Remember me…<つかつく> 2.
一方の司は、つくしが、英徳時代の記憶を欠如して居た頃と程無くして…。
司の記憶は、予期して居ない状況に寄り、自然な形で取り戻していた。
司が、見て居た夢の中に、あの日の少女…が、現れたのだ。
~~【司の夢の中…。】
黒髪の肩までのストレートヘア。
眼が大きくて、印象的。
英徳高校の制服を着た、ヒマワリの様な、明るい笑い顔を見せて居た。
そして、司に声を掛けて来た。
「道明寺…‼」 ~~
司は、跳び起きた。
自分自身の頬に流れていた涙に気が付いた司だった。
そして、打ち拉がれていた。
“何故だ、何故、何だ?
何故、俺は、俺が恋して止まない女の事を忘れて居たんだ?”と…。
司は、自分自身の頭を手で殴っていた。
つくしの記憶が無かったNYでの司も、其れは、相当、酷い状態だった。
女性を近付け様としないだけじゃなく、『悪口雑言』…。
下手をすれば、楓に寄って、態と二人っきりにさせられた女性の顔を見ただけで…。
吐き気を伴い、本当に、女性の目の前で、吐いた事も有った。
楓は、司が、つくし以外にも、女性に興味を示すのか?
知りたかったという理由で、司に女性を近付けさせていた。
だが、其れが返って、楓の予期せぬ方向に傾いてしまった。
司は、一切、女性を受け付けない事から、司に就いた異名は、『ゲイ』だった。
司自身は、男性に興味が有るという訳では無かった。
だが、“其の方が好都合‼”と、敢えて、司は、否定もして居なかった。
だが、つくしの記憶を取り戻した司は、其れにも増して、自ら、司自身を傷付け様とし始めて居た。
“眠れないから…。”と、言い出し、司は、大量の睡眠薬をアルコールで飲み始めた。
また、大量のアルコールを摂取した状態で、バスルームに入り、バスタブで、倒れた状態で、西田 もしくは、執事やSPに寄って、何度も、発見された事も有った。
此れには、西田だけじゃなく、楓までもが、司を放って置けない状況と成っていた。
そんな時、あきらが、NYに出張で渡米して居た。
実は、あきらの父親に寄り、出張と評した渡米をしていたあきらだった。
司の父親とあきらの父親の間に寄って、実現した事だった。
だから、其の前手で、F3は、司の父親を通じて、F3の父親から、それぞれ、司の記憶が回復した事を聞いていたのだった。
また、司の噂を聞いて、あきら自身は、あきらの父親の申し出が無く共…。
司の事が、心配で、様子を見に来たのだった。
其処で、あきらから、つくしの現状を聞いた司は、尚も、打ち拉がれてしまった。
あきらは、尚も、口を開いた。
「今の、司を見た牧野は、如何言うだろうな?」
「………」
司は、何も応えられなかった。
「なあ、司…?
幾ら、後悔しても、現状、牧野の記憶の中には、俺等は居ねぇんだよ‼
幾ら、じたばたしても、此れは、如何しようもねぇだろ?」
司は、あきらを睨み付けた。
「あきらは、当事者じゃねぇから、そう思えるんだよな?
俺は、牧野を傷付けただけじゃなく、俺自ら、牧野を失ってしまったも当然な状況、何
だよ。
これが、如何言う意味を成すのかは、俺自身が一番、知ってんだよ‼」
あきらは、態と、きつい言葉を司に投げ掛けた。
「じゃあ、司は、牧野を失って、自分自身も、見失うって言うのか?」
「………」
司は、答え様が無かった。
あきらは、優しい目に成り、司を諭していた。
「なあ、司…?
司の辛ぇ気持ちは、十分、分かってる。
優紀ちゃんが、牧野の現状報告をしてくれて居るから、また、連絡するわ‼」
司は、あきらの顔を見ながら、怪訝な顔をして、あきらに訊いて居た。
「優紀ちゃん…?」
あきらは、“司が、『優紀ちゃん』の事を知らねぇ訳ねぇと思うのだが…。”と、思い乍らも、司に説明していた。
「司は、覚えてねぇか?
牧野の親友で、カナダ旅行にも、一緒に行ってたんだけど…な?
“牧野が、バイトしてた団子屋で一緒にバイトしてた娘(こ)…。”って、言えば、分か
るか?
優紀ちゃんは、牧野の中学の頃からの幼馴染で親友、何だよ。」
司が、首を頻りに振るので、分かりやすく説明して居たあきらだった。
だが、司も思い出したのか?
返事していた。
「ああ、思い出したわ‼
で、其の女が何なんだ?」
あきらは、再度、司に伝えていた。
「だから、牧野の現状報告を優紀ちゃんに頼んでるんだよ。
優紀ちゃんは、英徳学園とは、関係ねぇから…な。
だから、俺等の仲間の間では、優紀ちゃんだけが、牧野に接触出来んだよ。」
司は、“そう言う事だったのか?”と、つくしの状況を再認識していた。
司は、唯、あきらの話しを訊いて居ただけだった。
あきらが、NYから日本に帰国してからの司は、何をする気も起きず、唯、毎日を惰性で過ごすのみだった。
<此の二次小説『Remember me…<つかつく> 2.』は、短めに成っております事
をお詫び申し上げます。>