もう、逃がさねぇ…<総優> 前編
<此方の二次小説、『もう、逃がさねぇ…<総優>』は、『もう、逃げられない…<総優
>』の『answer story』に成って居ます。
ご一緒に『もう、逃げられない…<総優>』をご覧頂けますと、幸いです。>
<総二郎side>
俺は、西門総二郎 26歳。
西門流 次期家元を、既に、襲名して居る(高校生の頃には襲名していた。)。
俺は、次期家元を襲名したくて、襲名したんじゃねぇ。
俺の兄貴で在る長男が、医者に成りたいと言い出し、家を出た事から、次男で在る俺が、次期家元を襲名する羽目に成った。
そんな俺を、家元、家元夫人で在る俺の両親は、中学のガキの頃から遊び始めた俺の日々の生活態度に煩く詰って(なじって)来る様に成った。
其れが、今度は、俺が、高校3年位ぇ頃から、家元に関しての愚痴を、俺は、家元夫人から聞かされる様に成って来ていた。
家元で在る俺の父親は、次期家元を襲名した頃(父親が中学の頃)から、『女遊び』に精を出す様に成ったらしい。
俺が、思うに…俺の父親で在る家元も。
“俺と同じ思いだったという事だろう?”と、推測する。
親父は、一人っ子だった故、必然的に、次期家元を襲名する事は決まっていた。
それに、高校を卒業する頃には、家元夫人で在る俺の母親との縁談が決まって居たらしい。
それ故、俺の両親は、愛の無い結婚だった。
だから、俺が物心付いた頃から、両親の喧嘩が絶えねぇ事は理解していた。
(西門)邸の中は、いつも、冷え冷えで、しーんと静まり返り、人が住んで居る様には、俺自身でさえ、思わなかった。
血が通った温かみの在るあきらん家(ち)の(美作)邸が、ガキの頃は、羨ましくて仕方なかった。
それ故、(西門)邸に帰る気に成れずに居た。
如何しても、我が家で在る西門邸が、好きには成れなかった。
そんな時、傍に居たのは、更だった。
いつも、そんな俺を慰めてくれて居た。
俺の淡い初恋の相手…。
でも、本当に、俺は、更が好きだったんだろうか?
現在の俺の彼女は、松岡優紀。
更の時もそうだったが…。
如何しても、こんな西門家の柵に、俺の好きな女を放り込みたく無くて、好きでもねぇ女と遊ぶ事で、気持ちを紛らせていた。
更の時は、平気で、其れが出来た。
けど…。
優紀の時は、『女遊び』をして居る様で、心は、いつも、優紀を見て居た。
頭で、優紀を避けているだけだった。
段々、綺麗に成長して行く優紀を、他の男に取られたく無くて…。
俺は、優紀を俺の懐に手懐けた。
やっと、分かった様な気がする。
更は、俺にとっては、“唯の『girl friend』だった‼”って言う事を…。
優紀は、俺にとっては、“『女』だった‼”っていう事を…。
更とのあのビルで別れた後、更を見送る時の更の背中を見た時、俺は、『妹』を見て居る様な気持ちだった。
不思議な気分だった。
あのビルのドアを開けて出て行く更の後ろ姿を見た時、逞しく成長した妹みたいに見えていた。
そして、更とは、すんなり、本当に終わる事が出来て居た。
俺が、更から、呼び出された時にあのビルに行かなかった事で、更とは、一度は、会わなく成って居たけど…。
もう、前みたいに、二度と会わない別れじゃないし、多分、(西門)邸には、また、遊びに来るだろうし…。
だから、更とは、幼馴染としての付き合いは続いて行く気はして居た。
そう、その時の俺の更への想いは、幼馴染としての想いだけだった。
でも、優紀は…。
俺は、「これからも、仲間として、宜しく‼」って、優紀に言った後も、何故か、優紀の事がずーっと気に成っていた。
簡単に引き剥がせねぇのに…。
仲間として、傍に、置こうとして居たのに…。
あの時、確かに、俺は、優紀には、言ってしまった。
優紀が、俺を好きで居てくれて居る事は分かって居たのに…。
「俺は、優紀ちゃんを恋愛対象に見る事は出来ない。
これからも、仲間として、宜しく‼」
そう言ってからも、それでも、優紀への想いに気付かない振りをしようとしていた俺が居た。
俺は、“やっぱり、優紀だった。”と言う想いを悟るまでは…。
だから、優紀を俺から離したく無くて…。
お袋には、しっかり、言って於いた。
<一部の記載内容に、神尾葉子先生の『花より男子』の漫画のセリフを引用させて頂いて
居ります。
勝手に、引用させて頂いて居ります事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、ご迷惑をお掛けして申し訳御座いません。>