れずに、司は、応えていた。
「俺の妻だ‼」
院長は、怪訝な態度に成った。
「此の患者は、独身だと伺っていますが…?」
司は、言葉を言い変えた。
「結婚予定が在った。
つくしは、俺の婚約者だ‼」
院長は、返事のみにした。
「そうでしたか?」
司は、言おうか? or 言わないで於こうか?
迷ったが…。
“オフレコでお願いしたい‼”と、司は、院長に告げてから、話しを続けて居た。
「俺とつくしとの間には、現在7歳に成った息子が居る。
だから、事情があって、籍が入って居ないだけで…。
夫婦に変わりねぇんだ‼」
「………」
司は、それ以上は、何も言えずに居た。
勿論、院長も、何も応えずに居た。
そして、つくしの病室に着いた時、司は、目を疑った。
つくしが、あの頃のつくしじゃない程に、衰弱して居たのだ。
司は、つくしの傍に行き、つくしに声を掛けた。
「………、つくしっ‼」
そして、司は、つくしの手を握り、反対の手で、頭を撫でていた。
司は、こんな風に成ったつくしを見て、主治医を呼ぶ様に叫んだ。
「主治医を呼べ‼」
そして、主治医につくしの病状を言う様に指示をした。
しかし、返って来た言葉は、“配偶者じゃないので伝えられない。”と、言う言葉だった。
司は、怒り狂って居た。
西田が、押さえ付けても、無駄な程に…。
そして、司から、飛んでも無い事が話された。
「西田、つくしを此処には置いて帰れねぇ‼
一緒に、日本に連れて帰るぞ‼」
西田は、慌てた。
「司様、其れは成りませぬ。」
司は、西田の方を向いて、怪訝な顔をした。
だが、西田は、続けて話しし出した。
「つくし様のお身体では、まだ、万全じゃ御座いません。
つくし様は、フライトには耐えられないと、思われます。
ですので、取り敢えず、航坊っちゃんもお待ちでしょうから…。
病院につくし様をお預けに成って、我々は、一旦、日本に帰国致しましょう‼」
司は、西田を睨み付けた。
「其れなら、俺は、日本には帰らねぇ‼
つくしの傍に居る。
つくしからは、離れねぇ‼
やっと、逢えたのに…。
西田も、俺とつくしを引き剥がすのか?
西田もババアの手下なのか?」
“西田は…?”と、言えば…。
“それ程までに…。
自分(西田)自身をも疑う程、司は、人間不信に陥って居るのだろうか?”
と、西田は、不安に成って居た。
当の司本人は、つくしから離れたく無かっただけなのだった。
つくしが、在る程度、回復するまで、“イギリスに留まる‼”と、司は、抵抗していた。
このままでは、道明寺HDの執務が滞るだけじゃなく、道明寺HDに対する影響も大きく成ると推測される。
西田は、悩んだ挙句、司の父親で在る 道明寺HD 会長に相談を掛ける事にした。
西田は、『コト』の次第を、全て、会長に伝え、その上で、判断を仰ぐ事にした。
司の父親で在る 保は、考えに苦慮したが…。
「取り敢えず、道明寺総合病院のドクター・ナースをイギリスに派遣して、イギリスのド
クターとの引き続きをさせ、道明寺総合病院に転移する手続きを行う様に…。」
と、西田は、道明寺HD 会長より、仰せ遣って居た。
西田は、院長に道明寺HD 会長の意向を伝え、至急、転移の手続きを取り付けた。
そして、其れと同時進行で、道明寺総合病院に連絡を取り付け、ドクター・ナースの派遣を要請した。
その事に寄り、つくしは、自分(つくし)自身の了承なく、日本に帰国する事と成った。
つくしが、後で、この事が分かれば、激高する事は、間違い無い事案では有るのだが…。
西田は、つくしが、“道明寺HD 会長の命令だ‼”と、言われれば…。
つくしは、何も言えないだろうと踏んだのだった。
そして、司は、西田に、イギリスに居た頃のつくしの生活振りを調べさせた。
そして、奨学制度を利用して、ロースクールに通学して居た事を知った司だった。
だから、つくしがイギリス滞在の間に掛かった全ての費用を、全て、司が、返済を済ませていた。
この事に寄り、後腐れなく、何もかも処理した状態で、司はつくしを日本に連れて帰れる事を喜んで居た。